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傭車(ようしゃ)とは?メリット・デメリットと運用を成功させるポイントを解説
傭車(ようしゃ)とは、運送会社が、自社の車両では対応できない案件を外部で調達することです。本記事では、傭車のメリット・デメリット、運用を成功させるポイントについて、物流DXパートナーのHacobuが解説します。
なお本記事では傭車を効率的に行うシステムについて、記事の最後に解説します。傭車管理にお悩みの方は、まず以下リンクから傭車を効率的に行うシステムに関する資料をダウンロードしてご覧ください。
目次
傭車とは
傭車は、「賃金をもらって労力を提供する」という意味の「傭」と「車」を組み合わせた造語で、トラック運送業界で日常的に用いられている用語です。運送会社が自社車両で賄えない案件を、外部で調達することを意味します。また、配送車両そのものを傭車と呼ぶこともあります。
正式には「利用運送」のこと
傭車は正式には、「利用運送」という事業形態に分類されます。傭車を外部に依頼する場合、貨物利用運送事業の登録または許可が必要です。
貨物利用運送事業を未登録または未許可のまま傭車した場合は、運送業に関する「事業計画変更認可または登録違反」に該当し、違法と判断されます。事業停止や登録・許可の取り消しなど、厳しい行政処分の対象になる可能性があるため、十分に注意しましょう。
運送会社が傭車を用いるメリット
運送会社が傭車を用いることで得られるメリットは、3つあります。
コスト削減になる
年間を通して、自社の車両の過不足を調整しながら傭車を活用することで、コストを削減できます。物量は年間を通して変動し、景気や季節の影響を受けやすいためです。繁忙期に合わせて体制を整えると、閑散期には余剰な人員や車両が発生し、コストが増加してしまいます。
傭車は、車両の購入費や維持費、さらに人件費や自動車税も不要です。繁忙期に自社の車両が不足した場合は、状況に応じて傭車し、コストを削減しましょう。
柔軟な対応ができる
傭車を用いることで、緊急時や予期しない事態にも柔軟に対応できます。繁忙期だけではなく、以下のようなケースで活用できます。
・ドライバーや車両が足りなくなる事態
・事故やドライバーの病気・ケガなどによる急な欠員
上記のような場合、自社で無理に対応するのではなく、傭車を用いることで、人員確保や労務管理の負担を軽減できます。
対応力が強化できる
傭車を用いることで、自社の対応力が強化できます。たとえば、冷蔵品や液体物、医薬品、化学物質など、特殊性の高い荷物でも輸送できるようになります。通常、ダンボールに入っている荷物であれば、特殊な車両やスタッフは不要です。しかし、特殊な要件がある場合には、資格を持つスタッフや専門の車両が自社にないと対応が難しくなります。
自社だけでは対応できない輸配送がある場合は、対応可能なところに依頼しましょう。
運送会社が傭車を用いるデメリット
運送会社が傭車を用いるデメリットは、主に3つあります。
自社の信用・評価に悪影響を与えるリスクがある
運送会社が傭車を用いる際には、自社の信用や評価に悪影響を与えるリスクがあります。傭車先には、自社の配送ルールや注意点の共有、教育などが十分に行われていないためです。
傭車先のドライバーが自社の方針と異なる対応をすることで、顧客からの信用や評価に悪影響を及ぼす可能性があります。悪い評判は広まりやすいため、十分な注意が必要です。
運行管理が難しい
傭車の車両は、自社の車両と比較すると、運行状況の把握や管理が難しくなる傾向があります。自社の車両は、デジタルタコグラフや動態管理システムを用いることで運行管理が容易ですが、傭車先の車両ではリアルタイムでの状況把握が難しく、運行管理が困難になることがあります。
そのため、事故や渋滞などの予期しない事態が発生した場合、対応に時間がかかるリスクがあります。
傭車先の運行管理を効率化できるシステムもある
傭車先の車両はリアルタイムの状況把握が難しいとお伝えしましたが、効率化できるシステムも存在します。詳細は本記事の末に解説しますが、詳細を知りたい方は以下のリンクより資料をダウンロードいただけます。
配車担当の業務が煩雑
自社車両の場合、車両手配のプロセスは当然ながら社内コミュニケーションや自社システム内で完結します。一方で、他社に傭車を用いる場合、配車担当は電話で空き車両を探し、FAXで配送依頼書を送るなど、業務が煩雑になります。
配車担当の業務を効率化できるシステムもある
傭車は配車担当の業務が煩雑になるとお伝えしましたが、効率化できるシステムも存在します。詳細は本記事の末に解説しますが、詳細を知りたい方は以下のリンクより資料をダウンロードいただけます。
運送会社が傭車を引き受けるメリット
運送会社が傭車の仕事を請け負うメリットは、主に3つあります。
売上が安定する
傭車の依頼を引き受けることで、その分が売上につながります。安定した売上を確保したい場合は、積極的に傭車の依頼を請けることが有効です。また、自社のドライバーや車両に余裕がある閑散期に傭車の依頼を引き受ければ、稼働していない車両を減らし、保有するリソースを最大限に活用できるようになります。
協力関係を築ける
傭車の依頼を確実にこなし、信頼を得られれば協力関係を築けます。これにより、今後案件を追加してもらえたり、自社の繁忙期に逆に傭車を依頼できたりすることが期待できます。また契約先と関係が深まることで、自社では知りえないさまざまな情報を手に入れることも可能です。
自社の可能性を試せる
今まで自社で取り扱いのなかった荷物にチャレンジすることで、自社の可能性を試すことができるのも、運送会社が傭車の依頼を引き受けるメリットです。
今まで自社で取り扱いのなかった荷物のような「未経験の仕事」を、荷主から直接受注するのは難易度が高いものです。一方で、荷主から受注した元請け事業者からの依頼である傭車は、荷主から直接受注することに比べると、受注難易度が低い傾向にあります。そのため、傭車の仕事を通じ、未経験の仕事にチャレンジしやすくなります。
これにより、実績を積むことができるため、幅広いニーズに対応できる基盤を構築し、新たな収益源を確保できるでしょう。
運送会社が傭車を引き受けるデメリット
運送会社が傭車の仕事を請け負うメリットがある半面、デメリットも生じます。
低運賃なことが多い
低運賃なことが多い点は、運送会社が傭車の依頼を引き受けるデメリットといえます。傭車の運賃は、利用運送手数料が引かれたものです。傭車先がさらに傭車を依頼し、一次下請け、二次下請け(孫請け)と二重・三重の構造になった場合は、より低運賃になる傾向があります。
下請け構造は変化していくか
このような多重下請け構造により、実運送会社が適切な運賃を収受できないという事態は、貨物自動車運送事業法の改正により、徐々に無くなっていくと期待されています。今後の下請け構造の変化について、LOGI-BIZとHacobuが解説した資料は以下からダウンロードいただけます。
傭車の運用を成功させるポイント
傭車の運用を成功させるためには、押さえておくべきポイントがあります。
適切な契約を結ぶ
傭車の運用を成功させるためには、適切な契約を結ぶことが大切です。下請代金支払遅延等防止法では、下請法の規制対象となる運送事業者間の取引において、書面での契約が義務付けられています。契約書を作成する際には、お互いの業務範囲を明確にし、トラブルが起きた場合に適切な対応ができるようにしましょう。
また、段階を経て、責任と契約書の規定を増やす方法も有効です。法令上求められる最低限の契約や、責任の少ない荷物に関する業務委託から結び、徐々に契約規定や責任を足していく方法です。
教育・研修を実施する
傭車の運用を成功させるためには、教育・研修を実施することも重要です。傭車で自社の信用に影響するというデメリットは、事前の教育・研修の実施でカバーできます。お互いに連携して、知識を共有することが大切です。ただし、教育や研修を受ける時間は人材の出費となるため、それに見合う報酬が必要となります。
システムを導入して連携する
傭車の運用を成功させるためには、システムを導入して連携する方法もおすすめです。元請け事業者と下請け事業者の間で発生する課題は、共通のシステムを使って管理することで解決できます。同じシステムで管理して連携すれば、配送管理が行き届かないことによるトラブルを回避できるでしょう。
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自社、傭車先が共通のシステムを使い、双方の業務を効率化するなら、物流DXツール MOVOの2つのサービスがおすすめです。
動態管理サービス MOVO Fleet(ムーボ・フリート)
MOVO Fleetは、車両のシガーソケットなどに小型端末を設置することで、リアルタイムで位置情報を把握できるシステムです。端末を運送会社に渡して車両に設置してもらうだけで、傭車が今どこを走っているかを確認できます。
また、「改善基準告示」対応サポート機能を備えており、各ドライバーの拘束時間や運転時間の経過および残り時間をダッシュボード上で確認でき、複雑な要件を遵守するためのサポートが可能です。傭車先が法令を遵守した運行をできているかを確認するのに効果的です。
配車受発注・管理サービス MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)
MOVO Vistaは、傭車元と傭車先が配送依頼における受発注をクラウド上で行うシステムです。従来、受発注をFAXで行う場合、書類の作成や送付、請求処理に多くの時間を費やしますが、MOVO Vista上で受発注を行うことでその事務作業の時間を削減できます。
また元請け事業者においては、作成が義務化された実運送体制管理簿を1クリックで作成することも可能です。傭車先がさらに傭車を用いているかどうかを把握する上で効果的です。
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まとめ
傭車は、運送会社が自社の車両では対応できない案件を外部で調達することです。傭車の運用を成功させるためには、適切な契約を結んだり、教育・研修を実施したりすることが大切です。
また、システムを導入して連携する方法もおすすめです。まずは以下から資料をダウンロードして、情報収集をしてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール / 菅原 利康
株式会社Hacobuのマーケティング担当
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