公開日 2021.12.03
更新日 2025.02.05

積載効率の基礎知識と向上の方法

積載効率は物流において重要な指標であり、貨物の効率的な積み込みや輸送に直結します。本記事では積載効率の基本的な知識から、その計算方法、現状の課題、向上させるための具体的な方法について、物流DXパートナーのHacobuが詳しく解説します。

なお、Hacobuでは物流DXの戦略、導入、実行まで一気通貫で支援する物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」を提供しています。物流業務の改善にお悩みがありましたら、以下をクリックしてご覧ください。

積載効率とは

積載効率とは、輸送手段に対してどれだけ効果的に貨物を積み込めるかを示す指標です。具体的には、実際に積載した貨物の重量や容積を、輸送手段の最大積載可能量と比較して算出されます。

高い積載効率を維持することは、物流コストの削減や環境負荷の低減につながります。また、効率的な積載は輸送時間の短縮にも寄与し、全体的な物流プロセスの最適化を実現します。

積載効率の意味と重要性

積載効率とは、輸送手段に対して実際に積載された貨物の割合を示すものであり、物流の効率性を測る重要な指標です。例えば、トラックの場合、最大積載重量に対する実際の積載重量の割合で表されます。

高い積載効率は、運搬にかかるコストを抑えるだけでなく、燃料消費やCO2排出量の削減にも寄与します。これにより、企業は環境負荷を軽減しつつ、経済的なメリットを享受できます。

また、積載効率の向上は、運行回数の削減や配送スケジュールの最適化にも役立ちます。これにより、物流の柔軟性と応答性が高まり、顧客満足度の向上にもつながります。

積載効率と積載率の違いと関係

積載率とは

積載率はトラックの輸送効率を示す指標の1つで、トラック1台あたりの最大積載量に対して、実際に積載した量がどれぐらいかを示すものです。積載率が高いほど、トラックに無駄なく荷物を積載できていることになり、輸配送のKPIとして用いられます。

積載効率と積載率の違いと関係

積載率は、積載効率の一部として位置づけられます。両者は密接に関連しており、積載率の最適化は積載効率全体の向上に不可欠です。積載率を高めるためには、適切な積載計画や物流管理が必要となります。

積載率・積載効率の計算方法

積載率の計算方法

積載量÷最大積載量=積載率で算出します。

最大積載量10トンのトラックで8トンの荷物を運ぶ場合の積載率は、8トン÷10トン×100=80%です。

積載率が100%でも、荷物を納品して物流拠点に帰る際に荷物がなければ、そのときの積載率は0%です。そのため、一般的には行きと帰りの積載率を平均した平均積載率が指標として用いられます。さらに、複数の箇所で積み下ろしをする場合は輸送途中で荷物が増減するため、それに伴って積載率も変化します。

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実車率の計算方法

前述のように帰り荷の空車を改善するための指標として、実車率があります。実車率とは総走行距離に対して、実際に貨物を積載した状態で走行した距離比率のことを指します。実車率が高いほど、輸送効率が良いことを示します。実車率の計算方法は、以下で計算します。

積載した状況の走行距離÷総走行距離=実車率

積載効率の計算方法

以上から、積載効率は以下のように求められます。

積載率×実車率=積載効率

参考:合同会議取りまとめ案

低下しつづける積載率

自家用トラックに比べて効率が良いとされている営業用トラックでも現在の平均積載率は40%程度が標準的とされ、年々積載率は低下しています。
無駄な輸送が多く発生しているため、この現状の改善が物流業界全体で求められています。

積載効率に関する政府のKPI

政府はこのような問題の中、全トラック輸送のうち5割の車両で、積載効率50%を実現することを目指しています。

積載効率向上に向けた規制的措置の設置や、補助金などの予算の確保が進むと予想されます。

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積載率を向上させる方法

積載率を向上させ、効率的な輸送を実現するためには、いくつかの方法があります。

商品カテゴリーの集約

トラック庫内のスペースを有効活用し、積載率を向上させます。そのための方法の1つが商品カテゴリーの集約です。商品カテゴリーを集約し、1つのオリコンにまとめて多くの商品を入れることで、スペースを有効活用できます。

共同輸配送

従来、個別の配送を行っていた複数の企業が、トラックやコンテナなどを共同化することによって、配送荷物をまとめて積合せにして配送する手段のことです。現在、多くの物流企業が共同輸配送に取り組んでいますが、個別対応や時間指定への対応、急な変更や追加の積載などイレギュラーな対応が行いにくくなることや、料金体系、責任の所在が曖昧になるなどの課題も残っています。

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運行管理の把握

自社車両の走行距離や積載状況を把握する必要があります。緊急輸送の要請や同じ方面に向かう車両が複数台あれば、荷物を集約することで効率的な輸配送が可能となります。デジタコやGPS機能のついたドラレコを用いてトラックの位置情報を把握することができます。緊急輸送の依頼があった荷主に近い場所を走行する車両を向かわせることができます。

輸配送の制約条件を緩和する

たとえば、配送日や時間指定の制約を緩和し、周辺のほかの納品先と揃えられれば、積載率を高め、配送回数が少なく済みます。
制約条件の緩和のためには、納品先への協力要請が必要です。先方へのメリットの提示やデータを用いた建設的な説明が必要になります。

配送管理システムを利用する

配送管理システムとは、配送状況を管理するITツールです。先に説明した車両の現在位置を把握する動態管理や、積載率を鑑みた効率の良い配車計画を立案するシステムなどです。

まとめ

積載効率の改善は、持続可能な物流に不可欠です。

なお、Hacobuでは「運ぶを最適化する」をミッションとして掲げ、物流DXツールMOVO(ムーボ)と、物流DXコンサルティングサービスHacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)を提供しています。

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著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuが運営するハコブログの編集長。マーケティング支援会社にて従事していた際、自身の長時間労働と妊娠中の実姉の過労死を経験。非生産的で不毛な働き方を撲滅すべく、とあるフレキシブルオフィスに転職し、ワークプレイスやハイブリッドワークがもたらす労働生産性の向上を啓蒙。一部の業種・職種で労働生産性の向上に貢献するも、物流領域においてトラックドライバーの荷待ち問題や庫内作業者の生産性向上に課題があることを痛感し、物流領域における生産性向上に貢献すべく株式会社Hacobuに参画。

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