営業倉庫とは?倉庫の種類と特徴や自家用倉庫との違いを解説
営業倉庫を検討する際は、倉庫の種類ごとに保管できる貨物や設備条件が異なる点を押さえることが重要です。本記事では、営業倉庫の種類と特徴、自家用倉庫との違い、活用するメリット、運用時の注意点などについて物流DXパートナーのHacobuが解説します。
なお、営業倉庫を利用する荷主企業にとって、入出荷時のトラック荷待ち時間の把握と削減は、物流効率化法への対応という観点からも重要な課題です。荷待ち対策にはMOVO Berthが有効です。MOVO Berthの資料は以下よりダウンロードいただけます。
目次
営業倉庫とは
営業倉庫とは、倉庫業法にもとづき国土交通大臣の登録を受けた倉庫業者が、第三者から貨物を預かって保管するための倉庫です。運営にあたっては、倉庫の種類に応じた施設・設備基準など、法令で定められた要件を満たす必要があります。なお、登録を受けずに有償で第三者の貨物を保管するなど、運用の形によっては倉庫業法違反となり、罰則の対象となる場合があります。
自家用倉庫との違い
自家用倉庫は、自社の貨物を保管するために、自社で保有または管理しながら運用する倉庫を指します。保管方法や在庫管理のルール、入出庫の体制などを自社の方針に合わせて設計できる一方で、設備投資や人員配置といった運営負担も自社で担う必要があります。

営業倉庫の種類と特徴
営業倉庫は保管する貨物の性質や保管方法に応じて複数の種類に分類され、それぞれ求められる設備基準や対応できる貨物が異なります。本章では代表的な種類と特徴を整理します。
1.一類倉庫
一類倉庫は、他の営業倉庫と比べて施設・設備基準が厳しく設定されており、危険物等を除けば幅広い種類の貨物を保管できる点が特徴です。例えば日用品や紙・パルプ、繊維製品、電気機械など、一般的な製品の保管で利用されます。
2.二類倉庫
二類倉庫は、建屋内で貨物を保管する営業倉庫で、一類倉庫と比べて耐火(防火)性能に関する要件が緩和されている点が大きな違いです。そのため、燃えやすい貨物の保管には適さない一方で、でんぷんや塩、肥料、セメント、鉄製品などの保管で利用されます。
3.三類倉庫
三類倉庫は、建屋内で貨物を保管する営業倉庫で、二類倉庫よりも施設・設備に関する要件が緩和されている点が特徴です。具体的には、三類倉庫では防水性能や防湿性能などの要件が緩和されます。そのため、湿気や温度変化の影響を受けにくい貨物の保管に向いており、例えばガラス製品や陶磁器、鉄材、タイルなどの保管で利用されます。
4.野積倉庫
野積倉庫は、屋外で貨物を保管することを前提とした営業倉庫です。風雨や日光の影響を受けにくい貨物に適しており、鉱物や土石、原木、れんが・かわら類、空コンテナなどが保管対象になります。運用では、塀や柵などで区画したうえで、施錠や照明といった防犯措置や消火設備などを備えて管理することが求められます。
5.水面倉庫
水面倉庫は、河川や港湾などの水面を保管場所として利用し、原木を水上に浮かべた状態で保管することを想定した倉庫です。保管中に貨物が流出しないよう、水面の周囲を築堤等の工作物で防護したうえで流失防止措置を講じ、あわせて倉庫周辺の照明装置など防犯措置を備えて運用します。水面で保管する運用を前提としているため、保管対象は木材(原木)に限られ、木材以外の貨物は対象となっていません。
6.貯蔵槽倉庫
貯蔵槽倉庫は、サイロやタンクなどの貯蔵槽で貨物を保管する倉庫です。密閉構造で、一定の防水・防火性能や強度などの設備条件を満たしたうえで運用されます。例えば、小麦などの穀物をばらで保管する場合や、糖蜜のような液体を保管する場合に用いられます。
7.危険品倉庫
危険品倉庫は、ガソリンや灯油など消防法上の危険物を保管するための営業倉庫です。火災リスクが高い貨物を扱うため、一般の倉庫より厳しい施設・設備基準のもとで運用されます。また、保管する物品の性質によっては、消防法のほか高圧ガス保安法、液化石油ガス法、石油コンビナート等災害防止法など関係法令への適合も必要です。
8.冷蔵倉庫
冷蔵倉庫は、食肉や水産物、冷凍食品など、10℃以下で保管することが適当な貨物を保管する倉庫です。温度管理が品質に直結するため、保管温度帯によって階級が設けられており、C3級からF4級まで7種類に区分されます。こうした区分にもとづき、取り扱う貨物に適した温度帯で保管を行います。
9.トランクルーム
トランクルームは、家財や美術骨董品、ピアノ、書籍など、個人の財産を保管することを目的とした倉庫です。一般的な貨物の保管とは異なり、長期保管も想定して運用される点が特徴です。また、国土交通省により優良と認定されたトランクルームは、「認定トランクルーム」と称することができます。

営業倉庫を運用するメリット
営業倉庫を活用すると、保管に必要な施設・設備や運用体制を自社で抱えずに、貨物の特性に合った倉庫で保管できます。本章では、荷主企業にとっての主なメリットを整理します。
荷物の保管や管理を任せられる
営業倉庫は所定の施設・設備基準を満たした倉庫として運用されており、貨物を適切な環境で保管・管理できる点がメリットです。保管中の品質維持や事故防止に必要な設備、日々の入出庫管理や保管状態の管理までを倉庫側の体制で担えるため、荷主側は自社で倉庫運営の仕組みを整える負担を抑えつつ、安定した保管体制を確保できます。
倉庫の調整業務に手間がかからない
取り扱い貨物や出荷量は季節要因や販促、需要変動によって増減するため、倉庫スペースや人員配置の調整は継続的な負荷になりがちです。営業倉庫を活用することで、在庫変動に応じた保管スペースや作業リソースの調整を委託先の運用の中で吸収しやすくなり、繁忙期に合わせた過剰な確保や、閑散期の遊休による無駄を抑えながら、調整業務そのものの手間も軽減できます。
営業倉庫を運用する際の注意点
営業倉庫は、倉庫業法にもとづく登録を受けた事業者が運営する倉庫であり、無登録で有償保管を行うと違反となり得ます。本章では、運用にあたっての基本的な注意点とリスクを整理します。
営業倉庫は認定登録が必要
営業倉庫を運営するには、倉庫業法にもとづき国土交通大臣の登録を受ける必要があります。登録を受けるには、倉庫の種類に応じた施設・設備基準を満たすことが前提となり、基準を満たさないまま営業すると、適正な保管体制を確保できないリスクが生じます。登録に必要な手続や施設・設備基準の詳細は、国土交通省の「倉庫業登録申請の手引き」にまとめられているため、適宜参照してください。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001970378.pdf
規則違反には罰則がある
登録を受けずに第三者の貨物を有償で保管するなど、無登録で運営した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される場合があります。罰則の対象は主に倉庫の運営者側とされており、加えて無登録の倉庫では火災保険が適用されないケースもあるため、事故時に補償上の問題が生じるおそれがあります。
荷待ちの把握と削減も荷主の責務
物流効率化法により、すべての荷主には荷待ち・荷役時間の短縮の努力義務が課せられています。また、特定荷主には荷待ち・荷役時間の短縮に対して中長期計画とその進捗の定期報告が求められています。営業倉庫を利用する場合も、その取り組み状況を記載する必要があります。
そのためにまず取り組むべきは実態の把握です。自社の入出荷車両が倉庫でどれだけ待機しているかを、時間帯・曜日・取引先ごとに記録・集計し、現状を数値で把握することが出発点となります。
実態が把握できたら、次は改善施策の立案と実行です。入荷の時間帯が特定時間に集中していれば、発注タイミングや納品時間の分散を委託先倉庫と協議する必要があります。また、倉庫側の受け入れ能力(バース数・作業人員)と入荷量のバランスを定期的に確認し、必要に応じて発注量や出荷頻度を見直すことも重要です。手作業や紙台帳での管理では正確なデータ取得に限界があるため、デジタルツールの活用も積極的に検討しましょう。

営業倉庫の荷待ち対策ならMOVO Berth
荷待ち削減の取り組みを効率的に進めるうえで有効なのが、トラック予約受付サービス「MOVO Berth」です。入退場・荷役開始・終了の実績時間をシステムで自動記録するため、これまで手作業や紙台帳で管理していた荷待ち時間を正確かつ継続的に把握できます。時間帯別・曜日別・取引先別など多角的な分析が可能で、「どの時間帯に車両が集中しているか」「どの取引先の待機時間が長いか」といった課題を数値で可視化できます。
把握にとどまらず、トラックの入庫時間を事前に予約・分散させることで、特定時間帯への車両集中そのものを防ぐことも可能です。倉庫側も入荷予定を事前に把握できるため、作業人員の配置計画が立てやすくなり、庫内の生産性向上にもつながります。可視化→分析→予約分散→改善という一連のサイクルを一元的に回せる点が、MOVO Berthの強みです。
MOVO Berthの資料は以下よりダウンロードいただけます。
まとめ
営業倉庫は、倉庫業法にもとづく登録を受けた事業者が第三者の貨物を保管する倉庫で、保管対象や方法に応じて複数の種類があります。用途に合った倉庫を選ぶことで、保管・管理を任せられる点や、倉庫スペースや人員の調整負荷を抑えられる点がメリットです。一方で、無登録での運用は違反となり得るため、制度やリスクも踏まえて理解を深めましょう。
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