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荷主と連携し、物流DXを推進 荷待ち待機削減と庫内保管効率30%向上

更新日:2023年11月08日
導入製品
MOVO Berth(予約・受付)
用途
出荷
会社/事業所・拠点名
山藤運送株式会社 門真営業所(王子インターパック関西工場内)
所在地
大阪府門真市
延床面積
20,000㎡
バース数
5バース
一日あたりの受入車両台数
40台~50台

物流サービス企業エスエーグループの山藤運送の門真営業所は、王子ホールディングスで重量物包装段ボールの製造販売を行う王子インターパックの関西工場内にあり、全国に梱包資材を輸送する業務を請け負っています。

2020年4月からトラック予約受付サービス MOVO Berth(ムーボ・バース)を導入いただいており、当初運用が軌道に乗らなかった点を改善しながら、倉庫の保管効率を30%高めるまでに活用していただいています。

今回、輸送に関わる責任者である運輸総括部長の大坪様にお話を伺いました。

運輸総括部長 大坪 司朗 様

導入の背景
  • 待機車両と積込の非効率。関係者各自の都合の押し付けあいが発生
導入の決め手
  • 他の手法ではコストや付帯業務の条件が合わなかった
導入の効果
  • データで責任の所在をハッキリと。倉庫の保管効率が30%向上

 

待機車両と積込の非効率。関係者各自の都合の押し付けあいが発生

Q.MOVO Berthの導入前の課題を教えてください

課題は2つで、1つは早朝のトラック待機問題です。先着順で受け付けていたので、積込トラックの8割が早朝~正午に集中していました。トラック待機所は6台分しかなく、満車時は一旦待機所外に移動してもらっていました。そのトラックが数十台、工場周辺の路上で待機するので近隣からクレームが発生していました。
また、当日配送分の出荷トラックを優先する場合や、ドライバーが積荷や行き先を理解しておらずその確認を行う場合などで、車両の待機時間が長くなっていました。

2つ目は、出荷業務のスケジュール管理です。段ボールの出荷では、車両の容積目一杯に積込むために、リフトマンが車両の容積目一杯に積込むためのシミュレーションを頭の中で行っています。トラックの受付が先着順だと、事前にシミュレーションがでませんし、それに応じた荷揃えもできず、出荷業務にかかる時間が長くなってしまいます。また、倉庫の敷地が狭いため、1日の出荷業務が終わってからでないと製造工場からの入庫ができず、荷主側でも残業時間が増えてしまっていました。
出荷順が分からない状態だと、製品の保管が効率的に行えず、最大保管キャパシティーに対し保管効率は50%程度に留まり、また焦った積込み作業は誤配送の発生にも繋がっていました。

今までは部分最適で、運送会社、メーカー営業、工場、倉庫が各自の都合を互いに押し付けあっていたと思います。昨年コロナウィルスの影響で売上が下がった時に、弊社の力でお客様の問題解決ができないかと、外部コンサルティングサービスの利用や、RFIDの活用を模索しましたが、予算が合わない、RFIDを取り付ける作業の煩雑さなどで断念していました。

他の手法ではコストや付帯業務の条件が合わなかった

Q.MOVO Berthを選んだ理由は何でしょうか?

トラック予約受付サービス MOVO Berthなら、バースのコントロールが可能になり、待機問題も積込みの非効率の問題も解決できると考えたからです。
荷主を待機時間問題などから守るための投資と考え、自社の費用負担でも導入する意味があると決断しました。荷主からお金を貰えないと改善できないというのは理由にはならないと思います。

Q.MOVO Berthをどのように活用されていますか?

待機所の入り口にタブレットを設置して受付にしています。また、各リフトにタブレットを設置し、リフトマンが呼出し業務を行っています。


データで責任の所在をハッキリと。倉庫の保管効率が30%向上

Q.MOVO Berth導入後、どのような成果が出ていますか?

成果はいくつかあります。
一番はトラックの待機時間について実績データで会話できる点です。今まではドライバーさんや車両を手配する各営業所の印象で語られることがありました。MOVOにより待機時間の責任の所在をハッキリさせ、出荷のボトルネックを把握できたので、改善に向けた対策が取れます。

予約時間があることで、ドライバーさんはスケジュールに見通しが立つので休息を取りやすくなったと思います。2021年4月以降はコロナ前より出荷量が30%増加したので、その対応を検討しております。逆に言えばトラック予約受付システムを導入していたので、出荷がスムーズになり、なんとか対応できているとも言えます。

庫内側では、予約内容を見れば引き取る製品の順番が把握できるので、事前の荷揃えや、荷物を積み上げる等のレイアウトの工夫ができ、倉庫の保管効率が30%程度改善しました。各リフトマンがタブレットでバース・出荷の状況を確認できるので、フォローし合ったり、チェックし合うことで誤出荷の防止にも繋がっています。

他にもリフトマンがSMS(ショートメッセージ)で待機車両の呼出しができるので、月に3営業日分の工数を削減できています。従来は、車両の呼出し業務に1台2分程度かかり、日々40台以上の対応をしていました。

ドライバー予約機能の利用で、運用がスムーズに

Q.導入時に苦労したポイントと、その対処方法は何でしたか?

当社は荷主であるメーカーの関連企業ではありません。請負会社である当社が荷主の工場、営業所と調整を重ねていくのは苦労しました。

門真営業所に来場する車両の6割は、納品先のお客様が車両を手配する、引き取り車両です。2020年4月にMOVOを導入した際は、引き取り車両に予約を入れてもらうハードルが高く、上手く運用することができませんでした。そこでドライバーが予約できる機能を採用し、お客様の手を煩わせる必要がないようにしました。

お客様にドライバー予約を説明する資料は、MOVOのカスタマーサクセスに資料の雛形を作成してもらい、弊社に合わせた要素をプラスしてカスタマイズできました。

荷主の「売るためのお手伝い」をしていきたい

Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか?

MOVOのオンライン受付機能をドライバーに使ってもらえば、門真営業所の近くに到着したことを我々がシステム上で把握することができます。それにより、守衛の受付業務を削減できるので、空いた時間をメーカー工場側のサポート業務に充てることができます。

また、バースのスケジュール表をメーカー営業所、ドライバーも閲覧できるようにし、出荷状況を各関係者が把握できるようになれば、お客様からの状況確認の電話を減らすことができます。倉庫、輸送の課題を解決し、物流業務の品質を上げることで、荷主の「売るためのお手伝い」をしていきたいと思います。

エスエ―グループ 山藤運送株式会社 大坪様、ありがとうございました!