管理者の非生産的な業務を無くしたかった
Q. MOVO Vista導入前の課題を教えてください

輸配送部 輸送課 課長 武隈博史様
武隈様:私たち輸送課が担当しているのは、「Green Beans」で注文された商品を、CFCから各地の配送拠点への幹線輸送手配です。お客様のご自宅までお届けするラストワンマイルは別の部署が担っており、私たちはその手前の幹線輸送を受け持っています。
この幹線輸送では、配送拠点ごとのトラックの発着時間を重要なデータとして取得しています。というのも、ネットスーパーはご注文からお届けまでのリードタイムが非常に重要で、この時間をどれだけ短くできるかは、受け付けられる注文数に影響します。便がいつ出て、いつ着いているのかが正確に分かれば、注文の締め切り時間をどこまで延ばせるかを判断できる。そのため発着時間は、事業の判断に直結する情報です。
ただ、この把握には、従来はドライバーから協力会社の担当者へ連絡し、その担当者から当社管理者へ連絡が来るという流れで、間に人を挟むぶん、双方に手間が発生していました。
この連絡にはチャットを用いていたのですが、1日の運行は約100件あります。チャットは新しい投稿があると古い情報が流れていってしまうので、管理者は見落とさないよう常に画面に注意を向け、連絡が来るたびに手元の作業を止めて都度システムに転記していました。
また、普段は決まった便・決まったルートなのですが、運行状況によっては増便やルートの変更が発生することがあります。変更は運賃にも影響するので、月末の請求時に差異が発生し、協力会社と1件ずつ突き合わせて確認する作業も発生していました。
どちらも、仕組みを変えれば減らせる作業です。管理者の時間はもっと現場のために使いたい。そう考えて、システムでの解決に踏み出しました。
グループ内でのMOVO活用の実績も後押しになった
Q. MOVO Vistaを選択した理由を教えてください
武隈様:きっかけは、親会社のイオンネクストがMOVOを活用していると聞いたことでした。そちらではMOVO Vistaだけでなく、トラック予約受付サービスのMOVO Berth(ムーボ・バース)も含めて活用しており、使いやすいと聞いていました。
効率化につながるシステムであればと、当社でも前向きに検討を進めることとなりました。グループ内で使われている実績が、そのまま安心材料になった部分は大きいと思います。
選んだ理由は2つです。ひとつは、スマートフォンアプリを通じてドライバーと直接やり取りできること。もう1ひとつは、配送にかかわる情報を一元管理できることです。
発着時間の連絡だけでなく、協力会社への配送の依頼や請求につながる実績まで、MOVO Vista上で扱えます。管理する情報が分散していたので、そこをまとめられるという点が大きかったです。
最大の不安は「ドライバーが入力してくれるか」だった
Q.運用開始にあたって、心配や大変だったことはありますか?
武隈様:MOVO Vistaでの業務フローを構築していたとき、一番心配だったのは、ドライバーが自発的に発着時間を入力してくれるかということでした。
実際に壁になったのはスマートフォンの利用です。協力会社によって社用スマートフォンの支給状況は異なります。
個人所有のスマートフォンに業務アプリをダウンロードさせるのは難しい、という声も聞かれました。そこで運用開始前に合同の説明会を開き、運用の意図をお伝えしました。これまでドライバーに社用スマートフォンを支給していなかった協力会社にも意図が伝わり、新たにスマートフォンを支給する会社も出てきました。
Q. ドライバーさんの入力はどのように促進されたのですか?
武隈様:運用開始後、毎月各社に入力実績をお渡ししたことは大きかったかもしれません。数字を見える形で共有したことで、協力会社側が自発的にドライバーへ入力を促してくれるようになりました。
もっとも多く依頼を出している協力会社では、ドライバーの入力率が8割以上になっています。
ドライバーへの浸透の速さには驚いています。当初は操作に慣れないドライバーも少なくありませんでしたが、次第にドライバー同士で使い方を教え合う様子が見られるようになりました。現場の中で自然に定着していったことが、入力率の高さにつながっているのだと思います。
MOVO Vistaに移したのは、ドライバーからの発着連絡だけではありません。私たちが協力会社へ出す配送依頼も、メールやチャットからMOVO Vistaに切り替えていきました。
こちらの登録が漏れ、MOVO Vistaで配送依頼を出せていなかったときには、協力会社の担当者から「配送依頼がMOVOから来ていませんよ」と連絡がありました。依頼を受け取る側にとっても、すでに当たり前の仕組みになっていると感じた出来事です。
転記作業は月間約60時間から大幅減、管理者の手が止まらなくなった
Q. 実際にMOVO Vistaを使ってみていかがですか?

輸配送部 輸送課 千葉営業所 幹線便副所長 遠藤昌章様
遠藤様:従来、管理者は発着時間の転記に1日約2時間を費やしていました。365日稼働のため月30日で計算すると、月に約60時間です。
ドライバーから直接発着連絡が届くようになったことで、この転記作業そのものが不要になりました。チャットを見続け、連絡があるたびに手元の作業を止めるという状態も解消され、管理者の工数を大きく削減できています。
当社の管理者だけでなく、協力会社の担当者にもプラスの効果が及んでいます。従来は、協力会社のドライバーが発着連絡を自社の担当者に伝え、その担当者が当社管理者にチャットで連絡するという流れでした。
MOVO Vista導入後は、発着連絡がドライバーから当社管理者へ直接届くようになり、協力会社の担当者がチャットを送る手間はなくなりました。

また、現在は営業所での積み込み時の荷待ちは発生していませんが、発着時間の実績があるのでもし荷待ちが発生した際の証跡としても活用予定です。
導入時の課題だった増便やルート変更による請求の差異についても、実績データがMOVO Vista上に集まるようになったことで、請求内容との突き合わせの業務にも月10時間はかかっていましたが、着実に減っています。
教育と安全に時間を使い、ドライバーの働きやすさにつなげる
Q. 効率化によって生まれた時間は、どのようなことに使われていますか?
武隈様:まず充てたのは、ドライバーの教育です。協力会社にお願いするだけでなく自社でもドライバーを採用しており、その安全講習の内容をより充実させられるようになりました。
もうひとつは管理者の教育です。当社では管理者にも大型トラックの免許を取得してもらっていて、その時間も確保できるようになりました。管理者が大型トラックを運転できると、ドライバーと対等に会話ができ、改善点の解像度が高まります。緊急時には最後の砦として配送を代われるため、配送トラブルをカバーできることは当社のサービスレベルの向上にもつながっています。
教育は結果として安全やサービス品質向上に返ってくるので、そのための時間をつくれたことは大きいと思います。

Q 管理者や協力会社の担当者の業務についてお話を伺いましたが、効率化の効果はドライバーにも及んでいるのでしょうか?
武隈様:ドライバーという仕事には「休みが少ない」「拘束時間が長い」というイメージがありますが、当社は管理者だけでなく、もちろんドライバーも残業ゼロを掲げています。年間休日も120日以上あり有給休暇が取りやすいので、プライベートとのメリハリをつけられる環境です。
もちろん、働きやすさは効率化だけで実現できるものではありません。ただ、無駄な業務を減らして定時内に仕事を終える仕組みは、ドライバーの働き方を支える土台のひとつになっていると思います。
そうした働きやすさが伝わっているのか、自社ドライバーの離職率はゼロです。採用も順調で、5カ月間で自社ドライバーの数は3倍になりました。こうした好循環を維持するためにも、効率化につながる取り組みは積極的に推進していくつもりです。

「Green Beans」の拡大に合わせ、MOVO Vistaでの管理領域も広げていく
Q. 今後の展望を教えてください
武隈様:システム活用の理想形は、配送に関わる全ての情報をMOVO Vistaで一元管理できている状態です。裏を返せば、まだアナログなやり方が残っている領域があります。
たとえば到着したトラックをどのバースに着けるかという指示です。現状はドライバーに一度車から降りて確認してもらっているので、バース管理の仕組みとも連動させたいと考えています。
ただ、こうして管理の領域を広げていくには、現場で実際に使われる形にしていくことが欠かせません。現場改善の最初の一歩は、まず私たち管理者側がMOVO Vistaの理解をさらに深め、現場のドライバーとも積極的に対話をしていくことです。トラックにも乗れる「走れる管理者」というのがここにも活きてくると思っています。
事務所の中だけで考えていても、現場のドライバーが何につまずいているのかは分かりません。日頃からコミュニケーションを取るようにしていると、「あの表記を変えてほしい」といった会話が自然に発生します。そこで「じゃあこんな設定はどうです?」と返す。
現場の意見でよいと思うものはどんどん取り入れていくことで、自社・協力会社・ドライバーの三方よしの形で活用を深めていきたいです。


