更新日 2026.07.03

【調査リポート】 2026年 トラックドライバー実態調査

【調査リポート】 2026年 トラックドライバー実態調査

目次

本調査について

調査背景

2024年4月より、ドライバーの時間外労働に上限が設けられた、いわゆる「2024年問題」が到来し、物流は大きな転換点を迎えました。長時間労働の是正は、持続可能な物流体制の構築に不可欠である一方、輸送力不足の深刻化や現場負担の偏在など、新たな課題も顕在化しています。

さらに、物流の効率化と適正取引の実現に向けて、2026年4月に改正物流効率化法が本格施行され、荷主・物流事業者を含むサプライチェーン全体で、荷待ち削減や付帯作業の適正化、受入体制の改善など、現場の生産性向上に向けた取り組みが一層求められる局面に入っています。

しかし、物流の最前線に立つドライバーからは、荷待ちの発生、待機・休憩環境の不足、荷役の負担など、法整備や啓蒙活動だけでは解消しきれない課題が残っているとの声も寄せられています。

本調査は、ドライバーの荷待ちや拘束時間、収入・負担感などの実態と変化を定量的に可視化し、持続可能な物流の実現に向けた議論の一助とするために実施しました。

調査結果サマリー

  • 荷待ちの改善実感は前進した一方、依然として「1時間〜2時間(23%)」「2〜3時間(6%)」、「3時間以上(2.5%)」の数字も。
  • 課題は“荷待ち時間”だけでなく、停車・待機環境・荷役のスピードなど、現場オペレーション全体へと広がっている。
  • 労働時間是正の進展は、仕事量減少や残業減を通じて、収入の伸び悩みと、それによる生活不安と表裏一体になり得る。
  • 中東情勢に伴う燃料価格の上昇でコスト増が進む中、賃上げ分の価格転嫁が進まなければ、ドライバーの生活不安や担い手不足が一段と深刻化しかねない。本調査で収入が上がった実感を持てない層が6割以上を占めた結果は、そのリスクを改めて示唆している。

調査概要

  • 調査タイトル:【2026年】トラックドライバー実態調査
  • 有効回答数:1,516名
  • 調査主体:株式会社Hacobu
  • 調査期間:2026年3⽉19⽇から3⽉24⽇の4⽇間
  • 調査方法:全国のトラックドライバーを対象に、Hacobuが提供するアプリ「MOVO Driver (ムーボ・ドライバー)」登録者を中⼼にインターネット調査を実施
  • 調査範囲:本調査は特定の運⾏に限定せず、回答者の担当する全ての業務が対象
調査タイトル      【2026年】トラックドライバー実態調査
有効回答数1,516名
調査主体株式会社Hacobu
調査期間2026年3⽉19⽇から3⽉24⽇の4⽇間
調査方法全国のトラックドライバーを対象に、Hacobuが提供するアプリ「MOVO Driver (ムーボ・ドライバー)」登録者を中⼼にインターネット調査を実施
調査範囲調査は特定の運⾏に限定せず、回答者の担当する全ての業務が対象

画像や調査データを引⽤される際は、出典元URL(https://hacobu.jp/news/19174/)を必ずご記載ください

属性(n=1,516)

Q. 直近1年間の1日あたりの平均拘束時間を教えてください。

拘束時間は依然として長時間帯に集中している

最多の「11〜13時間未満(37.7%)」をはじめ、「13〜15時間未満(20.6%)」、「15時間以上(7.9%)」と、拘束時間は依然として長時間帯に集中していることが明らかになりました。

Q. 1回の納品先での荷待ち時間として、最もよく経験するのはどれですか?

最多は「30分〜1時間(45.1%)」。一方で依然、深刻な荷待ちが残っている

荷待ちについて、最多は「30分〜1時間(45.1%)」で、次が「1時間〜2時間(23%)」でした。一方で「2〜3時間(6%)」、「3時間以上(2.5%)」と、現場によっては依然として深刻な荷待ちが残っていることも浮き彫りになりました。

Q. 直近1年間で、荷待ち時間はどのように変化したと感じますか?

荷待ち削減の取り組みが一定の改善実感に

「やや短くなった(42.5%)」「大幅に短くなった(12.8%)」で過半数を占め、荷待ち削減の取り組みが一定の改善実感につながっていることが明らかになりました。

Q. 直近1年間で、拘束時間はどのように変化したと感じますか?

拘束時間の体感としては“横ばい”が中心

「変わらない(50.5%)」が過半数を占め、拘束時間の体感としては“横ばい”が中心であることが分かりました。一方で「やや短くなった(36.9%)」も4割近くに上り、働き方改革の影響が現場の実感として表れ始めています。

Q. 仕事で負担に感じることを教えてください。(複数選択可)

負担の重心は待機環境や付帯作業など受入体制全体へと移行

負担の上位は「待機場所を見つけるのが困難(61.7%)」、「給与が労働に見合わない(53.8%)」、「付帯作業(荷下ろし・積み込み等)(41.1%)」の順となりました。負担の重心はここ数年話題だった荷待ちから、待機環境や付帯作業など受入体制全体へと移行しており、次のフェーズの対応が求められています。

Q. 直近1年間で、あなたの収入はどのように変化しましたか。

賃金が上がった実感を持てない層が中心

「変わらない(44%)」、「少し下がった(15.2%)」、「下がった(6.5%)」の合計が6割以上で、賃金が上がった実感を持てない層が中心となりました。

Q. 前の質問で「少し下がった/下がった」を選んだ方へ。収入が減った主な理由を教えてください。

労働時間の是正が進む中、収入面での不安と表裏一体に

収入が減少した理由として最も多かったのは「仕事量(件数・距離)の減少(44.9%)」、次いで「残業・時間外労働が減った(39%)」となりました。労働時間の是正が進む中、収入面での不安と表裏一体になっている実態が浮かび上がっており、働く環境の改善と収入の安定を両立させる取り組みが課題となっています。

Q. 今後もドライバーを続けたいと思いますか?

労働環境への不満や収入減がある中、ドライバーを続けたいという声が最多

「続けたい(31.9%)」「できれば続けたい(33.5%)」が6割以上を占め、労働環境への不満や収入減がある中でも、ドライバーを続けたいという声が最多となりました。

Q. 前の質問で「できれば辞めたい/辞めたい」を選んだ方へ。 続けるために、荷主の対応で改善してほしい点を教えてください。

荷主に求める改善は、環境面への要望が上位

「できれば辞めたい/辞めたい」と答えた層が荷主に求める改善は、「荷下ろし・積み込みの迅速化(58.8%)」「トラックの停車場所の確保(56.3%)」「待機環境の整備(休憩所等)(42.6%)」等、環境面への要望が上位となりました。

2026年調査の顕著な傾向

荷待ち時間について、改善実感が前年差で上昇

Hacobuが2025年に実施した調査では、「大幅に短くなった(7.7%)」と、「やや短くなった(39.7%)」をあわせると、「短くなった」と回答しているのが47.4%でした。2026年に実施した今回調査では「大幅に短くなった(12.8%)」と、「やや短くなった(42.5%)」とあわせると55.3%が「短くなった」と答えており、荷待ち時間について改善実感が前年差で上昇していることがわかりました。

負担要因の変化

課題が「荷待ち時間が長い」から「待機場所を見つけるのが困難」等の現場の環境へ

「荷待ち時間が長い」、いわゆる荷待ち時間が数年来話題の中心でしたが、2026年に実施した今回の調査では「待機場所を見つけるのが困難(61.7%)」が最多となりました。この結果から、課題が「荷待ち時間が長い」から「待機場所を見つけるのが困難」等の現場の環境に移行していることが分かります。

調査を終えて─Hacobuの考察─

本調査の結果、荷待ちの改善実感は過半数に達した一方で、待機環境や荷役の負担など現場の課題は依然として残り、構造的な課題が継続している実態が改めて明らかになりました。

一方で、荷待ち時間については改善を実感する回答が過半数に達し、行政や各社の取り組みによる前進も確認されました。ただし、課題は“待つ時間”に限らず、停車・待機環境や荷役のスピードといった受入体制全体に広がっており、現場の生産性向上に向けて、さらなる改善余地が残されています。

また、長時間労働の是正が進む一方で、仕事量の減少や残業減は、収入の伸び悩みと、それに伴う生活不安につながる事も示唆されました。加えて、中東情勢に伴う燃料価格の上昇でコスト増が進む中、運賃への価格転嫁が進まなければ、現場の生活不安や担い手不足が一段と深刻化しかねません。

だからこそ、運賃体系の見直しや付帯作業の適正な対価設定といった「適正取引」の推進に加え、予約受付の高度化、荷役の迅速化、停車・待機環境の整備、受付のデジタル化を一体で進め、荷主を含むサプライチェーン全体で受入体制の質を高めることが不可欠です。 ドライバー不足が深刻化する中、荷主側の改善が進まなければ“ものが運べない”リスクが現実味を帯びます。ドライバーに「選ばれる現場」をつくるための総合的な取り組みこそが、現場負担を軽減しながら、持続可能な物流を実現する鍵になります。

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