データとAIで「運ぶ」を最適化する株式会社Hacobuは、全国の特定荷主企業に勤務する方101名を対象に、物流統括管理者(CLO)の選任状況と物流改革の進捗に関する実態調査を実施しました。
CLOを「選任済み」または「選任予定」と回答した人は77.2%と、同一の抽出条件で実施した2026年2月調査(76.2%)と同水準でしたが、内訳では「選任済み」が30.7%から67.3%となり、CLOの設置は進んだとみられます。一方、物流改革の進捗は「法令対応」「現状把握」「戦略策定」の準備段階が計69.3%を占め、定量成果を確認できている回答者は11.9%でした。CLOの設置が進んだ今、論点は「設置」から「実行」へ移っており、計画を実行に移し、全社的な成果につなげていくことが次のテーマになりそうです。
調査リポートの全文はこちら>>
https://hacobu.jp/form/document-wp-clo-survey-2026/
調査実施の背景
2026年4月に施行された改正物流効率化法により、一定規模以上の荷主企業(特定荷主)には、物流統括管理者(CLO)の選任と、荷待ち時間・荷役時間の削減や積載効率の向上に関する中長期計画の作成・提出が義務付けられました。
制度施行から約半年が経過した今、CLOの選任はどこまで進んだのか、物流改革の課題は何かを明らかにするため、本調査を実施しました。
※法律上の名称は「物流統括管理者」ですが、本調査では、企業において物流全体に経営責任を持つ役割を象徴する概念として、CLO(Chief Logistics Officer)という呼称も併用しています。
調査結果
CLO選任済みは約7割に。「選任予定」だった層の移行が進む一方、現場への浸透が課題

物流統括管理者(CLO)の選任状況を聞いたところ、「選任済み」が67.3%、「選任予定」が9.9%、「未選任」が6.9%、「分からない」が15.8%であった。同一の抽出条件で実施した2026年2月調査(回答者は今回と異なる)では「選任済み」30.7%、「選任予定」45.5%であり、「選任予定」から「選任済み」への移行が進んだとみられる。
「選任済み」と「選任予定」の合計は77.2%と、2月調査(76.2%)とほぼ同水準である。当時「選任予定」と回答していた層の多くが「選任済み」に移った構図である。
企業には、特定荷主の届出後速やかにCLOを選任することが求められており、調査時点(2026年10月2日~16日)で「選任予定」「未選任」としている企業は、対応が続いている段階とみられる。一方で、選任状況を「分からない」と回答した人が15.8%おり、CLOの選任が社内に十分に共有されていない企業が一定数あると考えられる。

なお、CLOを「選任済み」と回答した回答者(n=68)におけるCLOの属性は、「従来の物流部門のトップ」が45.6%で最も多く、「経営企画などの全社横断部門の役員クラス」22.1%、「主力事業のトップ」20.6%、「社長、副社長」5.9%と続いた。各社の状況に応じて、様々な出自のCLOが生まれつつあることがうかがえる。
物流改革は約7割が法令対応・現状把握・戦略策定の「準備段階」。論点は「設置」から「実行」へ

物流改革全体の進捗状況を聞いたところ、「CLOの選任や中長期計画の作成・提出など、法令対応を中心に進めている」が26.7%で最も多く、「物流の現状把握・データ収集を進めている」21.8%、「課題を整理し、改革戦略・ロードマップを策定している」20.8%が続いた。「まだ具体的に着手していない」は8.9%であった。
「施策を実行しているが、定量成果はまだ確認できていない」は5.0%であった。
定量成果を確認できている回答者は「一部の拠点・テーマで」5.0%、「複数の拠点・部門で」1.0%、「全社的に」5.9%の合計11.9%であった。制度施行から半年、多くの特定荷主は法令対応と、現状把握・戦略策定といった改革の準備段階にあり、成果創出に向けた施策の実行はこれからであることが分かる。
荷待ち時間は56.4%が「改善」。一方、積載効率の改善は38.6%と道半ば。物流コストは約5割が「上昇」

2026年4月以降の現場指標の変化を聞いたところ、荷待ち時間は「改善した」13.9%、「やや改善した」42.6%の合計56.4%が改善を実感していた。荷役時間は「改善した」9.9%、「やや改善した」39.6%の合計49.5%であった。
一方、積載効率は「改善した」6.9%、「やや改善した」31.7%の合計38.6%が改善を実感しているという結果となり、「変わらない」が42.6%と最も多かった。荷待ち時間は入出荷予約や時間指定など拠点ごとの運用改善で効果が表れやすい一方、積載効率は出荷ロットや納品回数など取引先を含めた見直しを要するため、改善に時間がかかっていると考えられる。なお、いずれの指標でも「測定していない・判断できない」が14.9%~16.8%存在した。

物流コストについては「上昇した」18.8%、「やや上昇した」29.7%、「変わらない」22.8%、「やや低下した」8.9%、「低下した」5.0%、「比較できない・把握していない」14.9%であった。
次の半年の最優先領域は「法令への確実な対応」28.7%。「データ・IT・AI基盤整備」「データによる現状把握」が続く

次の半年で最も注力する物流改革領域を聞いたところ、「法令への確実な対応」が28.7%で最も多かった。次いで「データ・IT・AI基盤の整備と活用」14.9%、「データに基づいた物流の現状把握」12.9%とデータ関連の領域が合計27.7%を占め、「物流コストの最適化」11.9%、「荷待ち時間削減など、現場オペレーションの生産性向上」10.9%が続いた。
多くの回答者が制度対応と現状把握の段階にあるなか、次の半年の注力領域としても「法令対応」と「データ」が上位を占めた。物流改革の前提となるデータ基盤の整備を優先する回答者が多いことが分かる。
考察
制度施行から半年で、CLOの設置は進んだとみられます。「選任済み」は67.3%、「選任済み・選任予定」の合計は77.2%に達しています。一方で、選任状況を「分からない」と回答した人が15.8%おり、CLOの選任が社内に十分に共有されていない企業が一定数あると考えられます。
設置が進んだ今、論点は「実行」に移っています。物流改革の進捗は約7割が「法令対応」「現状把握」「戦略策定」の準備段階にあり、定量成果を確認できている回答者は11.9%でした。
各指標を見ると、荷待ち時間については56.4%が改善を実感しているのに対し、積載効率は38.6%という結果で、「変わらない」が42.6%で最多でした。荷待ち・荷役といった拠点での改善は進み始めた一方、積載効率の向上、すなわち輸配送そのものの効率化はまだこれからといえます。
2027年7月に予定される中長期計画の定期報告では、計画に対する進捗を示すことが求められます。それまでに、計画を実行に移し成果を積み上げられる企業と、計画の提出にとどまる企業とで差が開いていくと考えられます。
その分かれ目になるのが「データ」です。次の半年の最優先領域では、「法令への確実な対応」が最多である一方、「データ・IT・AI基盤の整備と活用」と「データに基づいた現状把握」を合わせたデータ関連が約3割を占めました。法令対応にとどまらず、データ基盤の整備とデータによる現状把握を優先する回答者が多いことが分かります。現状値を把握し進捗を測れなければ、計画の実行も成果の確認も進みません。
荷待ち時間や積載効率を拠点・部門を横断して把握できるデータ基盤が整えば、現状値と目標値に基づく計画の具体化が可能になるだけでなく、AIによる配車の最適化や、荷待ちの発生要因の分析といった、人手では難しかった改善の積み上げが現実的になります。今後のCLOは、選任と計画提出という「法対応」を越え、データとAIを起点に、積載効率など全社最適の指標で成果を出せるかが問われることになるでしょう。
データを起点とした物流改革の実行と輸配送の効率化に向けて、Hacobuは、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)」で物流DX・AXの戦略から実行を、システムインテグレーション・AI導入支援「Hacobu Solution Studio(ハコブ・ソリューションスタジオ)」でシステム連携や個社開発、データ統合・AIによる分析・可視化を、クラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズで法対応、荷待ち削減、配車の最適化による積載効率の向上などを担い、CLOがデータとAIからの示唆に基づいて経営判断を下し、成果を出せる環境づくりを今後も支援していきます。
調査概要
- 調査タイトル:CLO設置と取り組みに関する実態調査
- 調査主体:株式会社Hacobu
- 調査期間:2026年10月2日~10月16日
- 有効回答数:101名
- 調査手法:全国の特定荷主企業を対象に、Hacobuが保有する企業ネットワークを通じてインターネット調査を実施
- 調査対象:従業員数1000名以上の荷主企業(物流子会社を含む)に勤務する方。グループ会社勤務の場合はグループ全体の従業員数で判断。回答者357名のうち、自社が「特定荷主」に該当すると回答した101名を分析対象とした
- 比較対象:2026年2月調査(2026年1月27日~2月6日、有効回答数101名、同一の抽出条件。回答者は異なる)
※図表の構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
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引用にあたっての注意事項
- 本調査データを引用される際は、情報の出典元として「株式会社Hacobu」の名前を明記してください。
- ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記のリンクを設置してください。 https://hacobu.jp/news/21327/
株式会社Hacobuについて
株式会社Hacobuは「運ぶを最適化する」をミッションに掲げる物流AIインフラカンパニーです。荷待ち問題の解決から配車業務の効率化まで、物流現場の課題に応えるために、トラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」をはじめとするクラウドサービス「MOVO(ムーボ)」シリーズを展開しています。導入企業は1100社以上、利用事業所数(※1)は4万8000カ所以上、累計ドライバーID数(※2)は110万件にのぼり(2026年9月末時点)、日々の物流業務を通じて、バーティカルAIの土台となる日本最大級の物流データを蓄積しています。Hacobuは、現場で蓄積したデータと知見を基に、物流DXコンサルティングからシステムインテグレーション・AI導入支援、採用支援まで、「経営」と「現場」の両視点から、物流のAIトランスフォーメーションを構想から実装まで伴走します。
URL:https://hacobu.jp/
設立:2015年6月30日
本社所在地:〒108-0014 東京都港区芝5-29-11 G-BASE田町4階
代表者:代表取締役社長CEO 佐々木太郎
※1 利用事業所数とは、MOVO導入拠点に加えて、MOVOを利用する事業所のIDを合計した数字
※2 累計登録ドライバー数。利用者が「MOVO Berth」を利用する際に登録するドライバー電話番号の累計ID数
本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
株式会社Hacobu ブランド・コミュニケーション部(担当:栗島、國近) TEL: 050-5358-8885 Email:pr@hacobu.jp