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バース管理のデジタル化で現場の改善活動が加速!デジタル化により導入後全体で1日160分の業務時間削減も

更新日:2024年01月22日
導入製品
MOVO Berth
会社/事業所・拠点名
株式会社LIXIL物流 社物流センター
所在地
兵庫県加東市

株式会社LIXIL物流は、株式会社LIXILの100%出資子会社で、LIXIL商品の物流を担っています。キッチン、浴室、トイレといった水回りの製品や、ドアやシャッターといった住宅建材の物流を主に取り扱っており、物流のエキスパートとして、最適なバリューチェーンを構築・提案している企業です。

兵庫県 加東市にある社(やしろ)物流センターではキッチン商材をメインに取り扱っており、当センターでは1日の車両出荷台数が約100台となっています。地場配送においては2t車両、長距離に関しては大型車両を使用して協力会社の拠点へ配送しています。

今回は、株式会社LIXIL物流の木下様、木谷様、山崎様に、MOVO Berthの導入の背景や具体的な成果、 また成功の秘訣についてお話を伺いました。

導入前の課題
  • 遅刻の削減や作業時間削減に取り組みたくても、バース管理をホワイトボードで行っていたため、バースの稼働履歴がデータとして存在せず、改善の糸口が掴めなかった
  • 積込み完了時間が20時を超過し、残業が発生していた
導入後の成果
  • バース管理をMOVOで行うことで、データが蓄積できるようになり、様々な分析により改善の糸口を掴むことに成功した
  • 定量的なデータを基に会話ができることで、関係者間で共通認識を持つことができ、社員だけでなく、運送会社や庫内作業の請負業者も含め、「チーム社(やしろ)」として一体感を持って改善に取り組めるようになった

  • バース管理のデジタル化により、庫内作業が効率化し、非効率な電話のやりとりがなくなったことで、導入後にセンター全体で1日160分の業務時間を削減できた

ホワイトボードでバース管理を行っていたため、改善の指標を立てることすら困難だった

Q.MOVO Berth導入の背景を教えてください

木谷様:物流の「2024年問題」を目前にし、まずは社物流センターにおける車両の滞在時間を待機時間、荷役時間なども含め可視化すべきと考えました。車両の滞在時間については、これまでも紙に記録したものを表計算ソフトに入力・集計し確認していましたが、時間がかかり、改善のアクションまでのリードタイムが長くなるという課題がありました。

弊社の他の拠点ですでにMOVOの導入実績があったこともあり、車両の滞在時間の実情を明らかにするべく、導入にいたりました。

Q.MOVO Berth導入前の課題を教えてください

木谷様:MOVOを導入する前のバース管理は、センターに常駐する運送会社の配車担当者がホワイトボードで行っていたため情報は残らず、遅延や荷待ちなどの情報は倉庫担当者の頭の中にしか残っていない状態でした。

遅刻の削減や作業時間の削減を行いたいと考えている一方、データが残っていないため、何をどのように改善すべきかの指標を立てることすら困難でした。そのため、データを蓄積できるようにバース管理をデジタル化しようと考えました。

Q.MOVO Berthを選択した理由を教えてください

山崎様:当社の別の拠点においてMOVOの導入実績があったことから、バース管理システムを探している旨を伝え、紹介していただきました。他社のサービスも検討しましたが、実際にMOVOを触ってみて使いやすいという印象を抱き、MOVOの導入を決めました。

導入当初は、ショートメッセージ機能が想定より高額という印象で、かろうじてペイできるか…と不安でしたが、日々効果が出ている実感があります。

MOVO導入後は滞在時間の情報が即座に可視化できるように

Q.MOVO Berth導入の成果を教えてください

木下様:MOVO導入後は、待機時間・荷役時間を含め、滞在時間の情報を即座に可視化できるようになりました。以前は表計算ソフトへの入力や集計に手間と時間がかかり、改善のアクションに繋げづらかったのですが、即座に可視化できるため、積極的に車両の滞在時間の削減に着手できるようになりました。

導入前の滞在時間は平均2時間4分でしたが、車両の待機時間を削減することにより、滞在時間を平均2時間以内に削減をすることができました。次の目標としては、政府からの「物流革新に向けた政策パッケージ」に掲げられている「1時間以内」の目標に向け、さらに滞在時間の削減、特に荷役時間の削減を目指したいと考えています。

データで可視化されたことで、課題を具体的に認識することにつながりました。例えば、ばら積みしていたところの半パレット化を進めたり、スライダーボードの設置をしたり、工場長を巻き込んでプロジェクト化をしたりと、様々な改善策に取り組んでいます。

また、MOVOのデータを分析することで、日々の状況を定量的に把握できるようになり、その結果を運送会社とも共有することで、一緒に改善の切り口を議論できるようになったことも大きな成果です。運送会社との間には、良い意味で緊張感が芽生え、「一緒に改善していこう」という姿勢に変わってきたように思います。

自社の若手社員も改善活動に積極的に関与するようになりました。自社の社員だけでなく、運送会社や庫内請負業者も含めた「チーム社(やしろ)」による改善活動が進み始めていることを日々実感しています。

木下様:過去の運用では、トラックがいつ入ってくるかわからない状態でした。庫内作業担当者から当センターに常駐している運送会社の配車担当者に都度電話で確認し、配車担当者からドライバーに確認という非効率な電話のやり取りが発生していましたが、今はMOVOを見れば何時の入場予定かがわかるので、その必要がなくなりました。

バース表を見ながら接車バースの入れ替えなども行うことができるので、バースの有効活用と庫内作業者の業務効率化にもつながっています。

庫内の作業効率が向上し、非効率な電話でのやりとりがなくなったことで、一日一人あたり20分の業務時間の削減ができ、全体では事務所4人、現場4人の計8人で160分の削減ができました。

ドライバーや運送会社からも、連絡の手間が減って助かっているとのコメントをいただいております。

ドライバーさんにまず使っていただきメリットを感じてもらうことで利用が浸透

Q.MOVO Berth導入の苦労や運用成功の秘訣を教えてください

木谷様:実際の効果がわかりにくいという理由から、社内承認を得るのに苦労しましたが、すでに導入していた他拠点での効果を説明することで、社内を説得することができました。導入にあたっては、当初から運用設計が肝だと感じていたため、しっかりとプロジェクト体制を組み臨みました。この「プロジェクト化をして運用設計をする」ということが成功の秘訣だと感じています。

一方で、ドライバーの方たちからは、自分たちにメリットがあるのか?との声が上がりました。責任者クラスの方に対しては、説明会を実施し、ドライバーの方たちには「まずは使ってみてほしい」とお伝え、まず使っていただくことに注力しました。センターのメンバー全員で、来場したドライバーさんに丁寧に根気よく説明したことによって、今ではMOVOの受付の利用率が97%まで浸透しています。今期中には、すべてのドライバーさんにMOVOを使っていただくことを目指しています。

当センターでは、センター側で車両の入場予定を予約情報としてMOVOに登録し、ドライバーさんに予約時間をSMSで通知するという運用を行っています。当初は、MOVOに全ての予約情報を手入力していたため手間がかかっていましたが、現在は、基幹システムの受注データを加工し、MOVO Berthに投入することができるようになり、容易に予約情報を入力できています。

Q.今後の展望を教えてください

山崎様:現在月次で行っているデータ分析を日次で行いたいと考えています。改善のPDCAを高速に回すためにも、日々データ分析をすることが理想的ですね。

滞在時間を平均では2時間以内に削減できているものの、2時間を超えている車両がまだ5%あるのが現状です。2時間を超える車両をゼロにし、滞在時間の平均を1時間以内にすることが今後の目標です。可能な限り専用パレットにして手積みをなくし、より効率的に荷役作業ができるようにしていくことで、より効率的な次世代の物流拠点を構築していきたいと考えています。

今回導入したMOVOのデータを活用し分析を進めていくことで、滞在時間超過ゼロの目標達成を目指していきます。