• Hacobu
  • 物流業務改善ならハコブログ
  • 特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査―物流の「2026年問題」目前、特定荷主の制度対応と経営アジェンダ化の現在地―
更新日 2026.03.16

特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査―物流の「2026年問題」目前、特定荷主の制度対応と経営アジェンダ化の現在地―

特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査―物流の「2026年問題」目前、特定荷主の制度対応と経営アジェンダ化の現在地―

Hacobuは、全国の特定荷主企業に勤務する101名を対象に「特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査」を実施しました。

本調査では、特定荷主の76.2%が物流統括管理者(CLO)を「選任済み」または「選任予定」と回答しました。CLOの選任にあたっては、物流部門出身者だけでなく、全社横断部門や経営層が担うケースも一定数存在しており、様々な出自のCLOが生まれつつあることが分かりました。

2026年4月の法改正により、一定規模以上の荷主企業に「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務付けられます。これにより今後、全国で約3000人の「物流統括管理者(CLO)」が誕生すると見込まれています。

「物流統括管理者(CLO)」は、物流改革の旗振り役として、役員クラスが担うことを想定したポジションです。物流効率化に向けた中長期計画を策定し報告することが求められる他、調達・生産・販売など部門を横断してサプライチェーン全体を効率化する役割が期待されています。

Hacobuは2026年2月に、「物流統括管理者(CLO)」選任義務化の対象となる一定規模以上の荷主企業を対象に、CLO設置状況および物流効率化の実態を把握することを目的として調査を実施いたしました。

なお、法律上の名称は「物流統括管理者」ですが、本調査では、企業において物流全体に経営責任を持つ役割を象徴する概念として、CLO(Chief Logistics Officer)という呼称も併用しています。

Hacobuリポート「特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査(全12頁)」の

全文はこちら>>https://hacobu.jp/form/document-wp-hacobu-clo-report-2026-mar/

目次

調査結果サマリー

CLO設置は7割超、物流は「制度対応」から「経営アジェンダ」へ

特定荷主の7割超がCLOを「選任済み」または「選任予定」と回答しました。出自も多様化しており、物流が経営アジェンダとして再定義されつつあります。

CLOの出自は多様。物流部門に加え、全社横断部門からも

現在選任されている物流統括管理者(CLO)の属性を見ると、物流部門出身者だけでなく、全社横断部門、経営層が担うケースも一定数存在していることが分かりました。

物流は経営会議で取り上げられ始めている

自社において「物流」を経営会議などの議題として取り上げているかを尋ねたところ、「必要に応じて取り上げている」が過半数を超えました。物流が多くの企業で経営テーマとして認識され始めているといえます。

調査概要

調査タイトル:特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査

調査主体:株式会社Hacobu

調査期間:2026年1月27日〜2026年2月6日(11日間)

有効回答数:101名

調査方法:インターネット調査

調査手法:全国の特定荷主企業を対象に、Hacobuが保有する企業ネットワークを通じてアンケート調査を実施

スクリーニング調査(n=159)

本調査は、従業員数1,000名以上の荷主企業(物流子会社を含む)に勤務する方を対象に実施しました。

グループ会社勤務の場合は、グループ全体の従業員数を基準としています。

そのうち、自社が「特定荷主」に該当すると回答した101名を有効回答として分析しています。

属性:「特定荷主に該当する」と回答(n=101)

物流は経営会議で取り上げられ始めている

Q.あなたの勤務先では、「物流」を経営会議などの議題として取り上げていますか。(最も近いものを、一つだけ)

自社において「物流」を経営会議などの議題として取り上げているかを尋ねたところ、「必要に応じて取り上げている」が53.5%で最多となった。

続いて「定期的に取り上げている」が25.7%であり、両者を合わせると約8割が何らかの形で経営会議の議題として扱っていることが分かる。

一方で、「取り上げていない」は12.9%、「分からない」は7.9%であった。物流は多くの企業で経営テーマとして認識され始めているといえる。

物流の「2026年問題」を目前に控え、物流を部門課題にとどめず、経営レベルで継続的に議論する体制構築が求められている。

Q.「物流関連2法」について、あなたの理解度に最も近いものを選んでください。
※物流関連2法とは、「物流効率化法」および「貨物自動車運送事業法」を指します。

物流関連2法への理解は加速

「物流関連2法」(物流効率化法および貨物自動車運送事業法)について理解度を尋ねたところ、「内容をある程度理解している」が56.4%で最多となり、「内容をよく理解している」24.8%と合わせると、約8割が制度内容を把握している結果となった。

一方で、「聞いたことはあるが内容は理解していない」は16.8%、「聞いたことがない」は2.0%であった。制度そのものの認知は一定程度進んでいることが分かる。

物流の「2026年問題」を目前に控え、制度理解の段階から実効性ある取り組みへの迅速な移行が今後の焦点となりそうだ。

Q.「物流関連2法」に伴う物流効率化の取り組みについて、貴社の対応状況(あなたの認識に最も近いもの)をお答えください。[荷待ち・荷役時間の把握]

荷待ち・荷役時間の把握は約9割が着手、対応完了は約半数

物流関連2法に伴う物流効率化の取り組みとして、荷待ち・荷役時間の把握に関する対応状況を尋ねたところ、「推進中」が46.3%で最多となった。「対応済み」は45.1%、「検討中」は8.5%であった。

推進中と対応済みを合わせると9割を超えており、多くの企業が把握に向けた取り組みに着手していることが分かる。

荷待ち・荷役時間の可視化は改善の前提であり、取得したデータを継続的な改善施策へと接続できる体制構築が今後の焦点である。

Q.「物流関連2法」に伴う物流効率化の取り組みについて、貴社の対応状況(あなたの認識に最も近いもの)をお答えください。[荷待ち・荷役時間の削減]

荷待ち・荷役時間の削減は「推進中」が最多、対応完了は2割

物流関連2法に伴う物流効率化の取り組みとして、荷待ち・荷役時間の削減に関する対応状況を尋ねたところ、「推進中」が67.1%で最多となった。「対応済み」は20.7%、「検討中」は12.2%であった。

制度理解が進む中で、多くの企業が削減に向けた取り組みを推進していることが分かる。

削減は単なる業務改善にとどまらず、取引先との連携や運用ルールの見直しを伴う構造的な取り組みである。今後は、把握から削減へと着実につなげる実装フェーズへの移行が重要になると考えられる。

Q.「物流関連2法」に伴う物流効率化の取り組みについて、貴社の対応状況(あなたの認識に最も近いもの)をお答えください。[積載効率の向上]

積載効率の向上は「推進中」が約6割、対応完了は2割未満

物流関連2法に伴う物流効率化の取り組みとして、積載効率の向上に関する対応状況を尋ねたところ、「推進中」が59.8%で最多となった。「検討中」は24.4%、「対応済み」は15.9%であった。

多くの企業が改善に着手しているものの、対応を完了している企業は2割未満となった。荷待ち時間の削減と比較すると、積載効率の向上は実装フェーズがより途上にある状況がうかがえる。

積載効率の改善は、配車計画や出荷体制、取引先との連携など複数部門にまたがる取り組みを要するテーマである。制度対応を実効性ある成果へと結びつけるためには、全社的な連携体制の構築が鍵となる。

Q.「物流関連2法」に伴う物流効率化の取り組みについて、貴社の対応状況(あなたの認識に最も近いもの)をお答えください。[物流に関する中長期計画の策定]

物流に関する中長期計画は約7割が着手、策定完了は1割未満

物流関連2法に伴う物流効率化の取り組みとして、物流に関する中長期計画の策定状況を尋ねたところ、「推進中」が64.6%で最多となった。「検討中」は28.0%、「対応済み」は7.3%であった。

推進中と対応済みを合わせると約7割に達しており、多くの企業が計画策定に着手していることが分かる。一方で、策定を完了している企業は1割未満にとなった。

中長期計画の策定は、単なる実務改善にとどまらず、経営方針と物流戦略を接続する取り組みである。今後は、計画の具体化と実行体制の整備が重要になると考えられる。

Q.貴社では、物流統括管理者(CLO)を選任していますか。

特定荷主の76.2%がCLOを選任済み・選任予定

物流統括管理者(CLO)の選任状況を尋ねたところ、「選任済み」が30.7%、「選任予定」が45.5%であった。両者を合わせると76.2%に達し、特定荷主におけるCLO設置の動きが着実に進んでいることが分かる。

一方で、「未選任」は16.8%、「分からない」は6.9%であった。制度施行を目前に控え、多くの企業が体制整備を進めている段階にあるといえる。

CLOの設置は、単なる法令対応にとどまらず、物流課題を経営アジェンダとして位置付ける動きの表れでもある。物流を全社横断で統括する責任者の存在が、今後の効率化・高度化の鍵となる。

Q.物流統括管理者(CLO)に期待する“成果”があれば選んでください。(複数選択)

CLOに求められるのは「法令対応」と「経営アジェンダ化」

CLOに期待する成果として最も多かったのは「法規制対応を確実に行い、リスクを回避できている状態」(15.3%)であった。続いて「物流が経営アジェンダとして意思決定されている状態」(14.9%)、「データに基づいた物流の現状把握」(13.5%)が上位3つに挙がった。

コスト削減や現場改善に加え、全社的なネットワーク最適化や他社連携なども一定数選択されている。CLOには、制度対応を起点に、物流を経営戦略へと接続する役割が期待されていることが分かる。

Q.現在選任されている物流統括管理者(CLO)の属性として、最も近いものを選んでください。

CLOの出自は多様化、物流専任から全社横断型へ

現在選任されている物流統括管理者(CLO)の属性を見ると、「従来の物流部門のトップ」が36.4%で最多となった。次いで、「経営企画などの全社横断部門の役員クラス」が26.0%、「主力事業のトップ」が13.0%、「社長・副社長」が11.7%であった。

物流部門出身者が中心である一方で、全社横断部門や経営層が担うケースも一定数を占めている。各社の状況に応じて、様々な出自のCLOが生まれつつある状況が伺える。

Q.あなたの認識として、その人物が物流統括管理者(CLO)に選任された主な理由は何だと思いますか?最大3つまで選んでください。(複数選択)

CLO選任の理由は「経営視点」と「全社横断力」

CLOが選任された理由として最も多かったのは、「経営視点で物流課題を捉えることができる」(58.4%)および「全社横断で関係部門を巻き込む影響力がある」(58.4%)であった。次いで、「物流・サプライチェーンに関する専門性・実務知見がある」(18.2%)が続いた。

専門性よりも、経営視点や全社横断力が重視されている点が特徴である。CLOには、物流実務の延長ではなく、組織全体を動かす統括機能が期待されていることが分かる。

Q.物流統括管理者(CLO)の選任状況について、あなたの認識に最も近いものを選んでください。

CLO未選任の背景は「経営×物流」人材の不足

CLOを未選任と回答した企業にその理由を尋ねたところ、「経営と物流の両方に精通した人材がいない」が47.4%で最多となった。次いで、「事業部ごとに分断されており、全社統括の経験を積める環境がない」(21.1%)、「物流部門が小規模、または存在せず、候補者層が薄い」(15.8%)が続いた。

人材個人の問題にとどまらず、組織構造や育成環境に起因する課題が背景にあることが分かる。

CLO設置は制度対応であると同時に、経営と物流を接続できる人材基盤の整備を迫るテーマと言える。

調査を終えて─

物流に関する意思決定は、より広い視点から

本調査から見えてきたのは、特定荷主におけるCLO設置が着実に進み、制度対応としての体制整備が前進している状況です。

CLOの出自は従来の物流部門トップが中心であるものの、経営企画などの全社横断部門や社長・副社長クラスも一定割合を占めています。物流に関する意思決定に、より広い視点が取り込まれつつあることがうかがえます。

また、「物流」を経営会議などの議題として取り上げている企業も増えており、物流が経営の場で議論されるテーマとして広がり始めている状況が見て取れます。

CLOに求められるのは、物流の専門性だけでなく、経営と現場を接続し、部門を横断して全体最適を構想・推進する力です。その実現には、データに基づく現状把握や戦略設計、実行支援までを一貫して担う体制が重要になるでしょう。

セミナー

タグから記事を探す

メルマガ登録

物流に関する最新情報やお役立ちセミナーの告知などHacobuから厳選情報をお届けします