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トラック予約システムを3カ月で全24拠点に展開! 本社主導 × Hacobuの運用ノウハウで実現した短期導入の舞台裏

更新日:2025年03月27日
導入サービス
MOVO Berth
会社名
MDロジス株式会社
導入拠点数
24拠点
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MDロジス株式会社は、半導体から、家電、空調機器、自動車機器、昇降機、FA機器、重電機器、防衛・宇宙まで多種多様な製品に柔軟に対応可能な物流ノウハウを有し、トータルロジスティクスサービスを提供する企業です。市場に最適な拠点・輸送手段選定から、包装提案、現地での搬入・据付まで、ワンストップで対応しています。

同社は、トラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を、導入済みの10 拠点に加え、新たに工場直結の事業所・ロジスティクスセンター含む主要24拠点に一括で追加導入しました。この導入プロジェクトは同社 物流戦略統括部が主導することにより、2024年1月から3月までのわずか3カ月で導入を完了させ、対象拠点の荷待ち・荷役時間のデータを取得することに成功しています。

執行役員 物流戦略統括部 物流企画部長 古舘様、物流戦略統括部 物流企画副部長 樋口様、物流戦略統括部 物流技術部 基礎技術グループ グループリーダー 木下様、そして物流戦略統括部 物流技術部 基礎技術グループ 主査 岩﨑様の4名にお話を伺い、プロジェクトを成功に導いた秘訣や体制について伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年11月)現在の情報に基づいています。

導入前の課題
  • 法改正対応に迅速に取り組むべく、全社的な荷待ち・荷役時間の把握が必要だった
  • 多種多様な商品を取り扱っているため拠点ごとにオペレーションが異なり、全社的な改善に取り組みづらい状況だった
導入後の成果
  • 本社×Hacobuの導入プロジェクトチームを立ち上げ、3カ月で24拠点への導入を完了させた
  • 全拠点の荷待ち荷役時間データを統一基準で取得・可視化し、継続的な改善サイクルを確立
  • 本社と現場の相互理解や、法令への理解が促進された
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選んだ理由は、”シェアNo.1”に裏付けられたドライバー認知度の高さ

Q. MOVO Berth導入の背景を教えてください

古舘様: 当時は、2023年6月に国土交通省・経済産業省・農林水産省から開示された「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を受け、コンプライアンス対応として取り組みを加速させる必要がありました。

一方で、当社では小さな半導体から、大型家電、超重量物まで多種多様な製品を取り扱っています。それぞれの運び方や荷扱いが製品ごとに異なり、各拠点が独自のオペレーションを構築していることから、荷待ちなどのロスを減らす策を拠点ごとに検討しなければなりませんでした。

MOVO Berthを通じてデータを分析することで、各拠点の荷待ち・荷役時間の削減をはじめとする継続的な物流プロセスの最適化を目指し、まずは荷待ち・荷役時間のデータを全社統一のKPIとして取得を始めました。

Q. MOVO Berthを選択した理由を教えてください

樋口様: 先行して導入していた10拠点での評判を踏まえ、MOVO Berthの追加導入を決定しました。

選択した理由は、3点あります。

1つ目は、トラック予約受付サービスでシェアNo.1(※1)であることです。ドライバーさんがMOVO Berthの使い方を既に認識しており、我々からの周知や教育の工数が大きく軽減されます。また、将来的には、MOVO Berthに蓄積された企業間データ共有により、さらなる物流効率化も見込めると期待しています。例えば、我々の出荷先拠点でもMOVOが使われていた場合、1運行ごとの荷待ち・荷役時間のデータが取得できることとなり、さらなる改善に活かすことができるのではと期待しています。

次に、MOVO Berthの画面がシンプルで使いやすい点です。毎日多くの方が操作するため、初めての方でも直感的に使えることがメリットと考えました。また、今回の導入プロジェクトでは全拠点の「荷待ち・荷役時間の把握」を目的としていました。データ集計作業が容易であることも重要な観点でしたが、データによる改善を重視するMOVO Berthのコンセプトとも一致していると感じます。

MOVO Berthは様々な運用にも対応できる豊富な機能を有しており、コストパフォーマンスも良いと感じました。特に便利だと感じるのはバース専有設定の機能です。ドライバーさんに予約いただいた情報によって、車両をどのバースに割り当てるかルール設定を行える機能で、各拠点の導線にあわせたバースに誘導できます。

Q. MOVO Berthを24拠点に一括導入したプロジェクトについて教えてください

樋口様: 2023年7月に物流技術部、情報システム部、物流企画部の3部署が統合され、物流戦略統括部が発足し、全社的な物流戦略を遂行する役割を担っています。

2023年末に「全拠点の荷待ち・荷役時間を把握し、削減すること」を目的とし、トラック予約受付システムを展開する意思決定を行い、我々が推進を担うこととなりました。3カ月と限られた期間での導入を実現するため、トップダウンで迅速に導入を進めるべきだと考えました。

木下様: Hacobuで3カ月全体のスケジュールを作成していただき、そのスケジュールを基に具体的な取組事項の設定や社内調整を実施、稼働に向けて計画的に実行していきました。1月に物流戦略統括部でプロジェクトチームを構築し、2月にKPIや運用パターンを決定しました。その後、各拠点や取引先への展開を順次進めていきました。導入にあたり、Hacobuの営業・カスタマーサクセスの方と密に連携し、質の高いサポートが受けられたことに満足しています。

Hacobuのサポートが優れていると感じる点は大きく2点あります。

1つ目は、カスタマーサクセスの方の知識が豊富で、経験に基づいたアドバイスをいただける点です。拠点ごとにWeb相談会を実施した際には、別の拠点の者も自由に出入りできるようにしようと提案いただきました。拠点間で同様の悩みを持っているケースもあり、参考になったと非常に好評でした。限られた期間の中でも効果が最大化できるようなアイディアを出していただきました。

2つ目はバックアップ体制です。導入の意思決定をしてからわずか数日で、Hacobuでも当社専属のプロジェクトチームを構築され、強力にバックアップしていただきました。私たちに導入ノウハウがない中で複数拠点への導入を進めることに不安が大きかったのですが、複数名のカスタマーサクセス担当者が細やかにフォローしていただけるので、頼りになりました。我々からの無理難題を形にしていただいたと思います。

「ルールの標準化」と「双方向のコミュニケーション」で、短期間での導入プロジェクトを成功に導く

Q. プロジェクトを成功させる上で重要だと思うポイントを教えてください

樋口様: 「ルールを標準化すること」です。全拠点の荷待ち・荷役時間に関するデータをKPIで可視化するため、事前に運用パターンや定義を統一しておく必要があります。一方で、各拠点の業務に負荷がかかることは避けなくてはいけません。

そこで、プロジェクトチームで運用パターンを整理した上で、各拠点担当者に必要な機能選定を任せることにしました。様々な役割や規模の拠点が存在する中で、必要な機能は拠点ごとに異なります。各拠点担当者と相談しながら、円滑に運用するためにどうすれば良いのかを一緒に考えました。

岩﨑様: 拠点の方との「双方向のコミュニケーション」が重要です。当初、拠点担当者の中には「MOVO Berthを入れれば勝手に荷待ちがなくなる」と認識していた方がいました。予約運用により荷待ち時間は減りますが、ゼロにはなりません。MOVO Berthを使って荷待ち・荷役時間を定量的に把握し、その上で拠点ごとに改善策を考える必要があることを伝えました。こうした認識の違いを埋めるために、現地訪問やアンケートで拠点の方の声を収集するようにしています。

実は、検討当初は本社によるトップダウンで導入を進めたことを拠点の方から良く思われていないのではないかと考えていました。しかし、拠点の方とのコミュニケーションを通じて、彼らも前向きに改善に取り組んでいると感じ、嬉しかったです。

Q. MOVO Berth導入の苦労を教えてください

岩﨑様: 拠点ごとに使用する機能が違うため、様々な機能や設定方法を理解する必要がありました。拠点の方に設定方法を教えたり、質問に回答したりする必要があるため、MOVO Berthのヘルプ&トレーニングのページを読み込みました。分からない部分は、Hacobuに聞きながら理解を深めました。

Q. MOVO Berth導入の成果を教えてください

岩﨑様: 導入後、対象拠点の実績データを分析したところ、大幅な荷待ち時間の削減が確認されました。MOVO Berthから各拠点の荷待ち・荷役に関するCSVデータをダウンロードし、マクロを組むことによって、各KPIをモニタリングできる仕組みを構築しました。荷待ち・荷役時間や予約率、データ取得率を中心にモニタリングし、滞在時間が2時間を超過した車両が発生した場合には拠点に理由を確認し、改善につなげています。このような分析結果を共有していくことで拠点とのコミュニケーションが増え、相互理解にもつながりました。

樋口様: 今回のプロジェクトを通して、法改正に対する社員の理解が促進されたと感じます。ドライバーの方の負荷軽減のため、私たちに何ができるのか考え、積極的に改善に取り組んでいきたいです。

Q. 今後の展望を教えてください

古舘様: 他のMOVOサービスとのデータ連携させることにより、出荷〜輸送〜納品までのドライバーの一連の動きを可視化できる情報基盤を構築していきたいと思います。将来的には納品先での荷待ち・荷役時間についても計測できるような体制を目指したいと考えています。また、さらなる荷待ちの削減に繋げていくために、荷主/便単位など、より詳細なデータ分析を実施していきます。そのために、入力方法や項目の標準化を進めます。

こうしたデータ分析の加速化・高度化を向上させ、荷主との連携した課題把握、協力会社とのコミュニケーション強化を進め、サプライチェーン全体での品質・納期・環境の最適化を図っていきます。

当社では、多くの協力会社に輸送業務を委託していますが、 これまでは物流業界全体でのIT化も進んでいなかったため、積極的なドライバーの業務効率化に着手できていませんでした。 お客様の手元まで運んでいただいているドライバーの労働時間や生産性向上の改善にも責任を持つべきであり、私たちが取り組むべき物流2024年問題だと捉えています。このような活動を通じて、社会問題の解消に寄与していきたいと考えています。

 

※1 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所『スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2024年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/03240/ バース管理システム市場の売上高および拠点数におけるシェア

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