更新日 2026.10.10

自動運転トラックとは?実用化はいつか、2030年に向けて物流側が準備すべきことを解説

自動運転トラックとは?実用化はいつか、2030年に向けて物流側が準備すべきことを解説

自動運転トラックとは、ドライバーの操作を前提とせず、車両がセンサーとAIによって周囲を認識し、加減速や操舵を自動で行うトラックのことです。2026年時点では高速道路を中心にレベル2(運転者が乗車したうえでの運転支援)での幹線輸送が実際に始まっており、2027年度以降にはドライバーが運転席に座らないレベル4での事業化が視野に入っています。

一方で、自動運転トラックが走り始めることと、物流全体が省人化されることは同じではありません。トラックドライバーは荷物を運ぶだけでなく、納品先での受付、伝票の受け渡し、到着や作業完了の連絡といった「情報をつなぐ役割」も担っているためです。車両だけが無人になっても、この情報のやり取りが紙・電話・FAXのままであれば、結局そこに人が必要になります。

本記事では、自動運転トラックの基本と2026年時点の実用化の現在地を整理したうえで、2030年に向けて荷主企業や物流会社が今から何を準備すべきかを、物流DXパートナーのHacobuが解説します。

自動運転トラックとは

自動運転トラックとは、カメラ・レーダ・LiDARなどのセンサーで周囲の状況を認識し、AIと電子制御システムが判断して走行するトラックを指します。乗用車の自動運転と技術的な基盤は共通していますが、車両が大きく制動距離が長いこと、積載物の重量によって挙動が変わること、そして走行の目的が「人の移動」ではなく「貨物の輸送」であることから、求められる要件も普及の道筋も乗用車とは異なります。

自動運転レベル0〜5の定義と、トラックで論点になるレベル

自動運転の水準は、運転操作と監視の責任が人と機械のどちらにあるかによって、レベル0からレベル5までの6段階で整理されています。レベル0は運転支援のない状態、レベル1は自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールのような単一機能の支援、レベル2はハンドル操作と加減速を同時に支援する状態を指します。ここまでは運転の主体はあくまで人であり、ドライバーは常に周囲を監視する義務を負います。

レベル3以上になると、責任の所在が機械側に移ります。レベル3は特定の条件下でシステムが運転を担い、システムから要請があったときだけ人が対応する段階です。レベル4は限定された領域(高速道路など)においてシステムが運転のすべてを担い、人の介入を前提としない段階、レベル5は場所を問わず完全に自動で走行する段階を指します。

トラックの文脈で実務的な論点になるのは、レベル2とレベル4です。レベル2はすでに商用輸送で使われ始めている一方、人件費の構造そのものを変えるのはレベル4です。運転席に人が座る必要がなくなって初めて、輸送コストの計算式が変わるためです。

図1:運転の主体が人からシステムに移るレベル3以上のうち、トラックで論点になるのはレベル4です。

「自動運転」と「無人運転」は別の概念である

議論が混乱しやすいのが、「自動運転」と「無人運転」が同じ意味で使われてしまう点です。レベル2の自動運転トラックには運転者が乗車しており、システムの動作を監視しています。これは走行が自動化されているだけで、人がいなくなったわけではありません。

これに対して無人運転(ドライバーアウト)は、運転席に人がいない状態を指します。物流事業者にとって経済的な意味を持つのは後者であり、自動運転車が公道を走ったというニュースを見たときには、それがレベル2の「人が乗った自動運転」なのか、レベル4の「人が乗らない無人運転」なのかを区別して読む必要があります。

自動運転トラックが幹線輸送から始まる理由

自動運転トラックは、高速道路を使った長距離の幹線輸送から普及すると見られています。高速道路は歩行者や自転車が存在せず、対向車線と分離され、進行方向も速度域も比較的そろっているため、システムが判断すべき状況の種類が限られるからです。加えて、幹線輸送は同じ区間を反復して走る形態が多く、走行データを蓄積しやすいという事情もあります。

反対に、市街地の配送や店舗・住宅への納品は、駐車位置の判断、荷物の手渡し、置き配の可否といった判断が連続するため、当面は人の手が必要な領域として残ると考えられています。関連する論点はラストワンマイルの記事でも整理しています。

自動運転トラックの実用化はいつか

自動運転トラックの実用化は、「まだ先の話」と「もう始まっている話」が混ざっています。2026年時点では、運転者が乗車するレベル2による長距離輸送はすでに商用の形で走っており、人が乗らないレベル4については2027年度以降の事業化と、2030年前後の本格展開が目標として掲げられている、という整理になります。

2026年時点ですでに起きていること

自動運転トラックの開発・運行を手がける株式会社T2は、2026年6月15日の発表で、東名高速道路の綾瀬スマートICから中国自動車道の西宮北ICまで、関東と関西を結ぶおよそ500kmの区間を、レベル2の自動運転トラックで完全走破したことを公表しています。同社は同年5月に、自動運転のまま高速道路の料金所を通行することにも成功しており、これは国内で初めての事例とされています(出典:株式会社T2プレスリリース、2026年6月15日)。

500kmという距離は、幹線輸送の主要区間をほぼカバーする長さです。つまり技術的な実証は「できるかどうか」の段階を越え、「どこまで安定して繰り返せるか」「どこでイレギュラーが起きるか」を確かめる段階に入っています。

国が掲げる目標と、実証の現在地

政策面では、高速道路におけるレベル4自動運転トラックの社会実装が明確な目標として掲げられています。自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト「RoAD to the L4」では、後続車無人隊列走行の実証で得られた成果を活用しながら、大型車の特性を踏まえた外部インフラ支援システムや、複数台のレベル4自動運転トラックを同時に扱う運行監視・運行管理システムの整備が進められています。

実証の舞台となっているのが新東名高速道路の駿河湾沼津サービスエリアから浜松サービスエリアまでの区間で、自動発着システム、緊急停止能力、先読み情報支援、遠隔監視といった機能が個別に検証されてきました(出典:RoAD to the L4 プロジェクト公表資料)。

ここで押さえておきたいのは、レベル4の実現を阻んでいるのが法律そのものではないという点です。一般道の走行を明確に禁じる規定があるわけではなく、所管官庁への申請と安全性の証明が通れば走行は可能になります。残る課題は、安全であることを技術的にどう証明するかという点にあります。

2030年時点の現実的な規模感

もっとも、レベル4が事業化されたからといって、翌年から街中の大型トラックが一斉に無人になるわけではありません。自動運転トラック側の事業者からは、2029年ごろに大手企業が先行ユーザーとして試行を始め、2029年から2031年にかけて有人と無人を組み合わせた運用の試行錯誤が続き、2030年前後に走っている台数は100台程度の規模になるのではないか、という見方が示されました。これは確定した計画ではなく事業者の見立てですが、普及の初期段階がどのようなものかを考えるうえでは有用な目安になります。

日本全国で営業用トラックが100万台規模で稼働していることを踏まえると、2030年の自動運転トラックは「一部の限られた区間で、限られた荷物を運ぶ新しい選択肢」という位置づけにとどまる可能性が高いと言えます。

図2:自動運転トラックの実用化は段階的に進み、2030年前後は普及の入り口にあたります。

なぜ自動運転トラックが必要とされるのか

自動運転トラックへの期待が高まっている最大の理由は、日本の輸送力が構造的に足りなくなるという見通しにあります。技術の目新しさではなく、運ぶ手段が不足するという現実的な制約が、自動化を後押ししています。

2030年度に最大約25%の輸送力不足が生じうるという推計

2030年度のトラック輸送の需給ギャップは、当初約34%と見込まれていました。このうち約14%は、物流の2024年問題に対応するための官民の取り組みなどによっておおむね克服できたとされています(輸送需要も約12%減少)。一方で、足元の経済動向や物流需要の変化を踏まえて輸送力の見通しを再検証した結果、2030年度には平均で約7%、最大で約25%(1.7億トン〜7.2億トン)の輸送力不足が生じうると試算されています(出典:国土交通省「2030年度に想定される輸送力不足への対応方針」)。

当初の見込みより縮小したとはいえ、2030年は目前に迫っており、国も最大25%程度の不足が生じる可能性を前提に現行の「総合物流施策大綱」の施策を組み立てています。配車の工夫や積載率の改善に加えて、輸送の担い手そのものを補う手段として、自動運転トラックが検討される背景がここにあります。労働時間規制の全体像については運送業の2024年問題の記事で詳しく解説しています。

図3:2030年度の輸送力不足は当初見込みから縮小したものの、最大約25%に達しうると試算されています。

自動運転トラックに期待される効果

自動運転トラックが実用化されたときに期待される効果は、大きく3つに整理できます。1つ目はドライバー不足の緩和で、とくに長距離・長時間の拘束が敬遠されがちな幹線輸送を機械に任せられれば、限られた人材を短距離や付帯作業の多い業務に振り向けられます。2つ目は安全性の向上で、疲労や漫然運転に起因する事故要因を減らせる可能性があります。3つ目は稼働時間の拡大で、休憩や拘束時間の制約を受けずに運行できれば、同じ車両でより多くの輸送を担えるようになります。

ただし、これらはいずれも「車両が無人で走れるようになったとき」に初めて実現する効果です。人が運転席に座っている限り、人件費も労働時間規制も従来どおり発生します。

自動運転トラックが普及しても、物流は無人にならない

ここからが本記事の中心となる論点です。自動運転トラックの議論は「車をどう無人化するか」に集中しがちですが、物流の現場を見ると、車が無人になっただけでは輸送は完結しません。

ドライバーは「運ぶ人」であると同時に「情報をつなぐ人」である

現在のトラックドライバーの業務を分解すると、運転そのものは全体の一部にすぎません。納品先に到着すれば、守衛所や受付で到着を告げ、指定されたバースに着け、伝票を渡してサインをもらい、検品に立ち会い、作業が終われば運行管理者や荷主に完了を連絡します。荷物の状態に異常があれば、その場で判断して関係者に伝えるのもドライバーの役割です。

つまりドライバーは、車両を動かす作業者であると同時に、荷主・物流会社・物流拠点のあいだで情報を橋渡しする役割を兼ねています。この二重の役割のうち、自動運転が代替できるのは前者だけです。後者を機械に引き継がせるには、受け渡される情報そのものがデジタルになっていなければなりません。

荷待ち・荷役等の2時間2分は、車の自動化では消えない

この構造は数字にも表れています。国土交通省が2026年7月に公表した調査結果によれば、トラックドライバーの1運行あたりの平均拘束時間は10時間13分であり、そのうち荷待ち・荷役等に費やされた時間は2時間2分でした。前回調査の3時間18分からは1時間16分短縮しており、2025年4月に施行された改正物流効率化法によって荷主・物流事業者に荷待ち・荷役等時間の短縮が努力義務として課されたことが、短縮の要因として挙げられています(出典:国土交通省「トラックドライバーの1運行当たりの平均拘束時間に関する調査結果」2026年7月公表)。

注目すべきは、この2時間2分が「走っていない時間」だという点です。自動運転は走行時間を人から機械に移す技術であり、拠点で発生している2時間2分には直接効きません。仮に走行が完全に無人化されても、この時間が残っていれば、輸送1件あたりのリードタイムも拠点の混雑も大きくは変わらないことになります。荷待ちの発生構造についてはトラックの荷待ち時間の記事で詳しく解説しています。

図4:1運行の拘束時間のうち、荷待ち・荷役等の2時間2分は走行の自動化では短縮できません。

無人トラックが物流拠点に到着したとき、何が起きるか

具体的に想像してみます。レベル4の無人トラックが、荷主企業の物流センターに到着したとします。運転席には誰もいません。ここで、受付が紙の記帳式であれば、記帳する人がいません。バースの割り当てが構内の誘導員による口頭指示であれば、指示を受ける相手がいません。納品伝票が紙でサインを求める運用であれば、サインをする人がいません。到着連絡が電話であれば、電話をかける人がいません。

結果として、拠点側が人を出して対応するか、あるいは自動運転事業者が遠隔地から人を派遣するかのどちらかになります。どちらを選んでも、無人化で削減したはずのコストが別の場所で発生します。車両の無人化が経済的な意味を持つのは、受け入れる側の拠点が「人を介さずに情報を受け取り、返せる」状態になっているときだけです。

図5:拠点の受け入れ手順がアナログのままでは、無人トラックが到着しても人の対応が必要になります。

本当のボトルネックは、法律ではなく経済合理性と情報のアナログさ

自動運転トラックの普及を左右する最大の条件は、法規制ではなく経済合理性です。自動運転による輸送が、有人のトラックより安くなるかどうかという点です。車両そのものの価格、遠隔監視を担う人員の人件費、高速道路を降りた先の一般道を走れるかどうかが、この損益分岐点を大きく左右します。高速道路の区間だけ無人化できても、インターチェンジから拠点までを人が運ばなければならないのであれば、削減効果は限定的になります。

そしてもう一つのボトルネックが、拠点側の情報がアナログのままであることです。これは自動運転に限った話ではありません。AIの活用も同じ構造を持っており、現場の情報が紙と電話にとどまっている限り、AIは判断の材料を受け取れません。自動運転もAIも、デジタル化された情報の上でしか動けないという点で共通しています。

2030年に向けて、物流側が今から準備すべき3つのこと

自動運転技術の側が先に進み、「技術的には使えるのに、物流現場が受け入れられない」という状態が生まれる可能性があります。この事態を避けるために、荷主企業と物流会社が今から着手できることを3つに整理します。

図6:自動運転やAIを活用するには、デジタル化・データ蓄積・外部連携の3つの基盤が前提になります。

①拠点の受け入れ情報をデジタル化する

最初に取り組むべきは、物流拠点での受け入れ手順をデジタルに置き換えることです。到着予定の共有、受付、バースの割り当て、作業完了の通知といった一連のやり取りを、紙と電話からシステム上に移します。これは自動運転のための準備であると同時に、現在発生している荷待ち時間を短縮する施策でもあるため、効果が出るまで2030年を待つ必要がありません。

無人トラックが到着したときに、システムが車両を認識し、バースを割り当て、作業の完了を記録できる状態になっていれば、受け入れ側が新たに人を配置する必要はなくなります。逆に言えば、この部分をデジタル化していない拠点は、自動運転トラックの受け入れ先として選ばれにくくなります。

②運行と荷物の実績データを蓄積する

2つ目は、日々の運行と荷物に関する実績データを、後から使える形で蓄積しておくことです。どの区間を、どの時間帯に、どれだけの量を、どれくらいの時間で運んでいるのか。この記録がなければ、そもそもどの輸送を自動運転に切り出せるのかを判断できません。

自動運転トラックへの移行は、全社の輸送を一度に置き換える形では進みません。幹線に切り出せる荷物、区間、時間帯を特定し、そこから順に置き換えていくことになります。この特定作業に必要なのは、勘や経験ではなく実績データです。データは蓄積した年数だけ厚くなるため、着手が遅い企業ほど判断の精度で差がつきます。AI活用についても同じことが言え、学習に使えるデータを持たない企業は、AIが実用段階に入ってからも動けません。

③外部の自動運転事業者とつながる前提で設計する

3つ目は、自社のシステムを閉じたものとして設計しないことです。自動運転トラックは、自社で車両を保有して運行する形だけでなく、自動運転システムを提供する事業者や、自動運転前提で輸送サービスを運営する事業者を組み合わせて利用する形が想定されています。この場合、輸送の指示や到着情報は、社外の事業者とのあいだでやり取りされることになります。

したがって、拠点の予約情報や運行の実績が自社システムの内側だけで完結していると、外部の事業者とつなぐ段階で作り直しが発生します。荷主・物流会社・物流拠点・輸送の担い手が、それぞれのシステムをまたいで情報を受け渡せる構造を前提に設計しておくことが、2030年以降の選択肢を広げます。物流DXの進め方についてはデジタルトランスフォーメーションの記事もあわせてご覧ください。

2040年の物流はどう変わるのか

もう少し先を見ると、自動運転トラックは物流の構造そのものを変える可能性があります。2040年ごろには、自動運転に加えて生成AIやロボットの実用化も進み、人が直接関与しない物流の比率がかなり高まっていると考えられます。

幹線は機械、ラストマイルは人という役割分担

有力な見方は、長距離の幹線輸送は機械が担い、個別の事情に対応する必要があるラストマイルは人が担うという役割分担です。ラストマイルには、納品先ごとに異なる受け渡しのルールや、その場での判断が求められる場面が多く、技術面でもサービス面でも人が必要な期間が幹線よりさらに10年から15年程度長く続くという見立てが示されています。ハブ&スポーク型の物流構造そのものは、当面残ると考えられます。

変数となるのがヒューマノイドロボットの実用化です。人間が使うことを前提に設計された既存の物流施設を、ロボットがそのまま使えるのであれば、機械向けの設備投資は最小限で済みます。反対に使えないのであれば、施設側を機械に合わせて作り替える大規模な投資が必要になります。この見通しの違いが、今後の投資判断を大きく分けます。

資本力の勝負になる一方で、残る物流会社の価値

機械化が進むほど、設備投資ができる企業が優位になります。人件費の上昇が続けば、10年前には成立していた「人に任せたほうが安い」という前提は崩れ、投資余力のある大手・中堅への集約が進む可能性があります。一方で、資産を保有する会社と運用する会社を分ける「上下分離」のような形態が広がり、資本力のない事業者が運用側で生き残る道も想定されます。

そのうえで残る物流会社の価値は、物流全体を設計する力と、複数の機械やシステムを組み合わせて安定的に運用するノウハウです。自動運転トラック、倉庫内のロボット、AIによる計画立案といった要素は、単体では機能しません。これらを実際の荷物の流れに合わせて組み上げ、異常が起きたときに立て直せることが、機械では置き換えにくい価値として残ります。

自動運転時代の物流基盤づくりならHacobu

Hacobuは、物流情報プラットフォーム「MOVO(ムーボ)」を通じて、荷主企業と物流事業者の現場情報をデジタル化する取り組みを進めてきました。トラック予約受付サービス「MOVO Berth」では、拠点への到着予定と受付、バースの割り当てをシステム上で管理でき、紙の記帳や構内での口頭指示に依存しない受け入れ体制を構築できます。MOVO Berthの利用にともなって発行されたトラックドライバーの累計IDは80万を突破しています。

動態管理サービス「MOVO Fleet」では車両の走行実績を、配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」では輸送の依頼と実績を、それぞれデータとして蓄積できます。これらは日々の業務改善に効くだけでなく、将来どの輸送を自動運転に切り出せるかを判断するための材料にもなります。

Hacobuが目指しているのは、蓄積したデータを人が見て判断する段階から、AIが意思決定を支援する段階へ進む「AIドリブンロジスティクス」の実現です。自動運転トラックもまた、この世界を構成する要素の一つです。物流全体がデジタルでつながり、その上でAIや自動運転が動ける基盤をつくることが、Hacobuの役割だと考えています。

自動運転トラックに関するよくある質問

トラックの自動運転はいつから実用化されますか

運転者が乗車するレベル2による幹線輸送はすでに商用で始まっています。運転席に人が座らないレベル4については、2027年度以降の事業化を目標に掲げる事業者があり、政策面でも高速道路でのレベル4自動運転トラックの社会実装が目標とされています。ただし2030年時点で走行している台数は100台程度の規模にとどまるという見方もあり、本格的な普及にはさらに時間がかかると見るのが現実的です。

自動運転トラックを開発している企業はどこですか

国内では、自動運転トラックによる幹線輸送事業を手がける事業者、物流会社向けに自動運転システムを開発・提供する事業者、車両メーカーとして自動運転トラックの量産を目指す事業者などが取り組みを進めています。海外でも複数の企業が開発を進めており、事業モデルは「自社で輸送も行う」型と「技術だけを提供する」型に大きく分かれます。

自動運転トラックのレベル4とは何ですか

レベル4とは、高速道路などの限定された領域において、システムが運転操作のすべてを担い、人の介入を前提としない段階を指します。レベル2との最大の違いは、運転席に人が乗る必要がなくなる点にあり、輸送コストの構造が変わるのはこの段階からです。

自動運転トラックが普及すると、ドライバーの仕事はなくなりますか

長距離の幹線輸送については、機械に置き換わっていく可能性が高いと考えられます。一方でラストマイルの配送や、納品先ごとの個別対応が必要な業務は、当面人が担い続けると見られています。また現在のドライバーは、納品先での受付や伝票のやり取りといった情報連携の役割も担っており、この部分がデジタル化されない限り、車両が無人になっても人の手は必要になります。

自動運転トラックは有人のトラックより安くなりますか

これが普及の最大の分かれ目です。車両価格、遠隔監視にかかる人件費、高速道路を降りた先の一般道を走行できるかどうかが、損益分岐点を左右します。あわせて、受け入れ側の拠点が人を配置せずに無人トラックを処理できるかどうかも、実質的なコストに影響します。

まとめ

自動運転トラックは、2026年時点でレベル2による長距離輸送がすでに商用で始まり、2027年度以降のレベル4事業化が視野に入る段階まで来ています。2030年度に最大約25%の輸送力不足が生じうるという国の試算を踏まえれば、自動化は避けて通れない選択肢です。

ただし、車両が無人になることと、物流が無人になることは別の話です。ドライバーが担ってきた情報連携の役割が紙と電話のまま残っていれば、無人トラックが到着した拠点に結局人が必要になり、無人化の経済効果は失われます。国土交通省の調査が示す荷待ち・荷役等の2時間2分は、走行の自動化では消えません。

2030年に向けて物流側が取り組むべきは、拠点の受け入れ情報をデジタル化すること、運行と荷物の実績データを蓄積すること、そして外部の事業者とつながる前提でシステムを設計することの3点です。いずれも自動運転を待たずに効果が出る施策であり、着手が早いほどデータの厚みで差がつきます。自動運転もAIも、つながった物流の上でしか動けません。

著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuが運営し、物流の基礎知識や法律を分かりやすく解説するメディア「ハコブログ」編集長。マーケティング支援会社にて従事していた際、自身の長時間労働と妊娠中の実姉の過労死を経験。非生産的で不毛な働き方を撲滅すべく、とあるフレキシブルオフィスに転職し、ワークプレイスやハイブリッドワークがもたらす労働生産性の向上を啓蒙。一部の業種・職種で労働生産性の向上に貢献するも、物流領域においてトラックドライバーの荷待ち問題や庫内作業者の生産性向上に課題があることを痛感し、物流領域における生産性向上に貢献すべく株式会社Hacobuに参画。

クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る

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