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データの力で“運ぶを最適化する”Data-Driven Logistics®〜鍵を握る「データ・ガバナンス」のあり方

Hacobuは2021年4月に、物流領域のビッグデータを適正に活用するためのガイドラインを作成したことを発表。併せて、第三者視点でガイドライン運用の監視を行う「物流ビッグデータ・ガバナンス委員会」を設置した。ここでは、取り組みに至るまでの経緯と活動後の変化や手応えや展望などについて、Hacobuの代表取締役社長CEO 佐々木太郎と、委員長を務めた慶應義塾大学総合政策学部教授 國領二郎が対談。物流業界の裏話を交えつつ、慣習打破への熱い想いを語り合った。(聞き手:Hacobu コーポレートコミュニケーション 森山美帆、文:森 祥子、写真:首藤 拓)

「物流ビッグデータ・ガバナンス委員会」立ち上げの経緯

──物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

佐々木 Hacobuは、「運ぶを最適化する」というミッションのもと、自社開発のアプリケーション群MOVO(ムーボ)を活用して、物流の課題解決を目指してきました。MOVOはアプリケーションであると同時に、物流情報のプラットフォームでもあります。プラットフォームにおいて重要なのがデータです。海外のプラットフォーマーに物流データを掌握されてしまっては、日本企業の競争優位性が下がってしまう。日本も物流データを守り、課題解決のために活用していくことが求められます。海外プラットフォーマーの過去の失敗から考えたときに、早期に物流データのガイドラインやガバナンスを整えることが不可欠だと考えたのが2~3年前。それが最初のきっかけですね。

──そもそもデータを積極的に活用していこうと考えたのはなぜですか。

佐々木 物流は、荷主や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)事業者、運送会社など大小様々なステークホルダーが複雑に絡み合う世界です。協働しているが故に、互いが利害関係者でもある。それぞれが自社の最適化を目指した結果、全体として非効率が生まれてしまうという状況に陥っています。

この利害関係を調整する鍵は、データにある。個社の枠を超えた物流ビッグデータを分析・活用することが、サプライチェーン全体の最適化につながると考えています。これがHacobuの目指す、「Data-Driven Logistics®(データドリブン・ロジスティクス)」です。

Hacobu 代表取締役社長CEO  佐々木 太郎
1977年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、アクセンチュア株式会社、株式会社博報堂コンサルティングを経て、米国留学。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン経営大学院卒業(MBA)。ブーズ・アンド・カンパニーのクリーブランドオフィス・東京オフィスに勤務後、食のキュレーションECなどを創業。B to B物流の現状を目の当たりにしたことを機に、デジタル化による物流業界の変革を志して、2015年Hacobuを創業。

安心できるデータ社会を目指し、
ガバナンス体制を一から構築

──國領先生は、物流ビッグデータ・ガバナンス委員会の委員長を務めておられます。Hacobuとの出合いについてお聞かせください。

國領 佐々木さんに初めてお会いしたのは、2019年の12月。ただそれ以前から、Hacobuの活動には注目していました。何かすごいことに取り組んでいる会社があるぞ、と。私は経営学が専門ですが、博士論文のテーマは物流。当時アメリカで調査したところ、物流に関する情報は安全保障関連案件として扱われていました。どこにどのような物資を集めているかという情報は、国防に関わる重要な機密。ビジネス商戦においても同様です。だからこそセンシティブに扱われるし、データも共有されず、結果として大きな無駄が発生しています。そこは何とかしなければいけないわけです。できれば効率化だけではなく、高付加価値につなげる形で。それをやろうとしているHacobuの姿勢には大いに共感できました。

佐々木 ありがとうございます。國領先生には、「プラットフォームへの脅威や懐疑論のせいで、データ活用が積極的に進まない現状をどう打破すればよいか」とご相談させていただきました。

國領 そこで法律の話になったんですよね。個人情報の取り扱いに関する法律はあるけれど、Hacobuが扱うような企業情報の集合体については、とくに法で決められてはいないと。

佐々木 法で定められていない以上、何らかの信頼性を担保するにはガバナンス体制をしっかり構築する必要がある。そんな話の流れから、ガイドラインの策定とガバナンス委員会設立の構想が生まれました。

慶應義塾大学総合政策学部教授 
物流ビッグデータ・ガバナンス委員会 委員長 國領 二郎
慶應義塾大学総合政策学部教授。政策・メディア研究科委員。1982年東京大学経済学部卒。日本電信電話公社入社。1992年ハーバード・ビジネス・スクール経営学博士。1993年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授。2000年同教授。その後、同大学環境情報学部教授、総合政策学部長、SFC研究所長などを経て、2013年より慶應義塾常任理事に就任(2021年退任)。2022年8月29日付けでHacobu社外取締役。主な著書に『サイバー文明論』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

──そこから2年以上の準備期間を経て、ようやく2021年4月の発表に至ったわけですね。

國領 2019年の時点ではまだ浸透していなかった「データ・ガバナンス」という言葉を、最近ではよく見かけるようになりました。世の中の問題意識の高まりに呼応する絶好のタイミングでしたね。

Hacobuが何をやっているのかを公明正大に開示し、ガイドライン遵守を監視できる体制を作ることは、Data-Driven Logistics®への一里塚。正しく活動していることがわかれば、安心してデータを預けていただけるし、それが社会的価値や企業価値の最大化にも貢献します。ひいては、物流全体の変革にもつながるWin-Win-Winの関係を生むことを、世の中に広く示していきたいですね。

──委員会を設立するまでには、どんな議論がありましたか。

佐々木 一つは、誰が委員を選任するかということです。物流データはあくまでも社会益のために活用するものだから、特定の株主が委員を決めるというのはおかしい。かといって、当時、取締役会の中で適切な知見がなかったので、外部の専門家をお呼びして、委員会を作ってから議論しようということになりました。そこで、國領先生に座長をお願いしました。

國領 即決でお引き受けしましたね。物流の最適化は社会にとっても大変意義ある重要なことなので、ぜひやらせてくださいと(笑)。

物流データは誰のもの?
議論を重ねてガイドライン作成

──委員会の活動内容について、お聞かせください。

佐々木 最初に、ガイドラインを作りました。このとき議論になったのは、「物流データは誰のものか」というテーマです。データには所有権という概念がないので、そもそもその議論自体が成立しないという話も出てきました。

そこで着目したのが、EUなどで定着している「データポータビリティ権」です。これは個人や企業が提供したデータを自分で管理し、自由に持ち運ぶことができる権利のこと。ガイドラインでは、このデータポータビリティ権を保障し、かつ1次データの秘匿を保証しています。

ただ、それだと単なる「守りのデータ・ガバナンス」になってしまうので、Hacobuは価値創出を目的として1次データにアクセスすることを、ガバナンスコードでは明言しています。

國領 ここで肝となるのが、アクセスログです。誰がそのデータにアクセスしているのか、不正は行われていないかを監視できる仕組みを作ることが重要です。もちろん、これはシステム構築に関わることなので、一足飛びにできることではありません。それでも、そういう問題意識を持って取り組んでいる姿勢を外部に見せていく。その過程で生じた課題も含めて、包み隠さず開示していくことが、ガバナンスコードを遵守する上での大前提となります。

佐々木 社外に対して表明するのはもちろんのこと、Hacobuという企業の中でも、その考え方と仕組みを徹底していかなければならないと考えています。

國領 社内で理解が得られず、面倒なことだ、と思われると抜け穴ができてしまうので、そこは意識を改革していただかなくてはなりません。これをやることが、個社の枠を超えた物流ビッグデータを分析・活用することに結びつくのですから。

物流ビッグデータ・ガバナンス委員会 事務局の様子
左からHacobu 代表取締役社長 佐々木太郎、取締役CFO 濱崎 惟、レフトライト国際法律事務所 弁護士 水越 尚子氏、慶應義塾大学総合政策学部 教授 國領 二郎、株式会社フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役社長CEO 岩田 彰一郎

──実際、ガバナンスを浸透させる過程で、社内で変化はありましたか。

佐々木 大きくありましたね。社内の誰もが、「データ・ガバナンス」の視点を持って仕事をするようになりました。結局、お題目だけ作っても、ガバナンスって効かないんです。守るべきルールを企業のDNAに埋め込んで、社員一人ひとりが行動を変えていくことが、遵守の徹底につながります。そうした風土を醸成できたことは、Hacobuにとっても大きな成果といえますね。

國領 社員が変われば、お客様にもそのメッセージは伝わりますよね。

佐々木 まさにそうなんです。お客様にデータ活用の重要性やガバナンスへの取り組みについて話すと、「ベンチャーでそこまで取り組んでいるのですね」と関心を持っていただけるようになりました。Data-Driven Logistics®という我々のビジョンに共感してくださる方も、以前より格段に増えています。

國領 投資家からはどんな反響ですか。「投資に見合うのか」といったご意見はありませんか。

佐々木 ないですね。むしろ投資家の反応は概ね上々です。とくに証券取引所においてはコーポレートガバナンスが重視されるので、自らデータに関してガバナンスコードを作って律しようとしている当社の姿勢は、ポジティブに受け止められています。

所有権からアクセス権へ。
思想の転換を促す仕組み作り

──こうしたデータ・ガバナンスへの取り組みは、他にもあるのでしょうか。

國領 国際的には、船荷証券(B/L:Bill of Lading=貿易における船積書類の一つ)のブロックチェーン化などいくつか面白い取り組みが始まっていますね。また、サプライチェーンのセキュリティを目的としたデータ活用やガバナンスのあり方なども議論されています。ただ、日本で物流に関するデータ・ガバナンスに取り組んでいるところはほとんどありません。Hacobuの取り組みは、非常に先進的だといえるでしょう。

佐々木 こうしたデータ・ガバナンスやプラットフォーム作りは、国がやるべきだという意見もあります。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)で、「デジタル物流情報プラットフォームによる企業間データ活用の仕組み作り」に参加した際もご意見をいただきました。「取り組みは素晴らしいけれど、一企業が取り組むことなのか」と。

國領 法律で何とかした方がいいと。

佐々木 別の協議会では、「データを活用して物流の最適化を図る」という提案には多くの賛同をいただいたのですが、いざデータを活用するとなると、どの企業も足踏みしてしまいます。総論は賛成だけれど、各論で反対されてしまうんですね。

そのときに強く感じました。ガイドラインをしっかりと規定することで、ユーザーが安心してデータを預けることができ、活用できる社会になるのではないかと。おそらくこれは法律の問題ではなく、ガバナンスのあり方にかかっています。人間社会の進化は法律ではなく、意識や文明の変化が促してきたものなのですから。最近、國領先生の『サイバー文明論』を読み、ますますその確信を深めているところです。

國領 ありがとうございます。ちなみに、『サイバー文明論』の副題は「持ち寄り経済圏のガバナンス」。データを持ち寄ることで価値が増大する社会をどうガバナンスしていくか、というのがテーマです。Hacobuのこともかなりイメージしながら書きました。

佐々木 そうだったんですね。どおりですっと腹落ちしたわけです(笑)。著書では、サイバー文明における新しい経済のあり方として、「所有権交換モデルからアクセス権付与モデルへの転換」を説いておられますが、これはまさに当社がやろうとしていること。「所有権」ではなく、「アクセス権」という切り口に転換することで、データの正しい扱い方が見えてくるように感じました。長い間モヤモヤしていたことにロジックを与えていただいた思いです。

國領 とはいえ、「アクセス権」は所有権を完全に否定するものではありません。「アクセス権」には段階があり、最上位はアクセスしっぱなしの状態。これが「所有権」となるわけです。要は、アクセスを互いに許可し合う社会を構築することです。そのためには、まずは「所有権」に凝り固まっている現状から、「アクセス権」という考え方に目を向けることこそ、納得のいくガイドラインやガバナンス体制を作る第一歩だと考えています。

佐々木 思想の転換が大事だということですね。それができなければ、そもそもData-Driven Logistics®は成り立たないわけですから。

國領 問題は、現実的な仕組みをどう構築するかです。私がアクセスログにこだわる理由もそこにあります。

つまり、権限を持っている人しかアクセスできない仕組みを作ることで、信頼性を担保する。具体的には、アイデンティフィケーション(識別・同定)と、オーセンティケーション(相手認証)やサーティフィケーション(第三者認証)、オーソライゼーション(権限授与)などを活用し、厳重に管理します。そしてそのアーキテクチャを積極的に外部に公開していく。それが思想とガイドラインを一致させる、最も現実的なやり方だと思っています。

早くもデータ活用の事例が登場、
ただし旧態依然の課題も山積

──この1年活動してきた中で、どのような事例や課題が出てきましたか。

佐々木 本来の目的である個社の枠を超えたデータ分析はすでに始まっています。例えばあるメーカーとは、食品卸、小売からPSI(生産・販売・在庫)計画を共有してもらい、物流波動を最小化する発注システムを検証しています。

プロジェクトを進めるうえで、課題も山積しています。例えば、ときに小売側の調達部門の方のご理解が得られずデータを利用できないケースがあること、などもその一つです。

國領 日本は、調達部門が物流コストを考慮しないインセンティブ構造になっているケースが多いのは問題ですね。

佐々木 調達部門が悪いというわけでなく、ステークホルダーとの関係性や部門間の考え方の違いなどが、この問題を複雑化させている要因の一つになっているのは事実かもしれません。

國領 一方で物流がサプライチェーンのネックになり得るという問題意識は、この10年で相当高まっているのも事実です。物流課題を無視できない空気も生まれてきているのではないですか。

佐々木 もちろんその実感がある一方で、前述の「所有権」にとらわれる、いわば「昭和感覚の人」が立ち塞がっているのも事実です。過去の知見はとても重要ですが、レガシーな成功体験にしがみついてしまうと、結果として現場のブロッカーになってしまったり、変革を起こすボトルネックになることもあるのではないかと思います。

國領 私が博士論文を書いたのは「20世紀アメリカ」でしたが、社内ポリティクスが物流に影響するというケースは、米国でもありました。ただ、FOB(Freight On Board)を導入しているアメリカと日本で物流に対する考え方の差は歴然です。日本もFOBを採り入れて、商品価格と物流コストを切り分けて考えるべきでしょう。

佐々木 その慣習を打破していくためにも、データが必要不可欠です。

國領 おっしゃる通りです。もともと日本には、物流費用はメーカーが負担するのが当たり前という商習慣がありますが、そのコストは最終的な商品価格に反映されています。それでは結果としてお客様の不利益になりますし、回り回ってメーカーの競争力低下にもつながってしまいます。こうした事実をデータで明らかにすることにより、社会を変えていくことが大事です。

足元の「守り」を固めて、
いざ「攻めのデータ・ガバナンス」へ

──Hacobuと物流ビッグデータ・ガバナンス委員会の今後の活動について教えてください。

佐々木 データ・ガバナンスには「攻め」と「守り」の2つの方向性があり、この1年は両方をにらみながらも、「守り」中心で動いてきました。その成果もあって、運用のルールや仕組みの構築はかなり進んできたので、今後は委員会から独立した「ビッグデータ・ガバナンスオフィス」を設置。アクセスログの監視や分析を含めたガイドラインの運用状況をモニタリングすることで、信頼性の担保を強化しています。いわば「守りのデータ・ガバナンス」ですね。

一方、「攻めのデータ・ガバナンス」に関しては、収集・分析したデータをいかに物流最適化や社会益のために活用していくかが命題です。経営の核となる部分でもあるので、現在、取締役会で活発な議論を進めているところです。

物流最適化でより良い社会を目指す、攻めと守りのデータ・ガバナンス
「守りのデータ・ガバナンス」として、1次データの秘匿を保証しつつ、データポータビリティ権を確保。Hacobuにおいては厳格なアクセス管理のもとデータの収集・分析を行い、Data-Driven Logistics®により物流を最適化。社会益を生み出す「攻めのデータ・ガバナンス」へとつなげていく。

國領 社会やテクノロジーの状況に応じて、事業もガバナンスも柔軟に進化させていきます。そして、その姿勢を見せていくことが今後の活動においても重要になってくると思っています。

世の中では、GAFAなどのプラットフォーマーに対する脅威や規制論が取り沙汰されていますが、議論の潮流は「インセンティブのあり方」に移行しつつあります。つまり、データ活用で得た利益は、プラットフォーマーではなく、あくまでデータ提供者に帰属すべきという考え方です。これはHacobuの思想とも共通するものなので、その利益を高めることにより、Hacobuの企業価値が増大し、物流、ひいては社会もよりよくなる、というメッセージを明確に示していく必要もあると考えています。

──最後に、本日の対談のまとめとして、お一人ずつコメントをお願いいたします。

國領 私が一番に訴えたいのは、「攻めのデータ・ガバナンス」こそが大事であるということ。これができる企業は間違いなく強いです。それにはまず、「守り」を徹底する必要があります。先ほど申し上げた通り、データベースやアクセスの仕組みを変えるのは、一朝一夕ではできません。システム投資にも莫大な費用がかかります。その点、Hacobuは時間をかけて着実に取り組んできた。だからこそ、「Hacobuなら安心してデータを預けられる」と思っていただけるわけです。こうした「守りのデータ・ガバナンス」を強化したうえで、「攻めのデータ・ガバナンス」を実現していく。その両輪で進めていくのが正しいやり方でしょう。

佐々木 本当にその通りだと思います。と同時に、前に進んでいくためには、慣習打破もしていかなければなりません。我々はデータの力でそこに挑戦し続けたいと考えています。そのためにも皆様に信頼いただき、安心してデータを預けていただけるよう、データ・ガバナンスをさらに強化していく。そして、これをHacobuの企業DNAの一つとして、大切に継承してまいります。

デザイン:クロスアーキテクツ

物流ビッグデータ・ガバナンス委員会 活動内容と今後の展開について

2021年4月19日、Hacobuは、サプライチェーン全体の最適化の実現に向けて、個社の枠を越え、公正性・客観性を確保しつつ物流ビッグデータの活用を進めるために、外部専門家で構成する物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を設置いたしました。第三者の視点や意見を取り入れ、物流ビッグデータ活用に関するガイドラインを策定、運用する体制を構築。取り組みの成果と今後の展開を以下にまとめます。

物流ビッグデータ・ガバナンス委員会の構成委員 ・國領二郎氏(慶應義塾大学総合政策学部 教授 )委員長  ・岩田 彰一郎氏(株式会社フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役社長CEO)委員   ・水越 尚子氏(レフトライト国際法律事務所 弁護士)

委員会の活動内容

<ガイドラインの遵守状況調査・改善活動>

2021年4月19日に公表した「物流ビッグデータ活用に関するガイドライン」に対する当社内の運用実態を調査し、データ保護に関する課題を中心に取り組みを実施しました。

  • アクセス制御:当社サービス環境およびビッグデータ分析基盤に対する、従業員のアクセス権限を制御する機能をMOVOに構築し、従業員の役割(顧客サポート、開発等)に応じた必要十分な権限を付与
  • アクセスログ取得:アクセスログをタイムリーに取得できる機能を実装
  • IDおよび組織の管理強化:アクセスログを詳細分析したところ、不要なID(テスト用のユーザーデータ等)や組織(開発・テスト用のダミーの会社データ等)が散見された。全社的なデータに関するルール・ポリシーを言語化、改訂すると共に、不要なID・組織を全て削除

<弊社顧客におけるデータ活用事例の共有>

弊社顧客において、MOVOに蓄積されたデータを分析・活用し、物流プロセスの最適化を実現している事例について、委員会メンバーにて共有し、社会益実現に向けた取り組みについてのディスカッションを実施しました。

<発信の方向性に関する調査・検討>

当委員会の活動を効果的に発信し、社会益の実現に向けた取り組みを加速させるため、どのような形の情報発信が望ましいかを調査・検討し、当報告書の骨子を固めました。

  • 海外企業を中心に、個人情報に留まらない企業ビッグデータの活用指針を公表している事例を調査しました。

今後の方針

今後については、物流ビッグデータ・ガバナンス委員会は発展的に解消し、人的な継続性も持たせつつ、当社コーポレート・ガバナンスの体制の中で「攻め」も意識した取り組みを進めてまいります。

<守りのデータ・ガバナンス>

今期に確立した、データ保護に向けた運用を継続します。運用状況について、社外役員も含めた会議体で継続的なモニタリングを行う体制を構築してまいります。その場で、従業員への意識づけおよびルール・ポリシーの遵守、外部環境やテクノロジーの変化に応じたモニタリング体制の改善余地についても継続して議論します。

<攻めのデータ・ガバナンス>

物流ビッグデータ・ガバナンス委員会の委員長を務めた國領二郎と、委員の岩田彰一郎 が、弊社の社外取締役として取締役会に参画しました。ビッグデータの利活用により、個社の枠を超えた物流最適化を実現するためのサービスの開発・展開や、それを支えるガイドラインや規約、社内の運用体制の継続的改善に対して、重要な経営イシューの一つとして取り組んでまいります。

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