チャーター便とは?料金の決まり方と目安、手配の流れを解説
チャーター便とは、トラック1台を貸し切りで使う輸送方法です。他社の荷物と混載せず、指定した発地から着地まで運ぶため、大口貨物や時間指定のある輸送に適しています。
一方で、チャーター便の料金は、宅配便のように荷物1個ごとの一律料金ではありません。車両サイズ、走行距離、ドライバーの拘束時間、荷役や待機の有無などで変わります。実際に手配するには、料金表の数字だけでなく、見積条件をそろえて運送会社に伝えることが重要です。
本記事では、チャーター便の仕組み、料金相場の考え方、メリットとデメリット、手配の流れを荷主の立場から解説します。料金については、国土交通省が令和6年3月22日に告示した「標準的な運賃」の関東運輸局・距離制運賃をもとに、車両サイズ・距離別の試算額を示します。
なお、Hacobuでは、配送の計画・依頼・実行・請求・分析を一気通貫で扱える配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」を提供しています。電話やメール、Excelに分散しがちなチャーター便の依頼や発注のやり取りを、システム上でまとめて管理できます。詳しくは以下より概要資料をダウンロードしてご覧ください。
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チャーター便とは
チャーター便は、荷主がトラックの荷台を1台単位で確保し、指定した条件で貨物を運ぶ輸送方法です。料金は荷物の個数よりも、使用する車両、距離、時間を中心に決まります。
トラックを1台貸し切りで使う仕組み
チャーター便では、原則として1台のトラックに1荷主の貨物を積み、集荷先から納品先へ輸送します。ほかの荷主の貨物を途中で積み合わせたり、方面別の拠点で積み替えたりする工程が少ないため、輸送条件を個別に設計しやすい点が特徴です。
たとえば、工場から取引先の物流センターへ10パレットを運ぶ場合、必要な車格のトラックを確保し、集荷時刻、納品時刻、荷役方法などを運送会社とすり合わせます。車両を貸し切るため、荷物の量が荷台の上限以内であれば、個数が多少増えても運賃が単純に個数分だけ増えるとは限りません。
また、集荷後は指定先へ直行する運行を組みやすく、積み替え回数も抑えられます。ただし、複数箇所での集荷・納品や途中立ち寄りを依頼する場合は、追加の走行距離や拘束時間が料金に反映されます。
「チャーターする」の意味
物流で「チャーターする」とは、特定の輸送のために車両と運行を専用で確保することを指します。「2t車を1台チャーターする」「繁忙期だけ週3便をチャーターする」といった使い方が一般的です。
単に荷台の空間を借りるだけではなく、ドライバーの稼働時間や、出庫から帰庫までの運行も含めて手配する点が重要です。見積を比較するときは、車両代だけを見るのではなく、待機時間料、荷役作業料、高速道路利用料、燃料サーチャージなどの条件も確認する必要があります。

どんな荷物・場面で使われるか
チャーター便は、車両を1台単位で確保する必要がある貨物や、輸送条件を細かく指定したい場面に向いています。代表的な用途は次のとおりです。
- パレット単位、ケース単位など物量の多い貨物
- 振動や積み替えを避けたい精密機器、設備、什器
- 納品時刻や工事時刻が決まっている貨物
- 展示会、イベント、店舗開店など日程変更が難しい貨物
- 工場間輸送や拠点間輸送などの定期便
- 守秘性や管理条件を重視する貨物
荷物が少量の場合は、車両1台分の費用を負担するチャーター便が割高になることがあります。輸送方法の選び方は路線便とチャーター便の違いで詳しく解説しています。
チャーター便の料金はどう決まるか
チャーター便の料金は、主に車両サイズ、走行距離、拘束時間で決まります。さらに、待機、荷役、時間指定、高速道路利用、繁忙期などの条件が加算要因になります。

料金を決める3つの要素(車両サイズ・距離・時間)
チャーター便の基本料金を左右する3要素は、車両サイズ、走行距離、ドライバーの拘束時間です。見積条件を同じにしなければ、複数社の金額を正しく比較できません。
1. 車両サイズ
2tクラス、4tクラス、10tクラスなど、車格が大きくなるほど車両費、燃料費、維持費が上がり、運賃も高くなる傾向があります。荷物の重量だけでなく、容積、荷姿、長尺物の有無、積み重ねの可否まで確認し、過不足のない車格を選ぶことが重要です。
2. 走行距離
発地から着地までの実車距離が長いほど運賃は上がります。国土交通省の「標準的な運賃」には、キロ程に応じて算出する距離制運賃が示されています。複数の集荷先や納品先に立ち寄る場合は、総走行距離が増える点にも注意が必要です。
3. 拘束時間
走行距離が短くても、荷待ちや荷役でドライバーの拘束が長ければ費用は上がります。時間制運賃では、基礎作業時間と基礎走行キロを超えた分を加算する考え方が示されています。短距離で立ち寄り先が多い配送や、荷役時間が読みにくい案件では、距離だけで料金を判断できません。
国土交通省が令和6年3月22日に告示した「標準的な運賃」は、運送事業者が法令を守り、持続的に事業を運営するために必要な原価と適正な利潤を考慮した参考指標です。実際の契約額を一律に定める価格表ではありませんが、荷主が見積根拠を理解する際にも役立ちます。詳しくは標準的な運賃とはをご覧ください。
車両サイズ別の料金の目安
国土交通省の「標準的な運賃」(関東運輸局・距離制運賃)で試算すると、2tクラスで50kmなら2万3,480円、4tクラスで200kmなら6万360円、10tクラスで500kmなら16万7,860円です。これは実勢相場ではなく、運送事業者が法令を守って事業を続けるために必要な原価と利潤をもとにした参考指標です。地域や時期、荷役条件によって実際の見積額は変わります。
| 車両サイズ | 積載量の目安 | 50km | 200km | 500km |
|---|---|---|---|---|
| 2tクラス | 約2t | 2万3,480円 | 5万2,300円 | 10万9,750円 |
| 4tクラス | 約4t | 2万7,130円 | 6万360円 | 12万6,060円 |
| 10tクラス | 約10t | 3万5,250円 | 8万110円 | 16万7,860円 |
※出典:国土交通省「一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃」(令和6年国土交通省告示第209号)の関東運輸局・距離制運賃表をもとに作成(2026年10月参照)。500kmは、200kmの基準額に20kmごとの加算額を15回加えて算出しています。ドライバン型の一般貨物車、発着各1箇所、通常期、日中の運行を想定しています。消費税、待機時間料、積込料・取卸料、附帯業務料、高速道路利用料、フェリー利用料、燃料サーチャージ、休日・深夜早朝・特殊車両の割増は含みません。
表の金額は関東運輸局の基準額です。標準的な運賃の運賃表は全国10の運輸局ブロックごとに定められており、同じ車格・距離でも地域によって金額が異なります。
料金表は見積の出発点であり、最終金額ではありません。特に長距離では、高速道路利用料、燃料サーチャージ、復路の車両確保状況などによって差が出やすいため、総額と内訳を確認しましょう。
なお、2025年6月に公布された改正貨物自動車運送事業法など(トラック適正化二法)により、運送事業者が下回ってはならない「適正原価」が新たに定められる予定です。適正原価を下回る運賃での運送を禁じる仕組みは公布から3年以内に導入され、適正原価は2028年ごろに告示される見込みです。今後、運賃の考え方そのものが変わる可能性がある点にも注意しましょう。詳しくは適正原価とはで解説しています。
料金が上がる4つの要因
チャーター便の料金は、基本運賃に加えて、待機時間、荷役、厳しい時間指定、片道輸送などで上がります。追加費用が発生する条件を見積前に明確にすると、請求時の認識差を防げます。
待機時間
指定時刻に到着しても、バースが空かない、荷物の準備が終わっていないといった理由で待機が発生すると、待機時間料が加算される場合があります。令和6年告示の標準的な運賃では、荷主の責任で30分を超える待機が生じた場合、30分までごとの料金が車格別に示されています。待機の定義や料金は荷待ち時間とはで確認できます。
手積み・手降ろし
ドライバーが荷物を手作業で積み降ろす場合や、フォークリフト、トラック搭載型クレーンを使う場合は、運賃とは別に積込料・取卸料が発生します。荷役を誰が担当するか、必要な機材を誰が用意するかを事前に決めておく必要があります。
厳しい時間指定
早朝・深夜、休日、短いリードタイムでの依頼は、通常より車両を確保しにくくなります。国土交通省の標準的な運賃では、休日割増や深夜・早朝割増のほか、短いリードタイムに対する速達割増の考え方も示されています。
帰り荷がない片道輸送
運送会社は納品後に復路の貨物を確保できなければ、空車で車庫へ戻るコストを負担します。帰り荷を見つけにくい地域や時間帯への輸送は、往復の走行や拘束を踏まえた見積になりやすく、片道の距離だけでは説明できない料金差が生じます。
料金を抑えるために荷主側ができること
チャーター便の料金を抑えるには、車格の適正化、早めの手配、納品条件の柔軟化、帰り荷との組み合わせが有効です。単価だけを下げるのではなく、運送会社が効率よく運行できる条件をつくることが重要です。
まず、重量と容積を正確に把握し、必要以上に大きい車両を手配しないようにします。荷物の積み重ね可否やパレット寸法が分かれば、同じ車両に積める量を増やし、積載率を高められる可能性があります。積載率の考え方は積載率とはで解説しています。
次に、直前依頼を避け、出荷予定が見えた段階で運送会社へ相談します。複数の運行候補日や時間帯を示すと、運送会社は既存の運行や帰り荷と組み合わせやすくなります。午前必着を午後着に変えるなど、納品条件に余地を持たせる方法も有効です。
物量が車両1台分に満たない場合は、社内の別部門や別拠点の貨物を集約する共同輸配送も検討できます。ただし、集荷箇所や納品箇所を増やすと拘束時間が延びるため、積載率の向上と追加作業のバランスを見て判断しましょう。

チャーター便のメリットとデメリット
チャーター便の主なメリットは、荷傷みのリスクを抑えやすく、時間を管理しやすく、直行輸送を組みやすいことです。一方、小口貨物では割高になり、繁忙期は車両を確保しにくい点がデメリットです。
メリット
荷傷みのリスクを抑えやすい
チャーター便は、ほかの荷主の貨物との混載や中継拠点での積み替えを減らせます。荷物に触れる回数が少なくなるため、精密機器、什器、壊れやすい製品などの荷傷みリスクを抑えやすくなります。養生方法や荷締め方法も個別に指定できます。
集荷・納品時刻を管理しやすい
車両を専用で使うため、工場の出荷時刻や納品先の受入時間に合わせて運行を設計できます。生産ラインへの部品供給、店舗の開店準備、イベント搬入など、遅延の影響が大きい輸送に向いています。ただし、道路状況や天候による遅延を完全に防げるわけではないため、余裕を持った計画が必要です。
直行輸送でリードタイムを短縮しやすい
集荷先から納品先へ直行する運行では、中継拠点での仕分けや積み替えがありません。集荷後のリードタイムを短縮しやすく、緊急品や納期の厳しい貨物にも対応しやすい輸送方法です。
チャーター便は、品質、時間、スピードを個別に設計できる点に価値があります。最安の輸送方法を探すのではなく、破損や遅延が事業に与える影響まで含めて選ぶことが重要です。
デメリット
小口貨物では割高になりやすい
チャーター便は、荷台に空きが残っても基本的に車両1台分の費用がかかります。数箱だけの荷物や、納期に余裕がある荷物では、貸し切るメリットよりも費用負担が大きくなる可能性があります。定期的に少量を出荷している場合は、出荷日をまとめて1便当たりの物量を増やせないか検討しましょう。
繁忙期は車両を確保しにくい
年度末、連休前、年末、セール期など荷動きが集中する時期は、希望車格や希望時間の車両が埋まりやすくなります。繁忙期の直前依頼では、通常期より高い見積になることもあります。年間の出荷予定を運送会社と共有し、早めに枠を相談することが有効です。
条件整理と運行管理に手間がかかる
個別に運行を組める反面、発着地、日時、車格、荷役、連絡先などを案件ごとに調整する必要があります。依頼が電話、メール、FAX、Excelに分散すると、伝達漏れや二重手配、金額の取り違えが起こりやすくなります。
チャーター便を手配する流れ
チャーター便は、見積依頼、条件のすり合わせ、発注、当日の受け渡し、完了確認の5ステップで手配します。見積前に必要情報をそろえると、回答が早くなり、追加料金も防ぎやすくなります。

手配の5ステップ
- 見積を依頼する
発着地、希望日時、荷物情報、荷役条件、希望車両を運送会社へ伝えます。緊急案件であっても、最低限の条件をそろえることが正確な見積につながります。 - 輸送条件をすり合わせる
車格、集荷・納品時刻、使用する高速道路、待機時間料、荷役担当、緊急連絡先を確認します。積載できるか判断しにくい場合は、荷姿の写真や寸法表を共有します。 - 発注する
見積金額と条件に合意したら、書面またはシステムで発注します。運賃、料金、実費の内訳と、キャンセル条件も確認しておきましょう。 - 当日に貨物を受け渡す
出荷担当者は、車両番号やドライバー情報を確認し、荷物と伝票を引き渡します。積込後は荷締め、数量、破損の有無を確認します。納品先にも到着予定と荷役条件を共有します。 - 輸送完了を確認する
納品完了、受領数量、破損の有無、待機や追加作業の発生を確認します。請求書が届いたら、発注時の金額と実績を案件単位で照合します。
見積を依頼するときに伝える7つの情報
チャーター便の見積では、発着地、日時、荷姿、重量、容積、荷役の有無、希望車両の7項目を伝えます。情報が不足すると、車格変更や追加料金が発生する可能性があります。

- 発着地:郵便番号、住所、施設名、入場条件、複数立ち寄りの有無
- 日時:集荷希望日・時刻、納品希望日・時刻、時間指定の幅
- 荷姿:パレット、段ボール、フレコン、長尺物などの形状と個数
- 重量:1個当たりの重量と総重量
- 容積:縦・横・高さ、総容積、積み重ねの可否
- 荷役の有無:手積み・手降ろし、フォークリフトの利用、作業担当者
- 希望車両:2t・4t・10t、ウイング・平ボディ・冷凍冷蔵など
危険物、温度管理品、高額品、長尺物などは、7項目に加えて品目固有の条件を伝えます。物流施設への入場予約、指定伝票、検品、棚入れなどが必要な場合も、見積段階で共有してください。
手配が属人化している場合の問題
チャーター便の手配が担当者の電話、メール、Excelに依存すると、依頼条件や運賃の履歴が分散します。担当者が不在のときに進捗が分からない、過去の適正単価を比較できない、発注額と請求額の照合に時間がかかるといった問題が起こります。
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チャーター便についてよくある質問
チャーター便とは何ですか?
チャーター便とは、特定の荷主がトラック1台を貸し切り、指定した発地から着地へ貨物を運ぶ輸送方法です。ほかの荷主の貨物と混載せず、集荷・納品時刻や荷役条件を個別に設定しやすいため、大口貨物、精密機器、時間指定のある輸送などに適しています。
チャーター便の料金はいくらくらいが目安ですか?
国土交通省が令和6年3月22日に告示した「標準的な運賃」(関東運輸局・距離制運賃)で試算すると、50km・200km・500kmの運行で、2tクラスは2万3,480〜10万9,750円、4tクラスは2万7,130〜12万6,060円、10tクラスは3万5,250〜16万7,860円です(消費税、各種料金、実費を除く)。
実際の見積には、走行距離、拘束時間、待機、荷役、高速道路利用料、燃料サーチャージ、休日・深夜早朝などの条件が反映されます。車両サイズ別・距離別の前提は、上の「車両サイズ別の料金の目安」の表を確認してください。
「チャーターする」とはどういう意味ですか?
物流で「チャーターする」とは、特定の輸送のために車両と運行を専用で確保することです。荷台の空間だけでなく、ドライバーの稼働や運行時間も含めて手配します。たとえば「4t車を1台チャーターする」は、4tクラスの車両を指定した日時と区間の輸送に専用で使うことを意味します。
チャーター便はどんな荷物に向いていますか?
チャーター便は、パレット単位の大口貨物、積み替えを避けたい精密機器、納品時刻が決まっている部品、展示会や店舗開店に合わせて運ぶ什器などに向いています。小口で納期に余裕がある荷物は、別の輸送方法が向く場合があります。詳しくは路線便とチャーター便の違いをご覧ください。
まとめ
チャーター便とは、トラック1台を貸し切り、指定した条件で貨物を運ぶ輸送方法です。大口貨物、精密機器、時間指定のある輸送に適し、積み替えを減らして直行輸送を組みやすい利点があります。
料金は、車両サイズ、走行距離、拘束時間を基本に、待機、荷役、時間指定、高速道路利用料、燃料サーチャージなどを加えて決まります。標準的な運賃(関東運輸局)で試算すると、2tクラス・50kmで2万3,480円、4tクラス・200kmで6万360円、10tクラス・500kmで16万7,860円です。ただし実勢相場ではないため、料金表の前提と見積内訳の確認が欠かせません。
手配時は、発着地、日時、荷姿、重量、容積、荷役の有無、希望車両の7項目をそろえます。条件を正確に伝え、運賃・料金・実費を分けて確認することが、適切な車両選定と追加費用の防止につながります。
クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」のマーケティングを管掌し、荷主企業や物流事業者の業務デジタル化(DX)を推進。専門知識を活かし、ロジスティクス分野の専門誌への寄稿や、様々な業界団体での講演活動にも登壇。「最新ツールの普及」と「分かりやすい情報発信」の両面から、物流業界の課題解決に現場目線で取り組んでいる。 >>プロフィールを見る
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