COLUMN
- Hacobu
-
物流業務改善ならハコブログ
- COLUMN
- クラウドとは?意味や種類、特徴を具体例とあわせて解説
クラウドとは?意味や種類、特徴を具体例とあわせて解説
クラウド(クラウド・コンピューティング、クラウド・サービス)とは、インターネットなどのネットワーク経由でユーザーにサービスを提供する形態のことです。
ユーザーは必要に応じて、ネットワーク経由でサーバー、ストレージ、アプリケーションなどのリソースにアクセスし、利用することができます。本記事では、クラウドの基本的な意味や種類と解説するとともに、クラウドが利用されている具体例を物流DXパートナーのHacobuが解説します。
なお、物流DXツールのMOVOはこちらからサービスの詳細をご覧いただけます。
目次
クラウドとは
クラウドとは、インターネットを通じてコンピューティングリソースやサービスを提供する形態のことを指します。自社でサーバーやストレージを購入して会社の中に設置する必要がなく、インターネットに接続できる環境さえあれば、どこからでも必要な時に必要な分だけコンピューターの資源(計算能力、ストレージ、ソフトウェアなど)を利用できます。
クラウドの5つの特徴とは
NIST(アメリカ国立標準技術研究所)では、クラウドの定義として以下の5つの特徴を挙げています。
オンデマンド・セルフサービス
ユーザーは人を介することなく、必要な時に必要な分だけシステムリソースを利用できます。これにより、たとえばサービス開発時のスピードや柔軟性が向上し、障害対応や追加開発の際に便利です。
幅広いネットワークサービス
スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど、様々な端末から場所を問わずインターネットを通じてサービスにアクセスできます。標準的な接続方式を採用しているため、特別な設定なしで利用を開始できます。
リソースの共用
クラウドでは、複数のユーザーでシステムリソースを共有する仕組みを採用しています。これによってリソースの利用効率が最適化され、ユーザーはより安価にサービスを利用できることになります。
スピーディーな拡張性
利用状況に応じて、システムの規模を柔軟に拡大・縮小できます。ユーザーからは無制限にリソースを使えるように見えますが、実際は効率的なリソース配分が行われており、必要に応じて効率的にスケールアップやスケールダウンが可能です。
計測可能なサービス
システムの利用状況が自動的に計測され、監視・制御されます。これにより、ユーザーとサービス提供者の両方が、リソースの使用状況を確認できます。この機能により、適切な利用料金の算出や運用効率の改善が可能になります。
クラウドが生まれた背景
クラウドの歴史は、1960年代の「タイムシェアリング」という大型コンピューターの共有利用の概念に始まりましたが、本格的な発展は2000年代に入ってからでした。
クラウドの発展を後押しした主な要因は、インターネットの高速化と普及です。光回線の整備による大容量データの送受信、スマートフォンの普及によるユビキタスなネットワークアクセス、そしてWeb技術の進化により、クラウドの基盤が整いました。
また、ビジネス環境の変化も大きな要因となりました。企業のグローバル化によるシステムの24時間365日稼働の要求、急速な事業環境の変化への対応、そしてコスト削減への圧力が、クラウドの需要を高めました。技術面では、仮想化技術の進歩により、1台のサーバーで複数のシステムを効率的に運用できるようになったことが転換点となりました。
そして2006年にAmazonがAWSを開始したことが、クラウド市場の重要な転換点となりました。当初はECサイト運営用のインフラを外部開放するサービスでしたが、これが現代のクラウドサービスの標準モデルとなっています。
クラウドの種類
クラウドは、提供形態によって大きく以下の2つに分類されます。
パブリッククラウド
サービス提供者がユーザーを問わず、広くサービス提供しているクラウドです。一般的には、CPUやメモリ、ストレージなどのコンピューティングリソースを複数ユーザーで共有します。
プライベートクラウド
特定のユーザーが環境を占有して利用するクラウドです。ユーザー独自で環境を構築する場合と、サービス提供者が他のユーザーと隔離した占有環境を提供する場合があります。
上記の二種類を基本に現在は、パブリッククラウドとプライベートクラウドを連携した「ハイブリッドクラウド」や、複数のクラウドサービスプロバイダーの環境を利用する「マルチクラウド」などの利用形態も増えてきています。
クラウドのサービス利用形態
主にパブリッククラウドは、提供される機能の範囲によって主に3つの種類に分類されます。これらは必要に応じて、単独でも組み合わせても利用可能です。
SaaS(Software as a Service)
SaaSは、インターネットを通じてソフトウェアをサービスとして提供する形態です。物流領域においては、バース予約システムや動態管理システム、配車システム、倉庫管理システム(WMS)、などが代表的です。利用者は専用のソフトウェアをインストールすることなく、Webブラウザを通じてサービスを利用できます。
SaaSとは?意味やサービス内容、PaaS・IaaSとの違いをわかりやすく解説
物流領域で…
2025.01.07
PaaS(Platform as a Service)
PaaSは、アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームをサービスとして提供します。開発環境やデータベース、サーバー環境などが含まれ、利用者は独自のアプリケーション開発に専念できます。独自の業務アプリケーションを開発する際などに活用されます。
IaaS(Infrastructure as a Service)
IaaSは、サーバーやストレージなどのIT基盤をサービスとして提供します。利用者は必要に応じてリソースを調達し、OSからアプリケーションまで自由に構築できます。大規模な基幹システムや、セキュリティ要件の高いシステムの構築に利用されます。
GCP (Google Cloud Platform)、AWS (Amazon Web Services)、Microsoft AzureなどがIaaSに該当します。
クラウドのメリット
クラウドには以下のようなメリットがあります。
設備投資を抑えることができる
クラウドを利用することで、高価なサーバーやネットワーク機器を自社で購入・管理する必要がなくなります。これにより、初期投資を大幅に抑えることができます。また、必要に応じてリソースを増減できるため、無駄な投資を避けることができます。
アップデート・メンテナンスの負担を軽減できる
クラウドは、サービス提供者側がシステムの保守やアップデートを担当するため、ユーザーはこれらの作業を行う必要はありません。常に最新のセキュリティ対策が施された環境を利用でき、技術的な専門知識がなくても最新のシステムを活用できます。
場所を問わずに利用できる
インターネット接続があれば、どこからでもクラウドにアクセスできます。これにより、リモートワークが容易になり、業務の効率化や働き方の柔軟性向上につながります。また、複数の拠点や取引先とのデータ共有も簡単に行えます。
クラウドのデメリット
一方でクラウドにはデメリットもあり、これらに留意して利用する必要があります。
ランニングコストがかかる
クラウドは月額や年額で利用料金が発生します。データ量や利用者数が急激に増加した場合、予想以上に費用が膨らむことがあります。適切な料金プランの選択と利用状況の管理が重要です。
セキュリティ対策が必要
クラウドはインターネットを介して利用するため、データの漏洩や不正アクセスといったセキュリティリスクが存在します。サービス提供者のセキュリティポリシーを十分に理解し、自社のセキュリティ要件と合致しているか確認することが重要です。
カスタマイズが難しい可能性がある
汎用的なSaaSの場合、個別の要望に応じたカスタマイズが難しい場合があります。自社の既存の業務プロセスに完全に適合させることが困難な場合もあり、業務フローの見直しや運用方法の工夫が必要になることがあります。また、カスタマイズが可能な場合でも、追加コストが発生する可能性があります。
身近なクラウドの例
クラウドは、私たちの生活やビジネスに深く浸透しており、様々な場面で利用されています。ここでは、一番身近なSaaSの例をいくつかご紹介します。
クラウドストレージ
データをインターネット上に保存し、チーム内で共有できるサービスです。Dropbox、Google Drive、OneDriveなどが代表的で、パソコンやスマートフォン内のデータをクラウド上にバックアップしたり、複数のデバイス間でデータを同期したりすることができます。物流業務においては、配送伝票や納品書などの電子文書を保管・共有する際に活用できます。
スケジュール管理
Google CalendarやMicrosoft 365などのクラウド型スケジュール管理サービスは、チーム全体のスケジュールをリアルタイムで共有・調整できます。そのため、配送計画や倉庫作業のシフト管理に利用できます。
倉庫管理システム
在庫管理、入出荷管理、ピッキング指示など、倉庫内の業務全般を管理するシステムです。クラウド型倉庫管理システム(WMS)は、複数の倉庫の在庫状況を一元管理したり、ECサイトと連携して受注情報を自動取得できるものもあります。
トラック予約受付サービス
工場や倉庫におけるトラックへの荷積み・荷降ろしを予約・管理するサービスです。作業状況をリアルタイムで把握できるので、荷役時間の効率化につながります。
Hacobuが提供するトラック予約受付サービスはこちら
配車受発注・管理サービス
協力会社への配送依頼をデジタルに行うサービスです。配送依頼を効率化できるだけでなく、過去の配送案件の履歴も残ることで実績に基づいた配車を行うことも可能です。
Hacobuが提供する配車受発注・管理サービスはこちら
動態管理サービス
動態管理サービスは、配送車両の現在位置や走行状況をリアルタイムで把握できるサービスです。ドライバーの現在位置確認や配送進捗管理において電話による確認作業などの負担を削減できます。
Hacobuが提供する動態管理サービスはこちら
まとめ
クラウドは、インターネットを通じたITリソースの柔軟な利用を可能にし、ビジネスの在り方を大きく変えました。NISTの定める5つの特徴を備え、SaaS、PaaS、IaaSの3つの形態で提供されています。設備投資の抑制や保守負担の軽減などのメリットがある一方で、セキュリティリスクのような課題もあります。今後も技術の進化とともに発展を続け、ビジネスのデジタル化を支える重要な基盤として、さらなる活用が見込まれています。
なお、Hacobuでは「運ぶを最適化する」をミッションとして掲げ、物流DXツールMOVO(ムーボ)と、物流DXコンサルティングサービスHacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)を提供しています。
物流現場の課題を解決する物流DXツール「MOVO」の各サービス資料では、導入効果や費用について詳しくご紹介しています。
トラック予約受付サービス(バース予約システム) MOVO Berth
MOVO Berth(ムーボ・バース)は、荷待ち・荷役時間の把握・削減、物流拠点の生産性向上を支援します。
動態管理サービス MOVO Fleet
MOVO Fleet(ムーボ・フリート)は、協力会社も含めて位置情報を一元管理し、取得データの活用で輸配送の課題解決を支援します。
配車受発注・管理サービス MOVO Vista
MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)は、電話・FAXによるアナログな配車業務をデジタル化し、業務効率化と属人化解消を支援します。
物流DXコンサルティング Hacobu Strategy
Hacobu Strategyは、物流DXの戦略、導入、実行まで一気通貫で支援します。
著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuのマーケティング担当
この記事が気に入ったら
「いいね」しよう!