CASE STUDY
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データに基づく振り返りミーティングの実践方法〜MOVO Berthユーザー会レポート〜

こんにちは。株式会社Hacobuでカスタマーマーケティングを担当している内藤です。

MOVO Berthを活用して、現場の働き方改革を行っている方々を後押しするため、拠点管理者/現場推進リーダーの方々にお集まりいただき「データに基づく振り返りミーティングの実践方法」をテーマにユーザー会を開催しました。

本稿では、開催内容のレポートをお届けします。

開催の趣旨

現場業務が忙しく、皆さんで集まり振り返りの時間を持つのはなかなか難しい、という方も多いのではないでしょうか?

改善活動では、当初目標をたて、施策を打つPLAN-DOは行われるものの、CHECK-ACTIONを意図的に設けるということがおろそかになりがちです。

しかし、PDCAのCは非常に重要です。
そこで今回は「データに基づく振り返り」=Checkの実践方法を皆さんと考えました!

  • 「振り返りミーティングって、どのような単位や頻度で開催すればいいのだろう」
  • 「データを分析しろ!とは言われるが、どうしたらいいのか分からない」
  • 「うちでも振り返りはやっているけど、他の拠点はどうやっているのか気になる」

そんなお悩みをテーマに、今回は11社のユーザー企業にご参加いただきました。

五十音順:アサヒロジスティクス様、オカムラ様、オイシックス・ラ・大地様、澁澤倉庫様、センコー様、大正物流サービス様、大正製薬物流サービス様、物産ロジスティクスソリューションズ様、ホームロジスティクス様、LIXIL物流様

当日のアジェンダ

・本会の趣旨&目的の確認
  ・株式会社Hacobu カスタマーサクセス 久保田 弥生
・ 参加者同士の自己紹介
・振り返りミーティングの事例紹介&質疑応答
  ・株式会社LIXIL物流
   社物流センター 管理チーム 今岡 知己様
  ・物産ロジスティクスソリューションズ株式会社
   常温共配本部 東北・首都圏運営部 常温市川センター センター長 松宮 潤二様
・グループディスカッション
  ・①現在、どのような振り返りミーティングをしていますか?
  ・②今後、どのような振り返りミーティングをしたいですか?

実践事例紹介

さっそく、会の本題であるデータに基づく振り返りミーティングの実践方法について、2名のユーザーに発表いただきました。

LIXIL物流 社物流センターの取り組み

① 早着・遅刻実績などデータをもとに運送会社と改善の切り口を共有
② 積込作業の平準化や、バースの回転率を指標として庫内の改善も取り組み中
③ 改善目標ごとに担当を割り振り。若手社員が運送会社と交渉するなど、成長の機会に

物産ロジスティクスソリューションズ 市川センターの取り組み

① 「入荷タイミングの平準化による適正人員配置」を目標に掲げ、
 データをもとに、車両到着時間をコントロール。運送会社との交渉の上、目標を達成
② コロナ渦で、対面機会の削減も目標に。オンライン受付率向上を図り、達成

両社に共通していた点は、おもにこの三点です。

  • センターとしてのあるべき姿を考え、なにをどれぐらい改善するかの目標を設定する
  • 運送会社や庫内スタッフとはデータに基づき対話し、未達状況や施策を共有する
  • リーダーだけが改善に責任を持つことのないよう、改善目標ごとに担当者を割り振る


振り返りミーティングは、定例的な会議体を設けければいいというわけではなく、

「データに基づき対話する機会をいかに設けるか」
「関係者の緊張感が思わず高まるような適切な目標を設定するか」

を踏まえて設計することが、振り返りミーティングの本質と、事例から学びを得ました。

質疑では、振り返りミーティングに限らず、データの記録方法や目標値について、さらなる深掘りが行われました。

  • データに基づく対話のためにも、庫内作業をタブレットで記録したいけど、タブレットを携帯することが庫内作業者の負荷になる、ということはないか
  • 対面機会の削減は、自社でも目標にしたいが、ガラケーを使うドライバーさんもいるなか、オンライン受付率はどれぐらいを目標にしたらいいか

グループディスカッション

今回のディスカッションでは、以下のワークシートを使って議論を進めました。

縦軸に「日次」「月次」「半期・年次」の期間を、
横軸に「庫内」、「運送会社・ドライバー」「荷主・社内他部門」などの改善範囲を全体像としてとらえ、
それぞれの期間や範囲に適した粒度の課題を設定し、実行していくPDCAサイクルを表しています。

MOVOにある貴重なデータを用いて、振り返りのCHECK-ACTIONの場を設けてほしい、そんな思いから「現在」と「今後」の振り返りミーティングについて、グループディスカッションを進めました。

①現在、どのような振り返りミーティングをしていますか?

2チームに分かれ、各社で現在行っている振り返りミーティングについて共有いただきました。

参加各社に共通して、

  • 日次単位では、庫内での改善・計画の確認が多い
  • 庫内の改善では、「いかに作業時間を圧縮するか」「精度の高い計画を立てられるか」「計画に実績が伴っているか」の3点を重視している方が多い
  • 日次、月次で予約率の向上に取り組んでいる方が多い

ということが明らかになりました。

中でも興味深かったのは、「DXとはいえコミュニケーションが一番大事。」というご意見です。タブレットを見ない人にも計画を共有するため、予定を印刷して手渡ししている、といった庫内一丸となって取り組む姿がみられました。

②今後、どのような振り返りミーティングをしたいですか?

今後、何を目標として振り返りを行うか、という点では各社各様でしたが、

  • フェーズによって、理想的な振り返りサイクルが異なる(導入初期は日次、週次で細かく振り返り、慣れたら月次など長期間のデータも振り返る)
  • 自分たちはどのフェーズにいるのかを確認することが第一歩である

という内容が目立ちました。

物流の場合、自社・自部門だけで改善サイクルを回すのではなく、枠を超えて改善を広げ、協働的なアクションを導き出せるかが問われます。

その将来像を見すえつつ、
「改善範囲を運送会社・ドライバー、荷主・社内他部門にまで広げていくには、まずはデータを溜めること」
「コントロールが難しいことは、データに基づいて交渉するのが効果的
という認識を共有する場となりました。

参加された方の感想

参加者の方の感想を一部抜粋してご紹介します。

業種も、立場も、少しずつ違いながら、それぞれの現場で奮闘されている方々が実務に役立てようと意欲的に集まって、短い時間でも距離感を縮めて、情報交換・意見交換できたことはとても有意義に感じました。自分が取り組むべきことに向けて、改めて励みになりました。

自センターと似た拠点の活動状況や運用の話を伺えて参考になりました。


関連情報

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参照情報

「振り返りミーティングの現在地と今後のめざす姿を考える」上で、今回参考にしたのは、国土交通省の推奨する『物流事業者におけるKPI導入の手引き』です。

「まず実態の可視化をし、適切なKPIをもとにした改善サイクルを回し、ともに改善活動を行うパートナーを荷主等にまで拡大していく」と、段階的な改善の高度化、範囲の拡大の手順が示されています。

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