物流の内製化はどこまでやるべきか?荷主の関与3パターンと段階別の進め方
物流の内製化とは、荷主企業が輸配送の計画・手配・請求を自社の仕組みとデータで管理できる状態にする取り組みです。ドライバー不足や輸配送コストの上昇、物流効率化法への対応を背景に、運送会社へ任せてきた領域へ荷主企業が関与する必要性が高まっています。
ただし、物流の内製化は「すべて自社でやるか、すべて外部へ任せるか」の二択ではありません。本記事では、荷主の関与3パターンと内製化の3段階を整理し、自社がどこから始めるべきかを判断する方法をHacobuが解説します。
なお、Hacobuは内製化の構想づくりを支援する物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」と、自社要件に合わせて輸送管理基盤を構築するシステムインテグレーション「Hacobu Solution Studio」を提供しています。「どの業務を自社で持つか」の判断から、必要な仕組みの実装までを支援します。
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目次
物流の内製化とは
物流の内製化とは、荷主企業が輸配送の実態を把握し、計画・手配・請求などの一部または全部を自社で管理することです。自社トラックや自社ドライバーを持つことだけを意味しません。
物流業務では、3PLや運送会社へのアウトソーシングが広く行われてきました。外部の専門性や輸送網を活用できる一方、委託範囲が広いほど、配車の根拠や積載率、個別便の物流コストが荷主から見えにくくなる場合があります。輸送管理の内製化では、実輸送を引き続き運送会社へ任せながら、荷主が意思決定に必要な仕組みとデータを持つことも可能です。
自社でやる業務と、仕組み・データを自社が持つことは違う
輸送管理の内製化では、「誰が作業するか」と「誰が仕組み・データを持つか」を分けて考えます。
例えば、配車計画の作成を運送会社へ依頼したままでも、荷主が出荷指示データと車格を自社の基盤へ取り込み、計画時の積載率を確認することは可能です。荷主は運送会社の専門性を生かしながら、低積載の便が生じた理由や改善余地を共通の数字で議論できます。
内製化の目的は、委託先の仕事を奪うことではありません。荷主が自社の物差しを持ち、運送会社と協力して持続可能な輸配送をつくることです。
倉庫の内製化と輸配送の内製化は別物
倉庫の内製化と輸配送の内製化は、対象業務も必要な体制も異なります。
「物流の内製化」を扱う一般的な解説には、ピッキング、梱包、在庫管理などの庫内作業を自社へ戻す話が多くあります。本記事が扱うのは、トラックによる輸配送の計画、配車、手配、実績把握、請求・原価管理です。倉庫設備や庫内人員の保有判断ではなく、荷主が輸送をどこまで把握・管理するかに焦点を当てます。
物流体制全体を見直したい方は、物流体制の再構築を成功させる3つのステップもご覧ください。
荷主が輸配送業務に関与し始めた2つの背景
荷主が輸配送へ関与し始めた背景は、輸送能力とコストをめぐる環境変化、物流効率化法による要請の2つです。輸配送を委託していても、荷主自身が実態を把握し、改善を進める必要があります。
ドライバー不足と輸配送コストの上昇
ドライバー不足が続くなか、必要な輸送能力を必要な時期に確保する難易度は高まっています。輸送能力が限られれば、運賃の上昇や、従来と同じ条件では車両を確保できない事態も起こります。
Hacobuには、荷主企業から次のような声が寄せられています。

- 運賃の値上げ要請を受けたが、輸配送の実態を把握できず、妥当性を判断できない
- 運送会社から輸送を断られるケースが出てきた
- 地方拠点では代替の運送会社が見つかりにくい
- 既存の運送会社との関係を維持しながら、本格的に改善したい
アウトソーシングを続ける場合も、委託先に任せきりにせず、便数、積載率、運賃、荷待ち時間などを荷主が確認できる状態をつくる必要があります。
物流効率化法が荷主に関与を求めている
物流効率化法は、荷主に積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮へ取り組む努力義務を課しています。一定規模以上の特定荷主には、中長期計画の作成、定期報告、物流統括管理者(CLO)の選任も義務付けられています。CLOには、中長期計画や事業運営方針の作成、物流改善に必要な業務の統括管理が求められます。
荷主が法対応の状況を説明するには、物流会社から結果だけを受け取るのではなく、積載効率や荷待ち・荷役等時間のデータを継続的に把握することが欠かせません。
出典:国土交通省「5分でわかる物流効率化法の改正のポイント」、物流統括管理者(CLO)の選任、特定事業者の指定(2026年8月参照)
輸配送機能の強化に動く荷主企業の実例
輸配送機能の強化は、物流会社の子会社化、物流子会社の本体統合、専門組織の新設など、さまざまな形で進んでいます。
| 動き | 企業例 | 公表内容 |
|---|---|---|
| 物流会社の子会社化・物流機能の強化 | エディオン、伊藤園 | エディオンは物流サービス会社を子会社化し、伊藤園は物流管理を担うグループ会社を運営 |
| 物流機能の本体統合 | AGCなど | AGCは2026年1月にAGCロジスティクスを吸収合併 |
| 物流管理組織の新設・独立 | SUBARU、花王 | SUBARUは物流本部を新設。花王はロジスティクス部門をSCM部門から独立 |
出典:エディオン「グループ沿革」、伊藤園「グループ会社」、AGC「合併公告」、SUBARU「組織改正について」、花王「CLOオブザイヤー2026大賞受賞」(2026年8月参照)
物流を内製化するメリットとデメリット
輸配送の内製化には、実態を把握して自社で改善できる利点がある一方、固定費化や人材育成の負担があります。メリットだけで判断せず、自社が担う段階を選ぶことが重要です。
メリット:コストと輸送能力を自社でコントロールできる
輸送管理を内製化する最大のメリットは、物流コストと輸送能力を自社のデータで管理できることです。
第一に、便別の運賃、積載率、走行実績、荷待ち時間を把握でき、値上げ要請の妥当性や改善余地を検討しやすくなります。
第二に、荷主と運送会社が同じ数字を見ながら議論できるため、「感覚では空きがある」といった曖昧な会話から脱却できます。
第三に、低積載の便や空車区間を特定し、追い積み、便の集約、出荷日の調整などを荷主側から提案できます。
第四に、積載効率や荷待ち・荷役等時間の実績が蓄積され、物流効率化法の計画策定や定期報告に必要な説明をしやすくなります。
第五に、配車条件、納品先ごとの制約、運送会社の特性などのノウハウが社内に残ります。担当者個人や委託先だけに情報が集中しにくくなり、環境変化に応じて輸送条件を見直せる組織へ近づきます。
デメリット:固定費化と人材育成の負担
輸配送の内製化では、外部へ支払っていた費用の一部が、人件費やシステム費などの固定費へ変わります。物量が少ない時期も一定のコストが発生するため、運賃単価だけを見て「内製化すれば安くなる」とは判断できません。
配車計画を自社で作る場合は、荷量、車格、納品時間、道路条件、運送会社の得意領域を理解する担当者が必要です。配車はシステム操作だけで完結せず、例外時の判断や関係者との調整を伴います。業務を標準化し、担当者を育成する時間も見込まなければなりません。
既存の物流会社や3PLとの関係再設計も必要です。委託業務を自社へ戻せば、相手の売上や業務範囲が変わります。荷主だけの都合で進めるのではなく、積載率の向上や必要車両数の削減など、双方の利点を示して役割分担を合意することが欠かせません。
内製化の負担を抑えるには、最初からすべてを抱えず、自社の目的に合う段階から始めます。
荷主の輸配送への関与は3パターンに分かれる
荷主の関与方法は、定期モニタリング、リアルタイムモニタリング、配車業務の自前実施の3パターンです。どれが優れているかではなく、目的とリソースに合う方法を選びます。

| パターン | 主目的 | 向いている荷主企業 | 関与の度合い |
|---|---|---|---|
| ①定期モニタリング | 実態把握と改善の土台づくり | まずKPIを把握したい/人員が限られる | 小 |
| ②リアルタイムモニタリング | 日々の運用改善 | 低積載便などへ運行前・運行中に対応したい | 中 |
| ③配車業務の自前実施 | 計画と輸送能力のコントロール | 配車を競争力にしたい/体制を整えられる | 大 |
①定期モニタリング
定期モニタリングは、荷主と運送会社がKPIを決め、月次などの頻度で実績を確認する方法です。
積載率、実車率、便数、物流コスト、荷待ち時間などを定期的に振り返り、改善策を共同で決めます。関与の度合いが最も小さく、配車作業を変えずに始めやすいため、輸配送の実態が見えていない企業の第一歩に適しています。
②リアルタイムモニタリング
リアルタイムモニタリングは、日々の輸配送状況を把握し、計画や運行へその場で働きかける方法です。
配車段階で積載率の低い車両が見えたら、別の荷物を追い積みする、出荷をまとめる、車格を変更するといった対応を検討します。運行中の位置や進捗を把握できれば、遅延時の納品先への連絡も早められます。
③配車業務の自前実施
配車業務の自前実施は、荷主が輸配送計画を立て、運送会社への依頼と調整を行う方法です。
物流会社が担ってきた配車権を荷主が持つため、3パターンで最も深い関与となります。積載率や便数を計画段階から管理できる一方、配車担当者、業務フロー、運送会社との合意、システム基盤が必要です。
どのパターンを選ぶべきかの3つの判断軸
関与パターンは、目的、自社リソース、物流会社との関係性の3軸で選びます。

- 関与する目的を決める:安定輸送、法対応、品質向上、コスト最適化のどれを優先するかを明確にします。
- 自社リソースを確認する:人員、配車ノウハウ、出荷・運行データ、システムの有無を確認します。
- 物流会社との関係性を整理する:委託先が持つ専門性、改善への協力体制、契約範囲を踏まえて役割を決めます。
実態把握が目的で人員が少ない企業は定期モニタリングから始めます。計画段階で改善したい企業はリアルタイムモニタリングへ進み、輸送効率を競争力にしたい企業は配車業務の自前実施を検討するのがよいでしょう。
配車業務の自前実施とは何か
配車業務の自前実施とは、荷主が出荷指示を出すだけでなく、配車計画と運送会社への手配まで担うことです。実輸送は運送会社へ委託したまま進められます。
出荷指示・配車計画・手配・実輸送のどこを自社で担うか
輸配送は、出荷指示、配車計画、手配、実輸送の4段階に分けられます。
出荷指示 → 配車計画 → 運送会社への手配 → 実輸送
一般的な委託では、荷主が出荷指示を行い、物流会社が配車計画と手配を担い、運送会社が実輸送を行います。配車の内製化では、荷主が配車計画と手配を担います。実輸送まで自社化する必要はありません。
事例:売上500億円規模の製造業が配車を内製化した3つの打ち手
製造業A社は、業務設計、担当者育成、3PLとの交渉を組み合わせて配車を内製化しました。

A社は地方工場から全国へ、複数の車格・車種を使って製品を輸送しています。輸配送費の上昇を受け、3PLへ委託していた配車計画と手配を自社で担う方針を決めました。

- 配車業務を設計する:既存業務を観察し、判断条件や例外対応まで業務フローへ落とし込みました。システムをゼロから作らず、3PLと交渉して従来のシステムを継続利用し、移行負荷を抑えました。
- 配車担当者を育成する:配車を自社で行うグループ会社へ担当者を派遣し、OJTで計画作成と調整のノウハウを身につけました。
- 3PLと合意をつくる:A社は、出荷量や納品時間を調整して積載率向上へ協力し、必要車両数を抑えられる利点を示しました。余力となった車両を他の輸送へ回せるため、3PLにも価値があります。
配車の内製化は、システムを入れれば実現するものではありません。業務、人材、パートナーとの関係をセットで設計する必要があります。
内製化は3段階に分かれる(計画/手配/請求原価)
輸送管理の内製化は、計画、手配、請求・原価の3段階で進められます。最初から段階3を目指す必要はなく、自社の現在地に合う範囲から始められます。
| 段階 | 自社が持つ範囲 | 運送会社に残る範囲 | 必要な体制 |
|---|---|---|---|
| 段階1 | 輸送計画・積載シミュレーション | 手配、実輸送、請求 | 計画を検証する担当者と出荷データ |
| 段階2 | 計画、依頼・承諾の管理 | 実輸送、請求 | 協力会社との運用合意と手配担当者 |
| 段階3 | 計画、手配、請求・原価 | 実輸送 | 個別購買、経理連携、実運送会社との関係 |

段階1:輸送計画までを自社で持つ
段階1は、出荷指示データから輸送計画を作り、積載シミュレーションまで自社で行う状態です。
荷主は自社の計画と運送会社の配車結果を比べ、便数や積載率にどれだけ差があるかを確認します。実際の手配を変えずに検証から始められるため、内製化の効果と必要な工数を見極めやすい段階です。
段階2:手配までをデジタルで管理する
段階2は、輸送計画に加えて、運送会社への依頼と承諾、書面のやり取りまで自社の仕組みで管理する状態です。
依頼条件と回答がデータで残るため、電話、FAX、メールに情報が分散しにくくなります。一方、協力会社にも新しい画面や書面を使ってもらう必要があり、操作方法、回答期限、変更時の連絡手順などを事前に合意しなければなりません。
段階3:請求・原価まで自社が担う
段階3は、実輸送以外の計画、手配、請求、原価管理を自社で担う状態です。
運送会社ごとの運賃、付帯業務料、請求実績を便単位で管理し、経理システムと連携します。元請けを介さず実運送事業者と個別に取引する範囲が広がる場合は、購買管理と関係構築も必要です。自社物流のコスト構造を最も詳しく把握できますが、運用負荷も大きくなります。
段階ごとに必要な体制も変わる
内製化の段階が上がるほど、システムに加えて運用する人と組織が必要です。

段階1では計画を検証できる担当者、段階2では協力会社と調整する手配担当者、段階3では購買・経理を含む部門横断の体制が求められます。仕組みだけを先に作っても、意思決定者や例外対応の担当が決まっていなければ運用は続きません。仕組みと体制は必ずセットで検討します。
輸送管理基盤とは何を含むのか
輸送管理基盤とは、出荷情報を起点に、輸送計画、手配、配送実行、請求、分析までをつなぐ業務とデータの仕組みです。

基盤は3つのセクションに分けられる
輸送管理基盤は、出荷情報の連携、輸送計画・手配、配送実行・完了の3セクションで整理できます。
| セクション | 含まれる業務 |
|---|---|
| 出荷情報の連携 | 受注・出荷データの取り込み、納品条件の管理、出荷計画 |
| 輸送計画・手配 | 積み合わせ、ルート・車格の決定、運送会社の選定、依頼・承諾 |
| 配送実行・完了 | 車両・ドライバー情報、進捗、到着・出発、運賃、請求、実績分析 |
すべてを一度に導入する必要はありません。現在の課題に必要なセクションから整え、後から接続できる構成にします。システム選定の考え方は、配送管理システム(TMS)の選び方も参考にしてください。
誰がどこまで担うかの役割整理
輸送管理基盤を設計する前に、荷主企業、物流管理部門、運送会社の役割を明確にします。
サービス品質、積載率、物流コスト、法令遵守、可視化のうち何を優先するかを決めると、必要な機能と担当者が見えてきます。例えば積載率を優先するなら、出荷情報を早い段階で集約し、計画前にシミュレーションできる仕組みが必要です。法令遵守を優先するなら、依頼内容や運送体制、荷待ち・荷役等時間を記録できる仕組みが必要になります。
基礎から確認したい方は、配送管理とはをご覧ください。
基盤づくりで押さえるべき3つのポイント
輸送管理基盤は、部品で作る、AI前提で設計する、現在地と到達地点を先に言葉にするという3点を押さえて構築します。
①部品で作る(一枚岩を避ける)
輸送管理基盤に必要なのは、拡張性ではなく変更可能性です。

計画、手配、動態管理、請求を一枚岩のシステムにすると、1か所の変更が全体へ影響し、改修や作り直しが必要になる場合があります。機能を部品として組み合わせれば、必要な部分だけを差し替えながら進化させられます。

中継輸送の増加、多重下請け構造の是正、CLOの選任義務化、適正原価をめぐる議論など、輸配送の前提は連続的ではなく変化しています。将来を正確に予測するより、変化へ対応できる構造を選ぶことが重要です。

②AI前提で設計する
輸送管理基盤は、2〜3年前の技術常識ではなく、現在のAIを前提に設計します。
紙や手書き帳票は長くデジタル化の壁でした。従来のOCRは読み取り位置を事前に指定する方式が中心で、帳票のレイアウトが変わると設定し直す必要がありました。現在のAI-OCRは、形式が異なる帳票からも、運送会社名、日付、数量など必要な項目を文脈に沿って抽出できます。

従来は人手で転記するしかないと判断した業務も、自動化できる可能性があります。2〜3年前の常識で設計すると、本来できることを取りこぼします。
③現在地と到達地点を先に言葉にする
基盤づくりは、現在地と到達地点を決めてから始めます。
- 現在地をつかむ:業務ごとの担当者、使用システム、保有データ、委託範囲を書き出します。
- 社内で話すべき問いを立てる:何を改善するか、内製化をどの段階まで進めるか、いつまでに到達するかを議論します。
- 言葉にして置く:目標と役割分担を文書化し、荷主、物流会社、関係部門の共通認識にします。
現在地と到達地点が定まれば、最初に導入すべき機能と、後回しにできる機能を判断できます。

先行する企業は何から始めたか|事例2件
先行企業も、全体を一度に内製化したわけではありません。輸送管理の全体像を見ながら、データ取得や一部拠点の計画など、効果を確かめやすい範囲から始めています。
事例①:動態データで積載率・実車率を可視化する
1社目は、動態データから輸送実績を自動取得し、積載率・実車率を把握するところから始めました。
従来も運送会社へデータ提供を依頼していましたが、収集と集計に膨大な工数がかかり、日常的な改善活動として続けられませんでした。動態データを利用すると、各地点の平均滞在時間、地点間の走行時間、車両ごとの実績を自動で把握できます。
成果は2つあります。第一に、荷主と物流会社が同じ数字で議論でき、改善策を具体化できるようになりました。第二に、計画と実績の差がなぜ生じたか、その差を改善できるかを荷主自身が議論できるようになりました。実績データは、将来の配車計画や請求自動化を進める土台にもなります。

事例②:役割分担は変えず、仕組みとデータを自社が持つ
2社目は、運送会社との役割分担を維持しながら、仕組みとデータを自社へ移しました。
複数拠点のうち、一部では荷主が配送計画まで作り、別の拠点では計画を運送会社へ任せつつ、荷主が積載率をモニタリングしています。全社一律ではなく、拠点の物量、輸送条件、人員に応じて内製化の範囲を変えています。
従来は運送会社が経験に基づいて配車し、荷主は運行後に実績を確認していました。現在は出荷指示データを配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」(Hacobu提供)へ取り込み、計画段階で積載率を確認できます。事後確認から事前管理へ変わったことで、低積載の便を実輸送前に見直せるようになりました。

物流の内製化に関するよくある質問
物流の内製化を検討すると、効果、コスト、制度対応、運送会社との関係について疑問が生じます。ここでは、検討初期に押さえるべき4つの質問へ簡潔に答えます。
物流の内製化にはどんなメリットとデメリットがありますか
物流の内製化のメリットはコストと輸送能力を自社で管理できること、デメリットは固定費と運用負担が増えることです。
積載率や運賃を自社で把握すれば、運送会社と同じ数字で改善を進められ、ノウハウも社内に残ります。一方、配車担当者の育成、システム利用、パートナーとの役割再設計が必要です。負担を抑えるには、モニタリングや計画など目的に合う段階から始めます。
物流を内製化すると輸配送コストは下がりますか
物流を内製化しても、輸配送コストが必ず下がるわけではありません。
積載率向上や便数削減の余地を見つけやすくなる一方、外注費の一部が人件費やシステム費などの固定費へ変わります。見かけの運賃単価だけで判断せず、物量変動と運用コストを含む総額で比較します。最初は実績データを集め、自社の物差しを持つことから始めるのがよいでしょう。
適正原価制度に対して、荷主が考えるべきポイントは何ですか
荷主が考えるべきポイントは、標準的な運賃と自社にとっての適正を分け、自社の判断基準を持つことです。
公的な基準が整備されても、輸送距離、車格、荷役、時間指定、繁閑差などの条件は企業ごとに異なります。便別の運賃、積載率、付帯業務、実績を把握し、「なぜこの条件を適正と判断するか」を運送会社へ説明できる物差しをつくります。
物流会社や運送会社は今後どのように変わっていきますか
物流会社や運送会社でも、手作業による管理の限界を背景にデジタル化が進みます。
実運送体制、運賃、付帯業務、運行実績など、管理すべき項目は増えています。荷主と運送会社がデジタル上で依頼・承諾し、同じデータを見ながら改善する機会も増えるでしょう。荷主の内製化は、物流会社を排除する動きではなく、役割とデータの持ち方を再設計する動きです。
輸送管理基盤の構築なら株式会社Hacobu
株式会社Hacobuは、物流DXコンサルティング、配車受発注・管理サービス、システムインテグレーションを通じて、荷主企業の輸送管理基盤づくりを支援します。内製化の構想づくりから、既製サービスの活用、自社要件に合わせた基盤構築まで、段階に応じて選べます。
内製化の構想づくりならHacobu Strategy
物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」は、物流改革とデジタル活用に強みを持つコンサルタントが、物流戦略の策定から現場への実装まで伴走するサービスです。
内製化では、「どの業務を自社で持つか」「どの段階から始めるか」の判断が出発点になります。Hacobu Strategyは、物流実態の可視化から課題の抽出、アクションプランの策定、改革の実行までを一貫して支援します。100日程度で物流を定量的に診断する取り組みや、物流改革構想の策定、拠点再設計、運賃交渉の支援など、CLOの参謀として意思決定を支える体制を整えています。
詳しくは、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」をご覧ください。
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配車計画と積載率の可視化ならMOVO Vista
配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」(Hacobu提供)は、出荷指示の取り込み、配送計画、運送会社への依頼・承諾、進捗、請求までを一気通貫で管理します。
配送計画では、貨物の重量や占有床面積と車格から積載率を算出し、計画段階で確認できます。荷主は低積載の便を運行前に見直し、積み合わせや車格を調整できます。必要な機能だけから利用できるため、輸送計画、手配、請求・原価という内製化の段階に合わせて範囲を広げられます。
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自社要件に合わせた基盤構築ならHacobu Solution Studio
Hacobu Solution Studioは、物流DXに特化したシステムインテグレーション・AI導入支援チームです。
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まとめ
物流の内製化は、輸配送業務のすべてを自社で抱えることではありません。定期モニタリング、リアルタイムモニタリング、配車業務の自前実施という関与パターンがあり、輸送計画、手配、請求・原価という3段階から、自社に合う範囲を選べます。
実態把握ができていない企業は、積載率、実車率、便数、運賃、荷待ち時間を確認するところから始めるのがよいでしょう。計画と実績の差を説明できるようになれば、運送会社と共通の数字で改善を進められます。
どこまで内製化するかは選べます。しかし、輸配送の物差しを自社で持つかどうかは、これからの時代には選べません。現在地と到達地点を定め、仕組みと体制をセットで段階的に整えることが、持続可能な自社物流につながります。
クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る
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