更新日 2026.07.27

過積載における罰則・処分とは|トラック運送事業者・ドライバー・荷主ごとに解説

過積載における罰則・処分とは|トラック運送事業者・ドライバー・荷主ごとに解説

過積載の罰則は、運送事業者だけでなく、実際に運転するドライバー、荷物の積み込みや運送条件に関与する荷主にも及ぶ可能性があります。本記事では、過積載に該当する基準を整理したうえで、超過率ごとの違反点数、反則金・罰金、運送事業者・ドライバー・荷主それぞれに科される処分について物流DXパートナーのHacobuが解説します。

過積載の原因やリスク、対策、通報先、最大積載量の確認方法などについて確認されたい方は、以下記事をご覧ください。

トラックの過積載とは|リスクや罰則、通報先、最大積載量の確認方法を解説

過積載とは…

2026.02.18

なお、荷主がトラック運送事業者(貨物自動車運送事業者)やドライバーに対し、過積載に関して主体的な関与があった場合、荷主勧告制度により、勧告・社名公表を受ける可能性があります。

荷主の方におかれましては、本記事を読む前に、荷主勧告制度を詳細に解説した資料をダウンロードすることをおすすめします。

過積載とは

過積載とは、車両ごとに定められた最大積載量を超えて荷物を積んで走行することです。最大積載量を1kgでも超えれば過積載に該当するため、「少しだけなら問題ない」という考え方はできません。たとえば最大積載量2,000kgのトラックに2,001kgの荷物を積んだ場合でも、法律上は過積載となります。

過積載は、ブレーキ性能の低下やタイヤへの負荷増大を招き、重大事故や道路・橋梁の劣化につながるリスクがあります。なお、最大積載量の確認方法や計算方法については、本記事では詳しく扱いません。基本的な考え方を確認したい方は、過積載とは・最大積載量の確認方法をご覧ください。

過積載の違反点数・罰金の早見表

過積載に対する違反点数と反則金は、最大積載量に対してどの程度超過しているかによって異なります。警視庁の「交通違反の点数一覧表」および「反則行為の種別及び反則金一覧表」では、積載物重量制限超過について、5割未満、5割以上10割未満、10割以上の区分で点数・反則金が示されています。以下は、主にトラックで関係する大型車・普通車を中心に整理したものです。なお、10割以上の大型車は反則金制度の対象ではなく、刑事罰の対象となります。

超過率違反点数反則金・罰金
5割未満大型等:2点、普通等:1点大型車:30,000円、普通車:25,000円
5割以上10割未満大型等:3点、普通等:2点大型車:40,000円、普通車:30,000円
10割以上大型等:6点、普通等:3点普通車:35,000円。大型車は反則金の対象外で、道路交通法上の刑事罰として6か月以下の懲役または10万円以下の罰金の対象となります

過積載は、最大積載量を1kgでも超えた時点で違反になります。そのため「何%から違反か」という問いに対しては、超過率にかかわらず1kg超過から違反であり、超過率が大きくなるほど違反点数や反則金・罰金が重くなると理解する必要があります。

(上記の数値は、警視庁「交通違反の点数一覧表」および「反則行為の種別及び反則金一覧表」を2026年7月8日に参照して確認しています。)

トラック運送事業者の罰則・処分

トラック運送事業者が、過積載をさせた場合、運行管理者の資格取り消しや事業許可取り消しにつながります。社会的な信用が失われ、事業の継続に大きな影響を与える可能性があります。

道路交通法

道路交通法に基づく、トラック運送事業者への措置は以下のとおりです。

考案委員会による指示

過積載運転があった場合、公安委員会は「車両の使用者」に対し、車両の運行管理を改善させるため、過積載を防止するため必要な措置を執ることを指示します。

車両の使用制限処分

以下の場合、公安委員会は、車両の使用者に対し、3か月以内の車両の運転を禁止します。

  • ドライバーに対し、過積載を指示、または容認した場合
  • 公安委員会による前述の指示を受けた車両において1年以内に、再度過積載運転が行われた場合

車両の使用者とは

自動車の使用者とは、自動車を使用する権限を有し、その運行を支配し、管理する者であり、自動車の運行について最終的な決定権を有する者をいいます。物流領域においては、一般的にはドライバーの雇用主であるトラック運送事業者と考えられます。

同法において、車両の使用者は最大積載量を遵守させるように努めなければならないとされています。

罰則

  • 車両の使用制限処分に違反した場合:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
  • 過積載を指示・容認した場合:6か月以下の懲役または10万円以下の罰金

貨物自動車運送事業法

貨物自動車運送事業法に基づく、トラック運送事業者への措置は以下のとおりです。

車両停止処分

以下の基準により、車両停止処分が行われます。

過積載の程度が5割未満のもの

  • 初回:10日×違反車両数
  • 2回目:30日×違反車両数
  • 3回目:80日×違反車両数
  • 4回目:200日×違反車両数

過積載の程度が5割以上10割未満のもの

  • 初回:20日×違反車両数
  • 2回目:50日×違反車両数
  • 3回目:130日×違反車両数
  • 4回目:330日×違反車両数

過積載の程度が10割以上のもの

  • 初回:30日×違反車両数
  • 2回目:80日×違反車両数
  • 3回目:200日×違反車両数
  • 4回目:500日×違反車両数

事業許可の取り消し処分

悪質な過積載運転を行うと、初めての違反でも車両停止処分となり、再違反については車両停止期間の大幅延長、事業許可の取り消しなどの厳しい処分が行われます。

運行管理者の資格取り消し

運行管理者の業務について法令違反があり、かつ以下のような場合には運行管理者資格者証の返納命令が発令され、資格が取り消しされます。

  • (過積載を起因とした場合を含む)有責な重大事故を引き起こし、多数の死傷者を生じた場合
  • 過積載運転が計画的、または恒常的に発生していた場合

運行管理者資格者証の返納を命じされた場合、一定期間は同証の交付を受けることができません。その間、トラック運送事業者において運行管理者が不在の状態になってしまいます。

ドライバーの罰則・処分

ドライバーにおいては、違反点数・罰金の他に、民事訴訟で損害賠償責任が生じる場合があります。

道路交通法

道路交通法に基づく、ドライバーへの措置は以下のとおりです。

  • 自動車検査証の提示、重量測定受任義務
  • 過積載を解消するための応急措置(積荷の現場取り降し、警察官による通行指示)
  • 違反点数・罰金

最大積載量の超過割合による違反点数・罰則の違いは、下表のとおりです。

民事訴訟

過積載運行で事故を起こした場合、ドライバーには深刻な法的責任が発生します。民事訴訟においてドライバー自身が賠償責任を負う可能性があり、事故によって他者や財産に損害を与えた場合、賠償金の支払いが求められます。

荷主の罰則・処分

過積載はトラック運送事業者・ドライバーだけの責任ではありません。過積載に関して、荷主の主体的な関与があった場合、荷主に対して道路交通法と貨物自動車運送事業法に基づいて罰則などが科されます。

道路交通法

トラック運送事業者に対して、過積載と知りながら輸送を強いることは道路交通法で禁止されています。繰り返し、過積載の要求をしている場合は、警察署長から過積載の「再発防止命令」が出されます。

再発防止命令に違反すると、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。

貨物自動車運送事業法

トラック事業者の過積載について、荷主が主体的に関与していた場合、貨物自動車運送事業法に基づき、国土交通省から協力要請書や警告書が発行され、これに従わない場合には、勧告という措置がとられ、社名や事案の概要が公表される可能性があります。

荷主勧告制度とは?荷主勧告を受ける荷主の行為、企業に求められる対応などを解説

荷主勧告制…

2025.12.26

参考:道路交通法

参考:貨物自動車運送事業法

参考:過積載は、荷主にも罰則が適用されます!!|国土交通省

荷主勧告制度とは

荷主勧告制度とは、トラック運送事業者の違反行為が、主として荷主の行為に起因すると認められる場合に、運輸局等が荷主に対して再発防止のために必要な措置を講じるよう勧告する制度です。過積載では、荷主が無理な積み込みを求めた場合や、積載重量を適切に把握しないまま運送を依頼した場合などに、荷主側の関与が問題となる可能性があります。

国土交通省は、過積載の大きな要因として荷主からの要求や非効率な商慣習を挙げており、道路管理者が取締り時に荷主情報を聴取する取り組みも進めています。過積載を防ぐには、運送事業者だけでなく、発荷主・着荷主を含めた関係者が積載重量や運行条件を確認する体制を整えることが重要です。荷主側の責任や制度の詳細は、荷主勧告制度に関する解説記事もあわせてご確認ください。

2026年の最新動向・取り締まり事例

過積載への対策は、2026年時点でも引き続き重要なテーマです。国土交通省は、過積載が道路を劣化させるだけでなく、深刻な事故の原因になると指摘しています。また、過積載の大型車両は通行台数では一部にとどまる一方で、道路橋の劣化に大きな影響を与えるとされており、社会インフラを守る観点からも取り締まりの重要性が高まっています。

国土交通省の公表資料では、直轄国道や高速道路での基地取締りにおいて、過積載等の違反車両を確認した場合、警告書の発出や措置命令にあわせて、運転者の任意協力のもとで荷主情報を聴取する取り組みが示されています。これは、過積載を運送事業者だけの問題にせず、荷主を含めた責任分担を明確にするための動きです。

さらに、物流の2024年問題によってドライバーの労働時間管理が厳格化され、限られた輸送力で荷物を運ぶ必要性が高まっています。この状況で「一度に多く運びたい」という圧力が強まると、過積載リスクが高まる可能性があります。だからこそ、荷主企業や元請け事業者は、運送計画の段階から積載重量、車両手配、納品時間を適切に管理し、無理な運行を生まない体制を整えることが求められます。

過積載を防ぐには(MOVO)

過積載を防ぐには、積載重量を現場任せにせず、配車計画やバース予約、運行管理の段階から無理な積み込みを防ぐ仕組みを整えることが重要です。たとえば、MOVO Vistaで拠点や輸配送の状況を可視化し、MOVO Fleetで車両や運行情報を管理することで、車両ごとの積載状況や運行実態を把握しやすくなります。

また、MOVO Berthを活用すれば、倉庫や物流センターでの受付・予約管理を効率化し、出荷量や積み込みタイミングを調整しやすくなります。重量管理、配車管理、予約管理をデジタル化することで、現場の経験や口頭確認に依存せず、過積載を未然に防ぐ運用につなげられます。

よくある質問

Q. 過積載は何パーセントから違反になりますか?

過積載は、最大積載量を1kgでも超えた時点で違反になります。5割未満、5割以上10割未満、10割以上といった区分は、違反になるかどうかの基準ではなく、違反点数や反則金・罰金の重さを判断するための区分です。

Q. 過積載が10割以上だとどうなる?

過積載が10割以上の場合、大型等では違反点数が6点となり、行政処分上も重い違反として扱われます。大型車の場合は反則金ではなく、道路交通法上の刑事罰として6か月以下の懲役または10万円以下の罰金の対象となるため、事業継続にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

Q. 積載オーバーの罰金はいくらですか?

積載オーバーの反則金は、超過率や車両区分によって異なります。大型車では5割未満が30,000円、5割以上10割未満が40,000円で、普通車では5割未満が25,000円、5割以上10割未満が30,000円、10割以上が35,000円です。大型車の10割以上は反則金の対象外で、刑事罰の対象となります。

Q. 荷主にも罰則はありますか?

荷主にも責任が問われる可能性があります。トラック運送事業者の違反が主として荷主の行為に起因すると認められる場合、運輸局等から荷主に対して再発防止のための勧告が行われることがあります。過積載を防ぐには、荷主側も積載重量や運送条件を確認し、無理な輸送を求めない管理体制を整えることが重要です。

まとめ

過積載は、最大積載量を1kgでも超えた時点で違反となり、超過率に応じて違反点数や反則金・罰金が重くなります。特に10割以上の過積載は、行政処分や刑事罰の対象となる可能性があり、ドライバー個人だけでなく、運送事業者の事業運営にも大きな影響を及ぼします。

また、過積載は運送事業者やドライバーだけの問題ではありません。荷主が無理な積み込みや運送条件に関与した場合、荷主勧告制度の対象となる可能性があります。物流の2024年問題を背景に輸送力が限られるなかでも、荷主企業・元請け事業者・運送事業者が連携し、積載重量、配車、バース予約、運行状況を適切に管理することが重要です。

HacobuのMOVOシリーズを活用すれば、拠点や車両、予約状況をデータで把握し、現場任せになりがちな積載・運行管理を仕組み化できます。過積載を未然に防ぐことは、法令遵守だけでなく、重大事故の防止、道路インフラの保全、持続可能な物流体制の構築にもつながります。

トラック予約受付サービス(バース予約システム) MOVO Berth

MOVO Berth(ムーボ・バース)は、荷待ち・荷役時間の把握・削減、物流拠点の生産性向上を支援します。

動態管理サービス MOVO Fleet

MOVO Fleet(ムーボ・フリート)は、協力会社も含めて位置情報を一元管理し、取得データの活用で輸配送の課題解決を支援します。

配車受発注・管理サービス MOVO Vista

MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)は、電話・FAXによるアナログな配車業務をデジタル化し、業務効率化と属人化解消を支援します。

物流DXとは?課題解決と2024年問題対策、企業の成功事例を解説

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2026.09.03

著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuが運営し、物流の基礎知識や法律を分かりやすく解説するメディア「ハコブログ」編集長。マーケティング支援会社にて従事していた際、自身の長時間労働と妊娠中の実姉の過労死を経験。非生産的で不毛な働き方を撲滅すべく、とあるフレキシブルオフィスに転職し、ワークプレイスやハイブリッドワークがもたらす労働生産性の向上を啓蒙。一部の業種・職種で労働生産性の向上に貢献するも、物流領域においてトラックドライバーの荷待ち問題や庫内作業者の生産性向上に課題があることを痛感し、物流領域における生産性向上に貢献すべく株式会社Hacobuに参画。

クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る

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