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荷待ちが発生していない物流拠点でもバース予約システムを導入すべき理由とは?

バース予約システム(トラック予約受付システム)は荷待ちが発生していない物流拠点でも導入すべき理由があります。本記事では、その理由について詳しく解説します。荷待ちが発生している物流拠点の方だけでなく、全ての工場や物流センター、倉庫の管理責任者、本社物流管理部門の方もご参考ください。

荷待ちのない物流拠点でもバースを導入すべき理由について解説した資料はこちらからダウンロードいただけます。

「荷待ちがないからバース予約システム導入不要」は間違い

バース予約システムとは、ドライバーや運送会社が事前にバースでの荷役時間を予約することによって、バースの混雑を分散、解消できるシステムです。国土交通省が推進している物流総合効率化法において、バース予約システムの導入などによる輸配送の効率化が推進されています。

バース予約システムを導入することによって、物流業界の大きな課題のひとつである車両の荷待ち時間の削減が可能になります。しかし「荷待ちが発生していないから自拠点には導入は不要」と判断するのは早いです。荷待ちが発生していない物流拠点でもバース予約システムを導入すべき理由を次項以降で説明します。

国の推進運動やガイドラインにおいて取り組むべき項目として明記されている

入出荷情報の事前提供

MOVO Berthのシステム画面:バース表

国土交通省が推進している ホワイト物流推進運動 において、荷待ち時間の削減に向けてできる対策として「発荷主からの入出荷情報の事前提供」は取り組むべき項目と明記されています。その手段としてバース予約システムの導入が必要です。それだけでなく、納品先企業の入荷作業効率化に向けてできる対策としてもバース予約システムの導入が挙げられています。

なおバース予約システムのMOVO Berthでは、予約時に伝票のPDFファイルを添付することができます。荷物の中身や荷姿などだけでなく、伝票に記載されている情報が予約時点で事前提供できるので、着荷主側では事前に社内情報と伝票情報を突合して作業準備や事務処理に取り掛かることが可能です。

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荷待ち時間・荷役作業の時間把握

経済産業省、農林水産省、国土交通省が策定した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」においても荷待ち時間・荷役作業等に係る時間の把握については実施が必要な取組として明記されています。

ドライバーの1運行あたりの荷待ち、荷役作業などにかかる時間が計約3時間となっていることから、各荷主事業者の取組によって1時間以上短縮し、2時間以内とすること、これを達成した場合やすでに2時間以内となっている場合は、1時間以内を目標に更なる時間の短縮をすることを努力目標としてガイドラインでは定められています。ガイドラインに照らして取り組んでいない、またそれを放置している場合、政府は勧告を出し、さらに命令や罰則を出す規制的措置も今後は制定される見込みです。

すなわち発荷主・着荷主として、長時間の荷待ちが発生していなくても「時間の把握」はそもそもの必須項目といえます。

物流革新政策パッケージやガイドラインについて解説した資料はこちらからダウンロードいただけます。

入場・退場記録をデジタル化できる

急務である物流領域の労働生産性の向上に、業務のデジタル化が効果的です。しかしその一方で、実際には電話やFAX、紙などのアナログなやり取りが主流であり、デジタル化は進んでいないのが現状です。入場・退場の記録を紙の帳簿で行っている拠点も未だ多いです。しかしわざわざExcelなどの表計算ソフトに転記し、データとして保存している方は少ないでしょう。

2024年2月時点で「時間の把握」について詳細の定義は明確化されていませんが、データとして保存をしていつでも確認できる状況でない場合、把握できているとは言えない可能性があります。

トラックGメン対策になる

今話題になっている トラックGメン をご存知でしょうか?トラックGメンは、物流の「2024年問題」を解決するために、国土交通省が2023年7月21日に創設し、トラック運送における不適正な取引の監視を強化しています。具体的な取り組みとしては、貨物自動車運送事業法(貨物車運事法)に基づき、違反原因行為を行っている疑いのある荷主に対して「働きかけ」を実施しており、荷主が違反原因行為をしていると疑うに足りる相当な理由があるときは「要請」、なお改善されないときは「勧告・公表」に踏み切ります。

違反原因行為としては、以下の例が挙げられます。

  • 荷主都合による長時間の荷待ち時間が発生
  • 適切な運行では間に合わない到着時間を指定
  • 荷物の積込み直前に貨物量を増やすよう指示

トラックGメンは荷主や、荷捌き場周辺などへの現場の状況確認を行っています。しかし違反原因行為をしている疑いのある物流拠点だけでなく、現状把握のためにそうでない拠点に対しても調査に赴いているようです。その際にデータとして実情を提出できない場合、注視される可能性があります。

荷待ちが発生していなくてもトラックGメンは調査に入る可能性があり、その際にデータが出せないということは政府要請の「時間の把握」ができていないことを意味し、「働きかけ」を受けるリスクが高まるといえます。

トラックGメンについて解説した資料はこちらからダウンロードいただけます。

感覚や推測ではなく、事実として説明できる

長時間の荷待ち・荷役は発生していないと思っていても、実は実態が異なる可能性もあります。

あなたがある物流センターのセンター長であるとして、ご自身がセンターに出勤していない時間も含めた365日24時間の車両状況を把握できていますでしょうか。ご自身では認識していないある時間や時期だけ突出して長時間の荷待ち・荷役が発生していた場合、センター全体の平均時間を押し上げてしまうことになります。

あなたが複数の物流センターを統括する本社物流管理部門であるとして、上記の状態を複数拠点を網羅的に把握できていますでしょうか。

感覚や推測で長時間の荷待ち・荷役が発生していないと判断するには、これまで説明してきた政府要請への対応としては不十分でしょう。自社の現状をモニタリングし、長時間の荷待ち・荷役が発生していなくても「問題ない」と定量的に説明できるよう予実管理をしましょう。

例えばMOVO Berthなら、拠点の荷待ち時間や荷役時間を可視化するダッシュボードや、全社の車両滞在時間状況を一元的に可視化・比較できるダッシュボードがあります。自拠点、または全拠点の実態を直感的に把握できるので、ある時間や時期、一部の拠点で万が一問題が発生した場合も見落としせずに対策を取ることが可能です。

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取引先との交渉に役立つ

動態管理サービスのMOVO Fleetのように発荷主や物流事業者側で、納品先における荷待ち・荷役時間を把握できるツールもあります。発荷主や物流事業者側が配送状況の実態を把握し、適正な運賃の請求や付帯作業の緩和の交渉材料とする動きが加速しています。

以下のグラフは2023年11月〜12月にトラックGメンが集中監視月間として、荷主・元請に早急な是正を促した違反原因行為の内訳です。長時間の荷待ちだけでなく、「運賃・料金の不当な据え置き」「契約になかった付帯業務」合計で27%を占めます。適正な運賃の請求や付帯作業の緩和に応じない荷主・元請もトラックGメンから「働きかけ」「要請」を受ける可能性がある状況です。

このような状況の中で取引先から交渉が入った際、自社としてその妥当性が分からなければ交渉を受諾せざるを得ない、それにより自社コストの増加や効率の悪化につながるかもしれません。また、交渉を回避するために自社運用の改善に努めるとします。その場合はまずは自社の現状をモニタリングし、目標とのギャップを可視化する必要があります。

取引先との交渉における妥当性検証、または交渉による自社コストの増加や効率の悪化回避のために荷待ち・荷役時間を把握するシステムは必要でしょう。

トラブル防止、クレーム対応の削減

来場する車両の並び順が不明確であったり順番を守らない車両が割り込みをしたりすることで、ドライバーからのクレーム発生や、ドライバー同士のトラブル発生はないでしょうか?来場した車両の受付管理をしっかり行なっていないと、ドライバーからすると並び順がわからず、駐車して休憩することもできず大きなストレスになってしまいます。またクレーム対応を受付や守衛が行なってる場合、彼らの心理的負担も大きいでしょう。

システムを使って受付登録をし、呼び出し予定時間をドライバーに事前共有することで、ドライバーだけでなく拠点の作業員も含めて心理的負担を軽減できます。

作業キャパシティの増加による生産性が向上

自社・自拠点の物流拠点の運用は現在が最適な状態でしょうか?会社の業績や人手不足、外部環境の変化など様々な影響により、さらに効率的・生産的な運用を求められないでしょうか。もし荷待ち時間が発生していなくても、荷役時間をさらに短縮することができれば物流拠点全体の作業効率は向上し、余剰キャパシティでさらに荷役が行うことができ、物流拠点の生産性は高まります。このように荷待ち削減の目的だけでなく、物流拠点の生産性を向上させる目的でバース予約システムは使われています。なぜバース予約システムを使うと生産性の向上につながるかの詳細は以下で説明します。

誰もが常に最新の作業状況を把握できる

バースの作業状況がシステム画面でリアルタイムで更新され、常に最新の作業状況がわかります。事務所やバース付近など異なる場所にいる作業員同士でもこのシステム画面を見ることで、誰もが常に最新の作業状況を把握できます。これにより以下のことが可能になり、結果として作業計画性が向上し、荷役時間が削減されます。

  • 報連相の時間を削減できる。
  • 計画外作業が発生した場合に直ちに計画を軌道修正ができ、効率的に新しいスケジュールやリソースの配分を行うことが可能になり、余計な待ち時間や無駄なリソースの使用を最小限に抑えることができる。
  • 連絡漏れがなく初めから正確かつ完全な情報が共有され、誤解や補完作業が不要になる。これにより追加の手戻りや再作業が発生しない。また適切かつタイムリーな情報共有によって、各人員は自分の役割や責任を明確に理解し、それに基づいて効率的な作業を進めることができる。

物流拠点全体で効率化できる

予約機能により何時にどのような荷役が発生するかが事前にわかり、それに準じて作業計画を立てることが可能です。それにより例えば出荷の場合、比較的時間に余裕のある時間帯に出荷に来る車両順に合わせて荷物を事前配置しておき、その順に荷積を行うことでピッキングや梱包のムダ作業を削減できます。

また入荷の場合でも、作業計画がない場合は後の予定がわからないので目の前の作業に集中しやすいです。そうするとまずは荷卸のような前工程に集中し、検品・格納などの後工程にアイドリングが発生し、稼働にムラが発生します。しかしムラの無いように計画を立てることで工程別のアイドリングを削減し、拠点全体で平準化・整流化が可能になってきます。

このようにバース予約システムを活用すると、物流拠点全体でムダ・ムラを無くし、効率化することが可能です。

荷待ちのない物流拠点でもバースを導入すべき理由について解説した資料はこちらからダウンロードいただけます。

バース予約システムなら MOVO Berth

いかがでしたでしょうか。荷待ちが発生していない物流拠点においても、そもそも時間の把握が必要であること、さらに荷役時間の削減による生産性の向上というメリットにつながることがわかります。

Hacobuが提供している MOVO Berth は、荷待ちが発生していない物流拠点でも広く使われており、シェアNo.1(※1)バース予約システムです。

受付機能のみの利用も可能

「運送会社やドライバーに予約をしてもらう運用は自社にはハードルが高い」というお悩みに対して、受付機能のみの利用も可能です。まずは時間の把握から始めたい方に最適です。

作業効率化に適したシステム画面

バース表によるリアルタイムの情報共有や、ダッシュボードによる問題点の可視化など、物流拠点が更に効率化できるよう、考え抜かれたシステムを提供しています。

MOVO Berthの詳細については、以下資料をご確認ください。

※1 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所『スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2023年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/02960/ バース管理システム市場の売上高および拠点数におけるシェア

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