更新日 2026.09.14

積載率と積載効率の違いとは?計算方法と向上させる5つの方法

積載率と積載効率の違いとは?計算方法と向上させる5つの方法

積載率とは、トラックの最大積載量に対して実際にどれだけ積んだかを示す割合です。積載効率は、この積載率に実車率を掛け合わせた指標であり、両者は測る対象が異なります。本記事では、積載率と積載効率の違い、それぞれの計算方法と計算例、現場での測り方、国が定める目標値、そして積載率を向上させる5つの方法までを、物流DXパートナーのHacobuが解説します。

なお、Hacobuでは物流DXの戦略、導入、実行まで一気通貫で支援する物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」を提供しています。物流業務の改善にお悩みがありましたら、以下をクリックしてご覧ください。

積載効率とは

積載効率とは、積載率と実車率を掛け合わせて算出する、トラック輸送全体の効率を示す指標です。荷物をどれだけ積めたか(積載率)だけでなく、荷物を積んだ状態でどれだけ走れたか(実車率)まで含めて評価します。

積載効率は物流において重要な指標であり、貨物の効率的な積み込みや輸送に直結します。高い積載効率を維持することは、物流コストの削減や環境負荷の低減につながります。また、効率的な積載は輸送時間の短縮にも寄与し、全体的な物流プロセスの最適化を実現します。

積載効率の意味と重要性

積載効率とは、輸送手段に対して実際に積載された貨物の割合を示すものであり、物流の効率性を測る重要な指標です。例えば、トラックの場合、最大積載重量に対する実際の積載重量の割合で表されます。

高い積載効率は、運搬にかかるコストを抑えるだけでなく、燃料消費やCO2排出量の削減にも寄与します。これにより、企業は環境負荷を軽減しつつ、経済的なメリットを享受できます。

また、積載効率の向上は、運行回数の削減や配送スケジュールの最適化にも役立ちます。これにより、物流の柔軟性と応答性が高まり、顧客満足度の向上にもつながります。

積載率と積載効率の違い

積載率と積載効率の違いは、走行距離を含むかどうかにあります。積載率は1台のトラックに「どれだけ積めたか」だけを見る指標で、積載効率は「積んだ状態でどれだけ走ったか」まで含めた指標です。

両者の違いを3つの観点で整理します。

観点積載率積載効率
何を見るかトラック1台に積めた量の割合輸送全体の効率(積載量と走行の両方)
距離を含むか含まない含む(実車率を掛け合わせる)
計算式実際の積載量÷最大積載量×100積載率×実車率

積載率は、積載効率の一部として位置づけられます。両者は密接に関連しており、積載率の最適化は積載効率全体の向上に不可欠です。積載率を高めるためには、適切な積載計画や物流管理が必要となります。一方で、積載率が高くても空車での回送が多ければ実車率が下がるため、積載効率は改善しません。積載率と実車率は、どちらか一方だけを追っても積載効率が上がらない関係にあります。

積載率とは

積載率とは、トラック1台あたりの最大積載量に対して、実際に積載した量がどれだけあるかを示す割合です。

積載率はトラックの輸送効率を示す指標の1つで、積載率が高いほど、トラックに無駄なく荷物を積載できていることになり、輸配送のKPIとして用いられます。

積載率・積載効率の計算方法

積載率・実車率・積載効率は、いずれも1つの式で計算できます。3つの式と計算例を順に示します。

積載率の計算方法

積載率は、実際の積載量÷最大積載量×100で算出します。

計算例:最大積載量10トンのトラックに8トンの荷物を積んだ場合、積載率は8トン÷10トン×100=80%です。

積載率が100%でも、荷物を納品して物流拠点に帰る際に荷物がなければ、そのときの積載率は0%です。そのため、一般的には行きと帰りの積載率を平均した平均積載率が指標として用いられます。さらに、複数の箇所で積み下ろしをする場合は輸送途中で荷物が増減するため、それに伴って積載率も変化します。

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実車率の計算方法

実車率とは、総走行距離に対して、実際に貨物を積載した状態で走行した距離の比率です。実車率が高いほど、輸送効率が良いことを示します。前述のように、帰り荷の空車を改善するための指標として用いられます。実車率の計算方法は、以下で計算します。

積載した状態の走行距離÷総走行距離=実車率

計算例:総走行距離500kmのうち、荷物を積んで走った距離が300kmだった場合、実車率は300km÷500km×100=60%です。

積載効率の計算方法

積載効率は、積載率×実車率で算出します。

計算例:積載率80%、実車率60%のトラックの積載効率は、80%×60%=48%です。

積載率が80%と高い水準にあっても、空車での回送が多ければ積載効率は48%まで下がります。積載効率を改善するには、積載量と走行の両方を見る必要があります。

参考:合同会議取りまとめ案

積載率はどう測る?推計から実測へ

積載率の測り方は、計画値からの推計に加えて、車両側で実測する方法が広がりつつあります。推計は手元のデータだけで始められる一方、実際に積み込まれた状態とのずれが避けられません。ここでは代表的な3つの測り方を整理します。

計画ベースの推計と実績ベースの算出

計画ベースの推計とは、配車計画上の積載予定量や荷姿の容積から積載率を見積もる方法です。受注データや出荷指示があれば計算できるため、追加の機器を必要としません。ただし、当日の出荷変動やキャンセル、荷姿の変更が反映されないため、実際の積載状態とは差が生じます。

実績ベースの算出とは、過去の出荷実績データから、運行1回あたりの平均積載率を後から算出する方法です。実態に近い数値が得られるため、拠点別・方面別・曜日別の傾向をつかむのに向いています。一方で、運行が終わってから判明するため、その日の積み方を改善する用途には使えません。

確認したい項目は次の3つです。①積載率の分母を重量と容積のどちらで定義しているか ②往路と復路を分けて集計しているか ③積み替えのある運行を1運行として数えているか。この3点の定義がそろっていないと、拠点間で数値を比較できません。

重量センサーやカメラでの実測

車両に取り付けた重量センサーやカメラを使えば、走行中の積載状態を実測できます。重量センサーはサスペンションにかかる荷重から積載重量を把握するもので、最大積載量と照らし合わせれば積載率をその場で算出できます。カメラは荷室内の空きスペースを画像として捉えるため、軽量でかさばる貨物のように容積が制約になる輸送に向いています。

推計との違いは、実測では「積み残しがあったのか、そもそも荷物が少なかったのか」を後から検証できる点にあります。ただし、機器の取り付けと保守が必要になるため、対象車両を全車とするか、傾向をつかむための一部車両にとどめるかは、費用と目的を照らし合わせて判断することになります。

荷室の画像をAIで解析する方法

荷室を撮影した画像をAIが解析し、積載率を推定するといった手段も出てきています。ドライバーが荷室の扉を開けた状態で撮影した画像から、積み付けの高さや空きスペースを判定する考え方です。専用のセンサーを車両に取り付ける必要がないため、既存の車載端末やスマートフォンを活用できる可能性があります。

ただし、精度は貨物の形状や撮影条件に左右されると考えられ、現時点で全車両への適用が確立された手法とはいえません。導入を検討する場合は、まず一部の運行で推計値と突き合わせ、どの程度の誤差に収まるかを確かめる進め方が現実的です。

低下しつづける積載率

自家用トラックに比べて効率が良いとされている営業用トラックでも現在の平均積載率は40%程度が標準的とされ、年々積載率は低下しています。
無駄な輸送が多く発生しているため、この現状の改善が物流業界全体で求められています。
この構造は、ドライバーの時間外労働の上限規制によって輸送力が制約される物流2024年問題とも直結しています。

積載効率に関する政府のKPI

政府は、日本全体で積載効率44%を達成することを目標として定めています。あわせて、5割の車両で積載効率50%を実現することを目指しています(国土交通省「物流効率化の推進に関する基本的な方針」、2026年8月24日参照)。

この目標は、物流効率化法にもとづく基本方針で示されたものです。同じ方針では、トラックドライバー1人あたり年間125時間の拘束時間短縮も目標に掲げられています。目標の達成度は、国土交通省の自動車輸送統計年報を用いて把握するとされています。

積載効率向上に向けた規制的措置の設置や、補助金などの予算の確保が進むと予想されます。すべての荷主・運送事業者には積載効率の向上に努める義務が課され、一定規模以上の特定事業者には中長期計画の策定と定期報告が義務づけられています。

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出典:国土交通省「物流効率化法」理解促進ポータルサイト(https://www.revised-logistics-act-portal.mlit.go.jp/ 2026年8月24日参照)

積載率を向上させる方法

積載率を向上させ、効率的な輸送を実現するためには、いくつかの方法があります。ここでは5つの方法を、期待できる効果の方向とあわせて解説します。

商品カテゴリーの集約

トラック庫内のスペースを有効活用し、積載率を向上させます。そのための方法の1つが商品カテゴリーの集約です。商品カテゴリーを集約し、1つのオリコンにまとめて多くの商品を入れることで、スペースを有効活用できます。効果の目安として、荷姿の大きさが不統一で庫内に隙間が生じている場合に効きやすく、容積が制約となっている輸送では積載率の改善幅が大きくなる傾向があります。

共同輸配送

従来、個別の配送を行っていた複数の企業が、トラックやコンテナなどを共同化することによって、配送荷物をまとめて積合せにして配送する手段のことです。現在、多くの物流企業が共同輸配送に取り組んでいますが、個別対応や時間指定への対応、急な変更や追加の積載などイレギュラーな対応が行いにくくなることや、料金体系、責任の所在が曖昧になるなどの課題も残っています。効果の目安として、1社では車両を満載にできない小口の輸送を束ねられるため、積載率だけでなく運行回数の削減にもつながる傾向があります。

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運行管理の把握

自社車両の走行距離や積載状況を把握する必要があります。緊急輸送の要請や同じ方面に向かう車両が複数台あれば、荷物を集約することで効率的な輸配送が可能となります。デジタコやGPS機能のついたドラレコを用いてトラックの位置情報を把握することができます。緊急輸送の依頼があった荷主に近い場所を走行する車両を向かわせることができます。
効果の目安として、空車で走っている区間を特定できるようになるため、積載率よりも先に実車率の改善として現れやすい傾向があります。

輸配送の制約条件を緩和する

たとえば、配送日や時間指定の制約を緩和し、周辺のほかの納品先と揃えられれば、積載率を高め、配送回数が少なく済みます。
制約条件の緩和のためには、納品先への協力要請が必要です。先方へのメリットの提示やデータを用いた建設的な説明が必要になります。
効果の目安として、納品時間の指定が細かく分かれている輸送ほど、緩和による積載率の改善余地が大きくなる傾向があります。

配送管理システムを利用する

配送管理システムとは、配送状況を管理するITツールです。先に説明した車両の現在位置を把握する動態管理や、積載率を鑑みた効率の良い配車計画を立案するシステムなどです。
効果の目安として、配車が特定の担当者の経験に依存している場合に効きやすく、積載率の高い組み合わせを継続的に再現できるようになる点が利点です。

積載率だけを追いすぎると逆効果になる

積載率を高めることだけを目標にすると、輸送全体の効率はかえって下がる場合があります。荷物を満載にするために出荷を待ち、待機時間と積込作業が増えるためです。

具体的には、次のような負担が発生します。①出荷を数時間まとめて待つことによる待機時間の増加 ②積み付けを工夫するための積込作業時間の増加 ③納品先が増えることによる荷卸し回数の増加。積載率が10ポイント上がっても、1運行あたりの拘束時間が長くなれば、1日に運べる回数は減ります。

そこで、判断の軸を「1台にどれだけ積めたか」から「拘束時間1時間あたりに何を運べたか」に置き換えます。積載率を上げる打ち手を検討するときは、荷待ち時間と荷役等時間の変化を同時に測り、両方を合算して比較してください。物流効率化法の目標が、積載効率44%とドライバー1人あたり年間125時間の拘束時間短縮の2つを並べて掲げているのは、この2つがトレードオフになりうるためです。

バランスの取り方は、次の3段階で判断できます。第1に、積載率を上げても待機時間が増えない範囲を先に使い切ります(積み付けの見直し、同方面の便の統合)。第2に、待機時間が増える打ち手は、増える時間を測ってから採否を決めます(出荷締め時刻の後ろ倒し、積合せ待ち)。第3に、待機時間の増加分が拘束時間の削減目標を上回る打ち手は採用しません。積載率は目的ではなく、拘束時間と合わせて見る指標です。

積載率に関するよくある質問

積載率については、計算方法や積載効率との違いについての質問が多く寄せられます。ここでは、現場で特に問われることの多い4つの疑問について、順に回答します。より詳しい計算方法や向上策は、本記事の該当箇所をあわせてご覧ください。

積載率の求め方は?

積載率は、実際の積載量÷最大積載量×100で求めます。

計算例:最大積載量10トンのトラックに8トンを積んだ場合、積載率は8トン÷10トン×100=80%です。往路と復路で積載量が異なる場合は、両方を平均した平均積載率を用いるのが一般的です。

積載率100%とはどういう意味ですか?

積載率100%とは、トラックの最大積載量まで荷物を積んだ状態を指します。

積載率100%は最大積載量の範囲内に収まっている状態であり、最大積載量を超えて積む過積載とは異なります。過積載は法令違反となり、罰則の対象です。

関連記事:過積載とは

積載率と積載効率の違いは何ですか?

積載率と積載効率の違いは、走行距離を含むかどうかです。

積載率は、トラック1台に最大積載量に対してどれだけ積めたかを示す割合です。積載効率は、その積載率に、荷物を積んで走った距離の比率である実車率を掛け合わせた指標です。積載率が高くても空車での回送が長ければ、積載効率は低くなります。

積載率の読み方は?

積載率の読み方は「せきさいりつ」です。積載効率は「せきさいこうりつ」、実車率は「じっしゃりつ」と読みます。

積載率・積載効率の可視化・向上ならHacobu

積載率・積載効率の改善は、まず自社の現状を数値で把握し、そのうえで打ち手を選ぶ順序で進みます。Hacobuは、物流情報プラットフォーム「MOVO」と物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」で、可視化から改善の実行までを支援します。

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配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」では、プロダクト上で運行単位の積載率を可視化できます。運行ごとの数値が見えるため、どの方面・どの便に改善余地があるのかを特定できます。さらに、AI配送計画機能により、積載率を高める配車計画の立案までを支援します。

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まとめ

積載率の改善は、違いを知る、測る、上げる、全体で見るという4つの順序で進めます。まず積載率と積載効率の違いを押さえ、次に推計と実測のどちらで自社の数値を把握するかを決めます。そのうえで、商品カテゴリーの集約から配送管理システムの利用までの5つの方法を選び、最後に荷待ち時間と荷役等時間を含めた全体で効果を確認します。積載効率の改善は、持続可能な物流に不可欠です。

\物流課題を解決する糸口が見つかる!/

著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuが運営し、物流の基礎知識や法律を分かりやすく解説するメディア「ハコブログ」編集長。マーケティング支援会社にて従事していた際、自身の長時間労働と妊娠中の実姉の過労死を経験。非生産的で不毛な働き方を撲滅すべく、とあるフレキシブルオフィスに転職し、ワークプレイスやハイブリッドワークがもたらす労働生産性の向上を啓蒙。一部の業種・職種で労働生産性の向上に貢献するも、物流領域においてトラックドライバーの荷待ち問題や庫内作業者の生産性向上に課題があることを痛感し、物流領域における生産性向上に貢献すべく株式会社Hacobuに参画。

クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る

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