在庫保管効率の改善で、外部倉庫費用を削減!DX推進で、パートナーが「行きたくなる工場」を目指す

導入製品
MOVO Berth
会社/事業所・拠点名
株式会社J-オイルミルズ/静岡事業所
所在地
静岡県静岡市
バース数
9バース
一日あたりの受入車両台数
約130台

株式会社J–オイルミルズは、「Joy for Life‐食で未来によろこびを‐」を目指すべき未来(ビジョン)として掲げ、大豆や菜種など植物由来の原料から、油脂製品の製造・加工・販売をおこなっており、特に業務用油脂では高いシェアを誇っています。オリーブオイルやキャノーラ油、ごま油、マーガリンなど食卓で使われる家庭用商品はもちろん、一斗缶やドラムに入った業務用商品、また油以外にも、配合飼料の原料となるミールやスターチ製品なども取り扱っています。静岡事業所内には4つの工場があり、製油以外にもコーンスターチや粉末油脂、マーガリンの製造もおこなっているのが特徴。J–オイルミルズで扱う多くの製品の製造を担っています。

今回、物流の2024年問題対策を目的に発足した「業務改革プロジェクト」にて、トラック予約受付サービスMOVO Berth(ムーボ・バース)を導入いただきました。プロジェクトを牽引された同静岡事業所SC業務課の中西様、加藤様、朝倉様の3名にお話を伺いました。

株式会社J-オイルミルズ静岡事業所SC業務課 課長 中西克也様、課長代理 加藤慎也様、チーフ 朝倉俊様 様

 

2024年問題対策に加え、場内保管効率や電子化など自社の課題も

Q.MOVO Berth導入前の課題を教えてください

中西様:物流の2024年問題を契機に、弊社で「業務改革」プロジェクトチームが発足しました。2024年問題は、日本の産業に影響を与える社会課題です。「ものが運べなくなる」時代が迫っています。この危機にどう対応すべきか、何ができるのか、自社のみならず、配送パートナーの方々とも議論をした結果、トラックドライバーの長時間待機をなくしていこう、という話になりました。

加藤様:ドライバーの到着タイミングが事前に把握できないため、現場に荷物が滞留してしまい、別のドライバーの荷物が用意できず、さらに待機が発生する。この悪循環を改善したい、という現場からの強い声がありました。車両がいつ入場するのかは、工場の現場、配送パートナーの配車担当者、ドライバーという流れで確認するため、これまで多大な時間を要していました。特にトレーラーなど大型車両の場合、積載量が20〜25トン近くあるため、荷物を養生するのに時間がかかり、30〜60分の待機が発生することもありました。2024年問題の他にも、静岡事業所内の課題が複数ありました。まず、工場内在庫の保管効率の向上です。静岡営業所では、工場内にすべての生産品を置くことができず、常に外部倉庫を活用しています。そこで、朝一に出荷する車両分の荷物が前日に把握できるようになれば、保管スペースを効率化できるのでは、と現場から声が上がり、我々の方でそのアイデアを形にできるシステムとしてMOVOの導入を検討しました。

Q.工場内在庫の保管効率向上の仕組みについて、詳しく教えてください。

加藤様:朝一に出荷する荷物が事前に把握できると、比較的時間に余裕のある前日の夕方に翌日の荷物を用意しておくことができるようになり、朝一の集荷が効率的に行えるようになります。また一回転目の集荷作業をしている間に、二回転目以降の集荷の準備を進めます。当日の集荷の見通しを立てながら作業を行えるため、これまで荷物を用意するために「あそび」として確保していたスペースが必要なくなり、空いたスペースを保管用にフル活用できるようになるという訳です。

Q.アイデアは現場からあがったのですね。どう着想を得たのですか。

加藤様:常に改善すべき箇所を見つけようとする「良い現場」だからですかね。現場と話していると、「こういうことをできたら良いのに」という話が出てくる。我々はそれを汲み取り、デジタルやシステムでどう実現できるかを考え抜きました。

Q.他の課題についても教えてください。

加藤様:2つめが、ドライバーとの伝票の受け渡しや口頭のやり取り等について、新型コロナウイルス対策を兼ねて、直接的な接触を少なくしたいと考えていました。そして3つめが、情報の電子化です。これまでは、入出荷の受付をすべて紙で管理していました。受付票に入場時間を記入し、積み込み票という、また別の紙に退場時間を記入するんです。電子化されていないので、何か情報を取ろうとした時に、かなり労力が必要でした。帳票事体も、長期保管ができませんし、セキュリティの面でも懸念していました。

協力会社でもMOVO導入実績があったことが決め手に

Q.MOVO Berthを選んだ理由は何でしょうか?

加藤様:MOVOのことは元々よく知っていました。配送パートナーや卸の方がMOVOを導入されているケースが多く、身近な方々が使っている製品だったことが決め手のひとつです。

全体車両の2~3割に予約システムを導入、全車両でタブレット受付

Q.現在はどのように活用されていますか?

加藤様:入場時の予約システム導入は、まず全体車両の約2〜3割を占める油脂有姿品からスタートしました。油脂有姿品というのはボトルや一斗缶、ドラムなど包装容器に入った製品のことで、台数が多く、大型トレーラーでの積み込みになるため、荷物を準備するにも養生するにも時間を要するため、これらをターゲットに置きました。また退場の受付操作は、全車両を対象にしています。我々は作業場所を時間割のように予約するというイメージではなく、ドライバーがいつ来るのかを把握するために使っているのが特徴です。ドライバーと予約対象車両の配車担当の方が、前日〜当日に予約します。操作した時点で予約確定となり、現場はそれを見て、作業計画を立てて準備します。ドライバーが到着したら、タブレットで入場登録。自分が積む荷物をドライバーは把握しているので、積み込み倉庫に直接移動して、荷物を積みます。帳票を提出する事務所があるので、そこへ行ってタブレット操作をして、退場登録をするという流れです。

車両到着時間の把握で、外部倉庫費を抑制

Q.MOVO Berth導入後、どのような成果が出ていますか?

加藤様:まず待機問題についてですが、ターゲットとした油脂有姿品の車両については待機がほぼゼロになりました!いつ車両が来るかを把握することで計画的な作業ができるようになり、現場からは対象を早く拡大して欲しいという声も出ているので、順次対応していきたいと思っています。前日の夕方に、翌日朝一に到着する車両のための商品を事前ピッキングしています。空いたロケーションに当日生産分を保管するようにしており、外部倉庫費用の抑制につなげています。配送パートナーとの調整で、朝入場する車両を増やしていくなどの取り組みで、更に削減効果を拡大できると考えています。さらに、タブレットによる受付の電子化により、毎日8割以上の配送パートナーから、受け取る書類がゼロになりました!また電子化により、定量化されたデータ分析が可能になった点でも非常にメリットを感じています。例えばドライバーの平均滞在時間を可視化して、待機時間の変化を定点観測できるようになったり、予約率や、入場車両台数なども可視化して分析できるようになりました。

協力会社を巻き込んで、一緒に課題解決に取り組むのが鍵

Q.導入にあたり、尽力された点、苦労された点を教えてください。

加藤様:MOVOの導入については、SC業務課と現場、子会社のJパック、配送パートナーを巻き込んで取り組みました。特に力を入れたのは、課題を共有することです。我々だけにメリットがあるわけでなく、みんなにメリットがあるということを理解いただけたので、スムーズに導入ができたと感じています。導入前にオンラインでの事前説明会やトライアル期間を設け、丁寧にコミュニケーションを取れたことで、みなさん慣れてくださり、配送パートナーからも好評です。

Q.操作が難しいという声はなかったですか。

中西様:ほとんどなかったです。私でも簡単な操作で予約できます(笑)。ガラケーでも使えますしね。Hacobuさんにお力添えいただいた事前説明会には他の工場のSCメンバーも参加していて、興味を示していました。静岡工場がチャレンジングなことをしているという期待感も高まっていました。

Q.予約対象の車両では予約率100%と聞きました。工夫された点を教えてください。

朝倉様:ドライバーへ直接周知をしたことです。当初、配送パートナーに聞いたところ、配車担当者が予約しているところが多かったので、ドライバーに直接予約いただきたいという話をしました。メリットをしっかり説明し、ご理解いただいたところが大きいです。特に静岡事業所の場合は、固定のドライバーが来るので、コミュニケーションを密に取れたのも効果があったと思います。

中西様:配送パートナーも非常に協力的で、一緒にやっていきましょうという姿勢で対応してくださいます。そうした関係性を作れたこともプラスでした。押し付けるのではなく、一緒に課題に取り組みましょうという形が良かったのだと思います。

加藤様:受付の仕組みは、みなさんに問題なく理解いただいたのですが、タブレット操作に不慣れなドライバーが多く、最初はそこに苦労しましたね。iPadを使用しているのですが、年配のドライバーは文字入力に戸惑うことも。そういった方も今は慣れてらっしゃいます。当社のグループ会社であるJ‐パックの方たちが、ドライバーに登録のフォローを最初にしてくれました。そうした事前準備がしっかりできていたこともスムーズな導入につながっていると思います。

ドライバーに「行きたい!」と思われる工場にしていきたい

Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか?

加藤様:最初に皆で話していたのは、ドライバーの皆さんに、あの工場には行きたくない、とは思われたくないよねということでした。なかにはあまり条件の良くない現場もあるのかもしれませんが、私たちは、「行きたくなる工場」にしたいですね。

中西様:日本の物流を弱者にしてはいけない、ということを常に意識しています。昭和のはじめ頃のように「とにかく運べ」「いいから運べ」ではなく、きちんと整理されて、我々もドライバーも無理のない、持続可能な物流を築いていきたい。時には無理する必要もありますが、配送パートナーに無理を押し付けるのではなく、我々にもできることがあるのではないか──。そういうことを常に配送パートナーと話し合っていくことを心掛けています。ちなみに、ドライバーからは物流現場によってシステムが違うのではなく、Hacobuにすべてのプラットフォームを取りまとめてほしい、とよく言われます。

加藤様:現在、予約システムは2〜3割の車両を対象にしていますが、今後は分析を重ね、静岡事業所の全工場・全部門の車両に展開していくことが重要だと考えています。その結果、ドライバーにとって来やすい、作業しやすい工場になることが、様々な問題解決につながるのではないでしょうか。

Q.これから検討する方へアドバイスをお願いいたします

中西様:MOVOは扱いやすいですし、システム導入に向けた様々なサポートをしてくれるんです。現場にマッチする運用を提案してくれますので、ぜひ話を聞いてもらうのが良いと思います。

株式会社J-オイルミルズ中西様、加藤様、朝倉様、ありがとうございました!