更新日 2026.10.07

物流特殊指定とは?2027年4月改正と着荷主規制をわかりやすく解説

物流特殊指定とは?2027年4月改正と着荷主規制をわかりやすく解説

2027年4月1日に物流特殊指定が改正され、着荷主(商品を受け取る側)も規制対象になります。メーカーや小売、卸などの荷主企業には、自社拠点だけでなく、委託先3PLを含めた納品現場の点検が必要です。本記事では、物流特殊指定の基本から改正内容、対象となる企業、禁止行為、企業の対応策まで解説します。

物流特殊指定とは

物流特殊指定とは、荷主が物流事業者に運送や保管を委託する取引で、荷主が取引上の優位な立場を利用して代金の減額や支払遅延、契約外作業の無償提供などを強いる「優越的地位の濫用」を防ぐため、公正取引委員会が独占禁止法に基づいて定めた規制です。正式名称は「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法」で、2004年に告示されました。なお、2027年4月1日の改正施行により、商品を受け取る着荷主も規制対象に加わります。

物流特殊指定を理解するためには、まず独占禁止法と「優越的地位の濫用」について理解しておくことが大切です。

関連リンク:物流DXとは

独占禁止法とは

独占禁止法は、企業間の公正で自由な競争を守るための法律です。不当に取引条件を強いる、取引先を差別するなどの「不公正な取引方法」などを禁止し、企業の自由な取引や健全な価格形成を妨げないように定められています。これにより、消費者の利益を保護し、経済の健全な発展を図ることを目的としています。

優越的地位の濫用とは

優越的地位の濫用とは、独占禁止法で「不公正な取引方法」として禁止されている行為のひとつであり、取引上優位な事業者がその立場を利用して取引先に不当な不利益を強いるものです。たとえば、自社への依存度が高い中小企業の取引先に対して不利な条件を押しつけるようなケースが該当します。こうした行為は取引先の自由な判断や公正な競争を阻害するため、独占禁止法本体(第2条第9項第5号)で禁止されているほか、特定の業種については特殊指定でも具体的に規制されています。

特殊指定とは、特定の業種や取引において起こりやすい不公正な取引方法を具体的に定め、独占禁止法の一般規制に加えて特別に禁止する仕組みです。

物流領域における特殊指定

物流特殊指定は、荷主企業が自らの強い立場を利用して、物流事業者に過剰な値引きや無償業務の強要などの不利益を強いることが問題視されたことから、独占禁止法の一般的な不公正な取引方法の規制を補強する形で設けられました。

物流特殊指定の制度の背景と目的

背景

物流特殊指定が導入された背景には、荷主側による不公正な取引慣行が長年にわたり根強く存在していたことがあります。具体的には、物流事業者に対して過度なコスト削減要求や不当な無償作業の押し付けが行われ、とりわけ中小規模の事業者は資金力や交渉力の弱さから、それらの要求を断れずに従わざるを得ない状況が常態化していました。その結果、物流事業者の利益は圧迫され、経営の不安定化や従業員の労働環境の悪化が生じていました。こうした状況を是正する必要性が高まり、公正取引委員会は2004年月に物流特殊指定を告示しました。

目的

物流特殊指定の目的は、荷主と物流事業者の取引において公平性を確保することにあります。優越的地位の濫用を防ぎ、立場の弱い物流事業者が過度な負担を強いられることなく、健全に成長し持続可能なサービスを提供できる環境を整えるための仕組みです。荷主側の不当な行為を抑制し、公正で対等な取引関係を促進することで、物流領域全体の健全な発展につなげることが期待されています。

【2027年4月施行】物流特殊指定の改正で何が変わる?

最大の変更点は、商品を受け取る側である着荷主への規制が新しくつくられることです。公正取引委員会は2026年6月17日、改正後の物流特殊指定と、代金の支払期間を定める「支払告示」などを公表しました。いずれも2027年4月1日に施行されます。

改正後は、着荷主が発荷主に契約外の荷役や附帯業務を提供させる行為、運送内容を変更させる行為などが新たに規制されます。適用基準や荷主の禁止行為も見直されるため、着荷主、発荷主、物流事業者のそれぞれが取引条件と現場運用を確認する必要があります。

出典:公正取引委員会「『特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法』等について」

改正のポイントは大きく2つ

公正取引委員会は、今回の改正を「着荷主規制の新設」と「取適法(改正下請法)の施行に伴う改正」の2つに整理しています。前者は物流特殊指定で新しく設けられる規制、後者は2026年1月に施行された取適法の改正内容を物流特殊指定にも反映するものです。自社が商品を受け取る取引と、物流事業者へ運送・保管を委託する取引の両方を確認する必要があります。

改正のポイント具体的に何が変わるか誰に関係するか
改正① 着荷主規制の新設着荷主が、契約外の荷役・附帯業務などを提供させたり、運送内容を変更・やり直しさせたりすることで、発荷主の利益を不当に害する行為が規制されます。情報提供に対する報復行為も禁止されます。小売、卸、メーカーなどの商品を受け取る企業、商品を発送する企業、委託先3PL
改正② 取適法の施行に伴う改正・規模要件に、資本金基準に加えて従業員基準を追加

・支払遅延の禁止に、手形払い等を追加(これに伴い「割引困難な手形の交付」の禁止規定は削除)

・協議に応じない一方的な代金決定の禁止を追加

・取適法の役務提供委託に該当する取引を適用対象に追加(取適法にも違反する行為は、原則として取適法を優先して適用)
運送・保管を委託する荷主、元請運送事業者、実運送事業者

出典:公正取引委員会「改正物流特殊指定」リーフレット

改正①:着荷主に対する規制が新しくできる

改正後は、着荷主が発荷主の利益を不当に害する行為も物流特殊指定の対象になります。これまでの制度が主に規制してきたのは、発荷主が物流事業者へ運送または保管を委託する取引です。発荷主と物流事業者の間には運送・保管の委託契約があるため、発荷主による代金の減額や契約外作業の要請などを規制できました。

一方、発荷主(送り手)と着荷主(受け取り手)の間にあるのは、通常、運送の委託ではなく「物の売買」の関係です。着荷主が納品現場でドライバーに契約外の荷役や附帯業務を求めても、着荷主と運送事業者の間には直接の運送契約がないため、これまでの物流特殊指定では着荷主の行為を捉えにくいという課題がありました。

そこで改正後は、発荷主と着荷主の売買取引にも目を向けます。着荷主が、発荷主から運送を受託した事業者に契約外の作業をさせたり、運送内容を変更・やり直しさせたりすることで、発荷主の利益を不当に害する行為が規制対象になります。

さらに、発荷主が着荷主の行為を公正取引委員会へ知らせたこと、または知らせようとしたことを理由として、着荷主が取引量を減らす、取引を停止するなどの不利益な取扱いをする「報復行為の禁止」も新設されます。

改正②:適用範囲が広がる|役務提供委託の追加と従業員数基準

改正後は、物流特殊指定の対象となる取引と企業規模の基準が見直されます。現行の物流特殊指定では、取適法上の「役務提供委託」に該当する場合を対象から除く規定がありますが、改正後はこの除外が削除されます。そのため、役務提供委託に該当する取引も物流特殊指定の対象になり得ます。ただし、物流特殊指定と取適法のいずれにも違反する行為については、原則として取適法が優先して適用されます。

会社の規模を判断する基準には、従来の資本金に加えて従業員数が導入されます。運送・保管の委託では、常時使用する従業員数が300人を超える荷主が、従業員数300人以下の物流事業者へ継続的に委託する場合が、新たな規模基準の対象です。

ただし、資本金や従業員数の基準を満たさなければ対象外になる、という理解は正確ではありません。規模基準に該当しなくても、荷主が物流事業者に対して「取引上の立場が優越している」と判断されれば、物流特殊指定の対象になり得ます。

判断に当たっては、物流事業者の荷主に対する取引依存度、荷主の市場における地位、物流事業者が取引先を変更できる可能性、その荷主との取引を継続する必要性などが総合的に考慮されます。

改正②:手形払いの禁止と、一方的な代金決定の禁止

改正後は、荷主側の禁止行為として、運送・保管代金の手形払い等の禁止と、協議に応じない一方的な代金決定の禁止が加わります。

代金の支払いについては、手形を交付することに加え、支払期日までに代金相当額の現金へ換えることが困難な支払手段を使うことも禁止の対象です。物流事業者が支払期日までに代金相当額を現金として受け取れる状態にすることが求められます。これに伴い、従来の「割引困難な手形の交付」の禁止規定は削除されます。

また、燃料費、人件費、車両費などの上昇を受けて物流事業者が価格転嫁の協議を求めたにもかかわらず、荷主が協議に応じないことも問題になります。協議の場を形式的に設けるだけでなく、物流事業者が求めた事項について必要な説明や情報を提供せず、一方的に代金を決定して物流事業者の利益を不当に害する行為も規制されます。

同時に出された「支払告示」|支払いは60日以内に

2026年6月17日には、改正物流特殊指定と同時に「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」、いわゆる「支払告示」も公表されました。支払告示も2027年4月1日に施行されます。

支払告示では、取適法に規定する製造委託等をした事業者が、取引上の地位が劣る受託事業者に対し、原則として給付を受領した日から60日を経過した後も代金を支払わないことを禁止しています。役務提供委託または特定運送委託では、役務の提供を受けた日が起算点です。

したがって、運送の場合は、原則として運送の役務の提供を受けた日から60日以内に代金を支払う必要があります。請求書を受け取った日ではなく、役務の提供を受けた日を基準に、自社の締め日と支払日を点検することが重要です。

出典:公正取引委員会「『特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法』等について」

誰が「特定着荷主」「特定発荷主」になるのか

特定着荷主と特定発荷主を判断するには、商流と物流の契約関係を分けて確認する必要があります。まず、発荷主が着荷主へ商品を販売し、着荷主がその商品を受け取ります。発荷主と着荷主の間にあるのは売買契約です。

次に、発荷主が商品を届けるため、元請運送事業者へ運送を委託します。発荷主と元請の間にあるのは運送契約です。元請が実運送事業者へ再委託し、実運送事業者が、着荷主の自社拠点または着荷主が運営を委託する3PLの物流センターへ商品を運びます。この一連の関係の中で、誰が納品条件を実質的に決め、誰が運送を委託しているかを確認する必要があります。

問屋・卸が間に入る場合はどちらが着荷主か

売買契約に問屋や卸が介在していても、小売が着荷主、メーカーが発荷主になる場合があると考えられます。契約書上の取引経路だけでなく、製品仕様、代金、納品場所、納品日時などの取引条件を実質的に誰が交渉・決定しているかが重要です。

たとえば、小売とメーカーが実質的な取引条件を決め、問屋が注文書の取次ぎ、代金の請求・支払いなどの事務手続だけを行っている場合、問屋は事務代行にすぎないと考えられます。このとき、メーカーが小売との間で決めた条件に従って運送を委託しているのであれば、規模要件または優越的地位の要件を満たす場合、小売が特定着荷主、メーカーが特定発荷主になると考えられます。

一方、問屋が自ら商品を仕入れ、納品条件を決めたうえでトラックを手配している場合には、問屋が発荷主になることも考えられます。形式的な契約名だけでなく、実際の取引条件と運送手配の主体を確認する必要があります。

メーカー同士の取引・ミルクランの場合

メーカー同士の取引では、運送を誰が委託しているかによって、着荷主規制と取適法のどちらが関係するかが変わります。

原材料・資材メーカーが完成品メーカーへ部品や原材料を販売し、原材料・資材メーカーが運送事業者を手配して納品する場合、原材料・資材メーカーが発荷主、完成品メーカーが着荷主になると考えられます。完成品メーカーの工場で契約外の荷役や荷待ちが発生し、その費用を発荷主が負担すれば、改正後の着荷主規制が関係する可能性があります。

一方、完成品メーカーが自らトラックを手配し、複数の調達先を回って部品などを集荷するミルクランでは、完成品メーカー自身が運送を委託しています。この場合は、完成品メーカーと運送事業者の間に運送の委託関係があるため、着荷主規制ではなく、要件を満たせば取適法(旧:下請法)の特定運送委託が対象になると考えられます。

改正で禁止される着荷主の行為

禁止される着荷主の行為は、大きく2つです。1つ目は、着荷主が発荷主に対し、運送事業者を通じて契約外の荷役・附帯業務などを提供させる行為です。2つ目は、着荷主が運送内容を変更させたり、完了した運送をやり直させたりする行為です。

いずれも、行為があっただけで直ちに問題となるわけではありません。着荷主の行為によって発荷主に追加費用や損失が発生し、発荷主の利益が不当に害されたかどうかが重要です。事前の合意内容や費用負担も判断に関係します。

契約外の荷役・附帯作業をさせる行為

着荷主が売買契約に含まれていない荷役や附帯作業をドライバーに求め、その作業に必要な費用を負担しないことで発荷主の利益を不当に害する場合は、物流特殊指定上の問題となる可能性があります。

納品現場では、ドライバーが次のような作業を求められることがあります。

  • 商品の数量、品番、外観などの検品
  • 倉庫や店舗の指定場所への棚入れ
  • 店舗別、売場別、品目別などの仕分け
  • 商品や梱包へのラベル貼り
  • パレットから別のパレットへの積み替え
  • パレットやカゴ車の提供、整理、回収
  • 梱包材、空容器、資材などの整理・回収

これらの作業が発荷主と着荷主の取引条件に含まれておらず、作業に必要な費用も着荷主が負担していない場合は注意が必要です。

また、荷待ちも「経済上の利益の提供」に含まれ得ます。着荷主側の入荷準備が整っていない、バースが空いていない、検品担当者が不在であるといった事情によりドライバーを待機させ、発生した人件費や車両費を負担しなければ、発荷主に不利益が生じる可能性があります。

関連リンク:トラックの荷待ち時間とは?待機料の相場や発生原因

運送内容を一方的に変更させる・やり直しさせる行為

着荷主の都合で運送内容を一方的に変更させたり、運送をやり直させたりして、発生した費用を負担しない場合は問題となる可能性があります。

たとえば、発荷主と事前に合意した納品場所へトラックが向かっているにもかかわらず、着荷主が急に別の倉庫へ運ぶよう求めるケースです。走行距離や拘束時間が増えれば、追加の運賃、高速道路料金、人件費などが発生します。

また、着荷主側の受け入れ準備が整っていないことを理由に商品を受け取らず、後日の再配送を求めるケースも考えられます。発荷主が再度の車両手配や保管に必要な費用を負担すれば、不利益が生じます。

一方、運送事業者が合意した時刻より遅れて到着した場合や、納品物が発注内容に合っていない場合など、発荷主または運送事業者側に責任があるときは別として考える必要があります。着荷主が客観的に相当な範囲で変更ややり直しを求める場合は、発荷主の利益を不当に害する行為に当たらないと考えられます。

委託先3PLで起きた行為も着荷主の責任になる

着荷主が物流センターの運営を3PLに委託していても、その現場で契約外の作業が発生すれば、着荷主側の問題になり得ます。改正物流特殊指定における「物品の引渡しを受ける」行為には、着荷主が自社で商品を受け取る場合だけでなく、3PLや倉庫業者など、自社以外の者に商品を受け取らせる場合も含まれます。

たとえば、着荷主が委託先3PLの物流センターを納品場所に指定し、具体的な引渡条件を決めず、3PLの指示に従って納品するよう発荷主へ求めていたとします。その現場で3PLが、売買条件に含まれていない荷下ろしや棚入れを実運送事業者に依頼すれば、作業費が発生します。

お金の流れは、まず実運送事業者が追加作業の費用を元請運送事業者へ請求し、次に元請が運送の委託者である発荷主へ請求する形が想定されます。着荷主がその費用を負担しなければ、最終的に発荷主が自腹で支払うことになり、この段階で発荷主に不利益が発生します。こうした状況が着荷主の指示や受け入れ条件に起因していれば、着荷主が発荷主の利益を不当に害したとして問題になる可能性があります。

したがって、着荷主は自社拠点だけでなく、委託先3PL、外部倉庫、店舗などを含む、すべての受け入れ拠点を確認する必要があります。

違法かどうかは「誰の事情で起きたか」と費用負担で決まる

何分待たせたら直ちに違反、という一律の基準はありません。問題となるかどうかは、荷待ちや作業の発生時間だけでなく、発生原因、事前の合意、対価、費用負担、発荷主に生じた不利益などを踏まえて判断されます。

確認すべき点は次の6項目です。

  • 荷待ち、附帯作業、運送変更などが誰の事情で発生したか
  • 作業や変更について発荷主と着荷主が事前に合意していたか
  • 作業内容と対価が売買契約や取引条件に反映されているか
  • 発荷主に追加費用や機会損失などが生じたか
  • 着荷主が発生した費用を速やかに負担したか
  • 同じ事象が特定の拠点や取引先で継続していないか

たとえば、着荷主側の準備不足によって荷待ちが発生しても、着荷主が通常必要な費用を速やかに負担すれば、発荷主に不利益が残らない場合があります。一方、作業について形式的な合意があっても、十分な協議がなく、作業内容に見合わない低い金額を一律に定めている場合は注意が必要です。

また、記録がなければ、取引条件や費用負担が適正だったことをあとから説明できません。契約書、覚書、電子メール、入退場記録、作業記録、請求明細などを関連付けて保存することが重要です。

物流特殊指定で規制される荷主の禁止行為

優越的地位の濫用を防ぐために、荷主は物流事業者に対し、以下の行為が禁止されています。これに加え、2027年4月の改正で手形払いの禁止と一方的な代金決定の禁止が加わります。

代金の支払い遅延

荷主が「顧客からの入金が遅れている」などの理由を口実に、物流事業者への代金の支払いを遅らせる行為です。こうした支払い遅延は物流事業者の資金繰りを悪化させるため、不当な行為とされ規制されています。

代金の減額

荷主が「コスト削減のため」などと一方的に支払額を減らす行為です。契約後に条件を変更して物流事業者に不利益を負わせる行為は、不公正取引として禁じられています。

買いたたき

「他社はもっと安い料金で請け負っている」といった圧力をかけ、過度に低い運賃で契約させる行為です。このような買いたたきは物流事業者の健全な経営を脅かすため、厳しく規制されています。

物の購入強制・役務の利用強制

物流事業者に対して、物流業務と無関係な物品(取引先の販売商品など)の購入を強要する行為です。また、特定のサービス契約を無理に利用させるなど、不要なコスト負担を強いることも禁止されています。

割引困難な手形の交付

通常よりも期間が長く、容易に資金化できない手形で代金を支払う行為です。たとえば1年以上の長期手形を渡すなど、物流事業者の資金繰りに悪影響を与える支払い方法は不適切とされています。なお、2027年4月の改正で手形払い等そのものが「代金の支払い遅延」として禁止されるため、この規定は削除されます。

不当な経済上の利益の提供要請

契約に含まれていない追加業務や無償サービスの提供を求める行為です。追加の倉庫作業や納品先での特別な処理を無償で強いるような過剰な要求は、禁止の対象となります。

不当な給付内容の変更及びやり直し

完了した業務に対して、「指定の経路で運ばれていない」などと後から理由をつけてやり直しを命じ、しかも追加費用を支払わない行為です。こうした契約外のやり直し要求は不公正です。

要求拒否に対する報復措置

物流事業者が不当な要求を断ったことを理由に、荷主が次回以降の注文量を減らしたり、取引条件を一方的に悪化させる行為です。これは公正な取引関係を妨げるため禁止されています。

情報提供に対する報復措置

物流事業者が公正取引委員会に対して不公正な取引の情報を提供したことを理由に、取引条件を不利に変えたり、取引そのものを停止する行為です。公正取引委員会への通報を妨げる報復行為は違法とされています。

規制対象となる取引・適用条件

物流特殊指定は、荷主が物流事業者へ継続的に運送または保管を委託する取引を対象とします。契約の名称だけでなく、実際の委託内容と企業間の関係を踏まえて適用の有無が判断されます。2027年4月以降は、従来の資本金に加えて従業員数も規模を判断する基準になります。

荷主が物流事業者に対して直接委託する場合

荷主が物流事業者に対して、継続的に物品の運送や保管を委託している場合で、かつ両者の資本金や取引上の立場が物流特殊指定で定められた関係(後述)に該当するとき、その荷主と物流事業者はそれぞれ「特定荷主」「特定物流事業者」として物流特殊指定の規制対象となります。

ここでいう「継続的」とは、必ずしも毎月決まって委託するような連続的な取引に限りません。不定期であっても、過去に何度も繰り返し委託や受託が行われている関係であれば、継続的な取引に含まれると考えられます。

適用条件

物流特殊指定は、荷主・物流事業者(元請物流事業者)間で、以下の関係にある場合に適用されます。これにより、資金力や組織規模で不利な中小物流事業者が、荷主から一方的な条件を押し付けられることを防止する仕組みが確立されています。

荷主元請物流事業者
A資本金3億円超資本金3億円以下(個人を含む)
B資本金1千万円超3億円以下資本金1千万円以下(個人を含む)
C取引上の地位が優越している荷主取引上の地位が劣っている物流事業者

2027年4月以降は、これらに加えて従業員数の基準も設けられます。常時使用する従業員数が300人を超える荷主が、従業員数300人以下の物流事業者へ継続的に運送または保管を委託する場合も対象になります。なお、この基準に該当しなくても、取引上の優越関係が認められれば対象になり得ます。

荷主の物流子会社が物流事業者に対して再委託する場合

荷主の物流子会社が、荷主から受けた物品の運送や保管の業務を、さらに別の物流事業者に再委託する場合があります。このとき、形式上は子会社と物流事業者の取引ですが、実質的には物流事業者が荷主から直接委託を受けているとみなされる場合があります。こうしたケースで、荷主と物流事業者の間が前述の適用条件(資本金や取引上の立場など)に該当する関係にある場合には、子会社と物流事業者との取引についても、物流特殊指定の規制が適用されます。

以下の例では、直接取引する荷主の物流子会社は資本金3千万円ですが、法適用としては資本金5億円(3億円超)の荷主と資本金2千万円(3億円以下)の下請物流事業者の組合せとなるため、物流特殊指定の適用条件に該当します。

出典:公正取引委員会「物流特殊指定」ガイドブック

※1:荷主が元請物流事業者の議決権の過半数を有していること(間接保有によるものも含みます)。

※2:資本金や従業員数によっては取適法(旧:下請法)が適用されます。2026年1月施行の改正で、資本金に加えて従業員数の基準も設けられました。

物流特殊指定と取適法の違い

物流領域における取引の公正化を目的とする制度として物流特殊指定の他に、前述の取適法が存在します。両者は目的の方向性こそ共通していますが、適用される対象や義務、処分の内容などに違いがあります。

ただし、発荷主と着荷主の間は通常、運送委託ではなく物の売買であるため、取適法では着荷主による荷待ちや附帯作業の問題に対応しにくい場合があります。この規制上の空白を埋めるのが、2027年4月に施行される物流特殊指定の改正です。

関連リンク:取適法(旧:下請法)とは?物流領域への影響や7つの改正ポイント

対象取引の違い

物流特殊指定は、荷主と元請物流事業者の間の運送・保管の委託取引に適用されます。2027年4月からは、これに加えて発荷主と着荷主の間の売買などの取引も対象になります。一方で取適法は2026年1月の改正法の施行により、元請・下請物流事業者間だけでなく、荷主・元請物流事業者の間の委託取引にも適用されました。

適用条件の考え方

物流特殊指定は、資本金の差だけではなく、取引上の優劣関係が実質的に存在するかどうかが重要です。荷主が優越した立場にあり、物流事業者がそれに依存している関係であれば、資本金に差がなくても適用されるおそれがあります。優越性の判断には、取引依存度、荷主の市場での影響力、取引先の選択肢の有無などが総合的に考慮されます。一方で取適法は2026年1月の改正法の施行により、従業員数の差が適用条件に加わりました。

義務の違い

物流特殊指定では、書面の作成や交付、保存、支払期日の設定といった具体的な義務規定は直接的に設けられていません。これに対し、取適法では、これらの義務が各事業者に課されており、書面管理や適切な支払いが求められます。

行政処分・罰則の違い

物流特殊指定に違反した場合は、公正取引委員会による警告や注意、排除措置命令、確約計画の認定といった措置の対象となります。課徴金の対象にはならず、罰則も直接的には設けられていません。一方、取適法に違反すると、勧告や指導に加えて罰則が科される場合があります。

物流特殊指定の違反で社名が公表された事例

公正取引委員会は、物流特殊指定に該当し独占禁止法の規定に違反するおそれがあると判断し、今後、同様の行為を行わないように、以下の事例で警告と社名公表を行いました。

関連リンク:勧告・社名公表が企業全体に及ぼす5つのリスク

管工機材・住設機器等の卸売事業者の事例

ある管工機材・住設機器の卸売業者が、運送事業者に委託した搬送や積み込み作業について、時間外料金を支払わず、合意した発注額を「割戻金」などの名目で減額していた疑いがありました。また、同様の取引を複数の運送会社と10年以上続けていたとされています。

オフィス家具の製造販売事業者の事例

あるオフィス家具の製造販売事業者は、委託先のドライバーが契約で定めた8時間を超えて働いた際、一部の時間外費(基礎作業時間を超えて行われた業務に支払われる加算額)を支払わなかったとされています。また、運送事業者に対して配送業務以外の積み込みといった付帯作業も、無償で夜遅くに行わせていたといいます。

企業がとるべき対応策

物流特殊指定に違反した場合、荷主企業は公正取引委員会からの排除措置命令を受けるだけでなく、社名と違反内容の公表といった厳しい制裁を受ける可能性があります。

社名がテレビや新聞で報道されることで、企業イメージに広範な影響を及ぼすことがあります。特にNHKや主要民放で取り上げられた場合、その情報は数百万人に届き、さらにGoogle検索結果やSNS上でも拡散されることが考えられます。このような報道がなされれば、これまで積み重ねてきたブランド戦略や広報活動、採用活動、取引先への営業活動に影響が出るなど、物流部門以外にも多大な影響が生じます。

物流特殊指定に違反し、社名が公表されてから対策を講じるのでは、手遅れになりかねません。こうした不公正な取引は、日頃から意識的に防ぐ姿勢が重要だと考えます。そのためには、着荷主・発荷主それぞれの立場で取引条件と現場の実態を点検し、その結果を契約に反映させることが欠かせません。以下では、立場別の対応と、実態把握で見るべき指標を整理します。

着荷主・委託先3PLが進めるべき4つの対応

①部門横断の推進体制をつくる

着荷主規制への対応は、物流部門だけでは完結しません。商品の発注条件を決める商品部・調達部、取引先と交渉する営業部、契約を確認する法務部などを巻き込み、物流現場の実態と売買条件を一致させる必要があります。

CLO(物流統括管理者)は、物流部門と経営層、商品、調達、営業、法務などをつなぎ、部門横断で物流の適正化を進める役割を担います。CLOを中心に責任者と報告経路を明確にし、拠点や取引先ごとの問題を継続的に確認できる体制を整えることが重要です。

関連リンク:物流統括管理者(CLO)の要件や役割

②作業内容と費用負担を事前に合意し記録に残す

納品時に必要となる荷下ろし、検品、棚入れ、仕分け、パレット回収などについて、誰が作業し、誰が費用を負担するのかを発荷主と事前に協議します。追加作業が生じる可能性がある場合は、承認方法、料金の算定方法、請求方法も決めておく必要があります。

合意は口頭だけで済ませず、契約書、覚書、発注書、電子メールなど、後から確認できる方法で記録します。

③すべての受け入れ拠点と委託先3PLに周知する

着荷主は、自社の工場や物流センターだけでなく、委託先3PL、外部倉庫、店舗など、商品を受け取るすべての拠点へルールを周知する必要があります。

3PLとの契約には、ドライバーへ依頼できる作業の範囲、契約外作業が必要になった場合の承認手順、費用負担、作業記録、着荷主への報告方法などを明記します。現場が独自の判断で作業を追加しない運用を整えることが重要です。

④荷待ち・附帯作業を継続的に把握する

荷待ちや附帯作業は、入荷量、曜日、時間帯、車格、荷姿によって発生状況が変わります。受付時刻、バース接車時刻、荷役開始・終了時刻、退場時刻を記録し、長時間待機が発生した車両や拠点を確認します。

附帯作業についても、作業内容、依頼者、発生理由、所要時間、費用負担を継続的に記録し、特定の拠点で同じ問題が繰り返されていないかを確認する必要があります。

発荷主・元請が進めるべき3つの対応

①着荷主との協議体制を整える

発荷主は、納品先で荷待ちや契約外の附帯作業が発生した場合に、着荷主と速やかに協議できる体制を整える必要があります。営業担当者だけに対応を任せず、物流部門や法務部門も情報を共有し、追加費用と取引条件について交渉する窓口を明確にします。

着荷主ごとに納品条件を整理し、改善が必要な拠点については、待機時間や作業記録を示しながら具体的に協議することが重要です。

②元請との運送契約を点検する

発荷主と元請運送事業者の契約では、運送に含まれる作業の範囲、荷待ち・附帯作業の取扱い、追加料金、請求方法、証跡の残し方を点検します。

「運賃にすべて含まれている」といった曖昧な条件では、現場で追加作業が発生したときに費用負担を判断できません。元請が実運送事業者へ再委託する場合には、同じ条件が実運送事業者まで正確に伝わる仕組みも必要です。口頭合意や長年の慣習に依存している場合は、実際の作業と費用を契約書などに明文化する必要があります。

③納品先ごとの実態を把握する

発荷主と元請は、全体の平均だけでなく、納品先ごとの荷待ち時間、附帯作業、再配送、納品場所の変更などを把握する必要があります。同じ着荷主でも、拠点や時間帯によって受け入れ方法が異なるためです。

ドライバーからの申告だけに頼らず、動態データ、入退場記録、作業記録、追加料金の請求明細などを組み合わせ、発荷主が費用を負担している取引を特定します。そのうえで、着荷主との売買条件と元請との運送契約を見直すことが重要です。

平均時間ではなく「件数」で見る|実態把握で見るべき指標

平均待機時間が短くても、一部の車両や拠点で長時間待機が起きていればリスクになります。たとえば、100台のうち大半が30分以内でも、数台が120分以上待っていれば、平均値だけでは問題の深刻さが見えません。

実態把握では、次の指標を確認する必要があります。

  • 30分以上の待機が発生した件数
  • 60分以上・120分以上の待機が発生した件数
  • 拠点別・曜日別・時間帯別の荷待ち時間
  • 車格・荷姿別の荷待ちや作業時間の傾向
  • 荷役・附帯作業の発生件数
  • 附帯作業を依頼した者と、その作業が発生した理由
  • 運送依頼時の金額と最終請求額の差額

待機時間だけでなく、どの拠点で、誰の事情により、何件発生しているかを確認することで、改善すべき取引や現場を特定できます。依頼時と最終請求時の金額差を確認すれば、荷待ち料や附帯作業料が追加された案件も把握できます。

関連リンク:トラックの荷待ち時間とは?待機料の相場や発生原因

MOVOで実態把握から契約の巻き直しまで進める

ここまでの対応を続けるには、現場のデータと契約情報を継続的に確認できる仕組みが必要です。Hacobuの「MOVO(ムーボ)」シリーズでは、配送実態の把握、委託料金の把握、契約の巻き直しをそれぞれ支援しています。

配送実態の把握

まず大切なのは、現場の配送実態をきちんと把握することです。納品先や自社拠点で、運送事業者が長時間荷待ちをしていないか、あるいは無償で積み込みや附帯作業を行っていないか、といった状況を具体的に確認する必要があります。こうした実態に目を向けることで、意図せず不公正な要求をしてしまうリスクを減らせるはずです。

自社拠点の荷待ち・荷役時間は、トラック予約受付サービスのMOVO Berth(ムーボ・バース)で把握できます。一方、自社が直接管理していない納品先での滞在時間は、動態管理サービスのMOVO Fleet(ムーボ・フリート)を活用することで確認できます。自社拠点と納品先を分けて把握し、長時間待機が発生している取引を特定することが重要です。

委託料金の把握

さらに、委託料金の内訳や根拠を明確にしておくことも欠かせません。案件ごとに「どの範囲の業務を、いくらで委託しているのか」を整理し、ブラックボックスにならないようにすることが、公平な関係の維持につながります。料金に対して過剰な業務を要求していないか、定期的にチェックすることも有効でしょう。

荷待ち料や附帯作業料が追加されたときには、誰が、いつ、どのような理由で金額を変更し、誰と合意したのかを後から追える状態にしておくことが重要です。追加料金の処理だけで終わらせず、変更理由と合意の経緯を記録することで、同じ問題の再発を防ぎやすくなります。

配車受発注・管理サービスのMOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)を活用することで、どの配送案件をどの事業者にいくらで発注しているかや、その合意プロセスを可視化できます。

契約の巻き直し

実態を把握したら、その結果を契約に反映させる「契約の巻き直し」が必要です。荷待ちや附帯作業の費用負担、運送内容を変更する場合の取扱い、支払方法や支払期日などを、現場の実態に合わせて契約書や覚書に明記します。着荷主は発荷主との売買条件や3PLとの委託契約を、発荷主は元請との運送契約を、それぞれ見直す必要があります。

ただし、長く続いている取引では、基本契約書の上に覚書や運賃表の改定が重なり、書類が拠点ごとに散らばっていることも少なくありません。いま有効な条件が分からなければ、どの契約先から巻き直すべきかも判断できません。

契約・運賃管理サービスのMOVO Contract(ムーボ・コントラクト)では、契約書・覚書・見積書・運賃表をアップロードすると、AIが契約・運賃条件を読み取ってデータ化し、一元管理できます。契約ツリーで改定の経緯を可視化し、いま有効な契約がひと目で分かるため、待機料や附帯作業料の定めがない契約など、巻き直しが必要な契約先を洗い出しやすくなります。AIアシスタントを使えば、最新の運賃条件の確認や、契約先を横断した運賃比較も可能です。

荷待ちや附帯作業の実態をデータで把握し、委託料金の根拠を明確にしたうえで、その結果を契約に反映させる。この一連の取り組みを続けることが、2027年4月の改正に備え、物流パートナーと健全な関係を築く第一歩になります。

物流特殊指定に関するよくある質問

物流特殊指定はいつから改正されますか?

2027年4月1日に施行されます。公正取引委員会は2026年6月17日に、改正後の物流特殊指定と支払告示などを公表しました。

改正後は、商品を受け取る着荷主による契約外の荷役・附帯業務や、運送内容の変更・やり直しによって、発荷主の利益を不当に害する行為が新たに規制されます。従業員数基準や一方的な代金決定の禁止も加わるため、施行前に契約と現場運用を点検する必要があります。

荷待ちは何分から違反になりますか?

一律の基準はありません。荷待ちが問題となるかどうかは、待機時間の長さだけで決まるのではなく、誰の事情で発生したか、事前に合意していたか、必要な費用を誰が負担したか、発荷主に追加費用や損失が生じたかを踏まえて判断されます。

着荷主側の準備不足で荷待ちが発生し、その費用を着荷主が負担せず、発荷主に不利益が残る場合は問題となる可能性があります。適正な対応だったことを説明できるよう、入退場時刻や費用負担の記録を残すことが重要です。

委託先の3PLで起きたことも着荷主の責任になりますか?

なりうるため、確認が必要です。着荷主が商品を自社で受け取らず、委託先3PLや外部倉庫に受け取らせる場合も、改正物流特殊指定における「物品の引渡しを受ける」行為に含まれます。

委託先の現場で契約外の荷待ちや附帯作業が発生し、実運送事業者から元請、元請から発荷主へ費用が請求され、発荷主の利益が不当に害されれば、着荷主側の問題になる可能性があります。着荷主は、3PLとの契約、現場の作業指示、追加費用の負担方法を確認する必要があります。

物流特殊指定と取適法(旧:下請法)はどちらが適用されますか?

取引の形によって変わります。発荷主が元請運送事業者へ運送を委託する取引や、元請が実運送事業者へ再委託する取引は、要件を満たせば取適法の対象です。

一方、発荷主と着荷主の売買取引に伴い、着荷主が納品現場で契約外の附帯作業や運送内容の変更を求め、発荷主に不利益を生じさせる行為には、改正後の物流特殊指定が関係します。同じ商品の流れでも複数の契約が存在するため、契約ごとに適用関係を整理する必要があります。

関連リンク:取適法(旧:下請法)とは?物流領域への影響や7つの改正ポイント

まとめ

2027年4月1日に施行される改正物流特殊指定では、商品を受け取る着荷主も規制対象に加わります。契約外の荷役・附帯業務、荷待ち、運送内容の変更・やり直しによって発荷主に費用や損失を負わせれば、着荷主側の問題になる可能性があります。

自社が対象になるかを確認する際は、企業規模だけでなく、商品の売買関係、運送を委託する主体、納品現場で発生している作業、追加費用の負担者を整理することが重要です。

企業は、「取引条件の明文化」と「現場実態の継続的な把握」を両輪で進めることが重要です。大規模な契約改定を待つのではなく、まずは納品先、委託先3PL、荷待ち、附帯作業、追加料金、費用負担の棚卸しから始めましょう。そのうえで、リスクの高い拠点や取引から条件の明確化と運用改善を進める必要があります。

著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuが運営し、物流の基礎知識や法律を分かりやすく解説するメディア「ハコブログ」編集長。マーケティング支援会社にて従事していた際、自身の長時間労働と妊娠中の実姉の過労死を経験。非生産的で不毛な働き方を撲滅すべく、とあるフレキシブルオフィスに転職し、ワークプレイスやハイブリッドワークがもたらす労働生産性の向上を啓蒙。一部の業種・職種で労働生産性の向上に貢献するも、物流領域においてトラックドライバーの荷待ち問題や庫内作業者の生産性向上に課題があることを痛感し、物流領域における生産性向上に貢献すべく株式会社Hacobuに参画。

クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る

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