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自社の動態管理システムから「MOVO Fleet」に切り替え、年間約200万円のランニングコストの削減に成功!「選ばれる物流会社」を目指してCO2排出量や積載率の可視化にも注力

更新日:2024年01月22日
導入製品
MOVO Fleet
会社/事業所・拠点名
株式会社日本陸送 全拠点
所在地
三重県鈴鹿市

株式会社日本陸送は、ニッコンホールディングス株式会社の地域子会社として1960年に創業しました。

本社を三重県に置き、愛知、岐阜、埼玉、岡山、熊本、北九州に合計22の事業拠点を構え、「輸送」・「保管」・「梱包」・「設備営繕」を事業の四本柱として、広く展開しています。

既存事業の深化と新たな挑戦を続け、得意分野である自動車産業に裾野を広げつつも、他産業にも積極的にアプローチを行い、総合物流サービスの提供によって「存在価値と期待に応えるロジスティックカンパニー」を目指しています。

主要事業である「輸送」業務については、230台の車両を保有しており、主要取引先である本田技研工業をはじめとした自動車部品の輸送を中心に業務を行っています。動態管理サービス「MOVO Fleet」の導入背景や成果、 成功の秘訣について、株式会社日本陸送の取締役 輸送事業部 兼 営業戦略部 部長 早川興信様、安全品質管理部 品質管理課 長嶋佳朗様にお話を伺いました。

導入前の課題
  • 外部ベンダーに依頼して開発した自社の動態管理システムを運用していたが、端末の増加に伴って通信不具合や動作不良が多発していた
  • 自社の動態管理システムの運用や改修に大きなコストがかかっていた
  • 自社の操作性も複雑だったため、現場担当者にとって使いにくく、結果的に使われないシステムになってしまった
導入後の成果
  • 自社の動態管理システムと比較して、年間のランニングコストを約200万円削減できた
  • 渋滞や事故・天災による道路閉鎖などの交通障害の発生に対し、ルートプランニングや乗務員への指示対応のスピードを格段に向上できた
  • 全ての運行状況をリアルタイムで把握できるため、電話対応が半減し管理者の負担を軽減できた
  • CO2排出量の可視化により荷主企業への新たな価値提供ができた

輸送品質向上のためリアルタイムで動態管理を実施

Q.MOVO Fleet導入の背景を教えてください

長嶋様:弊社では、約5年前から外部ベンダーに依頼して開発した自社の動態管理システムを使用していました。スマートフォンのGPS情報を活用したシステムでしたが、導入台数が100台を超えた頃から、端末の増加に伴った通信不具合や動作不良が多発している状況でした。

それだけでなく、不具合を直すためのシステム改修の費用が高額になるということもあり、SaaS型の動態管理システムの導入を検討したことがきっかけです。

Q.MOVO Fleet導入前の課題を教えてください

長嶋様:自動車部品を運ぶ、中距離のジャストインタイム(JIT)物流(*1)において、遅延防止などの輸送品質向上を実現するために、自社開発した動態管理システムを使用していました。動態管理はトラブルを解決するためでなく、遅れずに配送しトラブルを未然に防ぐための対策として、リアルタイムで動態管理を行っています。

自社開発した動態管理システムは、度重なる不具合への対応や、システム改修への投資が必要であることに加えて、安定的に運用できないこと、操作性も複雑であったことから、現場が使いにくく、使われないシステムになってしまっていることが大きな課題でした。

*1:トヨタ生産方式を物流に応用した「必要なものを必要な時に、必要な量だけ配送する物流システム」のことを言う

物流会社にとって不可欠な情報の取得・管理機能が備わっていた

Q.MOVO Fleetを選んだ理由を教えてください

長嶋様:複数社を比較しましたが、まず、低コストであることが大きいですね。自社システムと比較すると40%も低価格で、他社と比べても低コストでした。

2点目は、スマートフォンなどの機器が必要なく、シガーソケットへ差すだけという手軽さです。日々の端末管理や操作が不要なため、協力会社にもスムーズに導入することができると考えました。

3点目は、機能の豊富さです。近年デジタコにも動態管理サービスがあるものも多いですが、多くのサービスは位置情報サービスのみとなっています。

MOVO Fleetには、配送計画機能や荷物荷量管理機能など、私たち物流会社にとって、今後必要不可欠な情報の取得と管理が出来る機能が十分に備わっており、導入に至りました。

Q.MOVO Fleetの現在の活用方法を教えてください

長嶋様:現在、中距離のJIT納入のトラックにおいては、最適化を目的として輸配送の時間軸を含めた計画を立てて、実績と比較しています。荷主企業のオフィス内に弊社の事務所を構えているため、荷主企業はいつでも確認できる環境になっており、そこで情報共有をして活用しています。

弊社から荷主企業への共有を提案したところ、大変ご好評いただいており、1日数回ご覧になっていると話を伺っています。

具体的には、渋滞や天災が発生し遅れが生じた際に、ダイヤや走行ルートの見直し、増便を検討するという方法でデータを活用しています。

現在では、自社の全車両230台に加えて、約70台の協力会社車両にも導入することができました。自社の車両では永続的に取り付けていますが、協力会社の車両においては、弊社の仕事をする業務以外のときは取り外すという運用をしていただいています。

Q.MOVO Fleet導入の成果を教えてください

長嶋様:まず、コスト面について大きな成果がありました。以前の自社システムと比較すると、年間約200万円のランニングコストを削減することができました。また、渋滞や事故・天災による道路閉鎖などの交通障害の発生に対し、ルートプランニングや乗務員への指示対応スピードが格段に向上しました。

システム導入のコストは営業所負担ですが、MOVO Fleet導入後はランニングコストが下がり、良い成果が得られているという共通認識があります。MOVO Fleetについては、すでに営業所の所長たちからも「いいものだ」とお墨付きをいただいています。

ルートプランニングや乗務員への指示について、以前は、各営業所の運行管理者が多数の乗務員と電話連絡で位置情報を確認・把握して対応していましたが、現在はリアルタイムで全ての運行状況を把握できるため、電話対応が半減したことで、管理者からも喜びの声をいただいています。

MOVO Fleetは、日々の端末管理や操作が不要なため、教育に時間をかけずに展開ができ、現場からも大変喜ばれています。現場に足を運んだ際に、ドライバーから「携帯を触らなくてよいからめっちゃ楽やわ」という声を直接いただくこともありました。営業所の所長からも好評のため、全車両に取り付けて欲しいとの要望もいただいています。

また、昨今は荷主様においても、CO2排出量の管理や積載率の可視化への取り組みを重要視されており、物流会社選定の指標のひとつとなっています。

少し前の時代では、低コストや効率といった観点が重視されていました。しかし、現在は低コストであっても環境への配慮ができていない物流会社は選ばれなくなってきている、ということを実際に肌で感じています。そのため、CO2排出量の管理や積載率の可視化など、何か新しい取り組みをMOVO Fleetを通して行うということについても、「どんどん導入したい」とポジティブな姿勢が伺えます。

CO2排出量の管理については現在進めている段階です。これまでは、要求されている顧客にはトンキロ法で算出して提出していましたが、工数がかかることが課題のひとつでした。MOVO FleetによりこのCO2排出量可視化の工数が一気に削減されました。

私たちは、MOVO Fleetを導入していることでCO2排出量可視化をスムーズに行えることを営業手段のひとつとしても活用させていただいていますが、物流会社だけでなく、荷主様、サプライヤー様にとってもMOVO Fleetはいい武器になるのでは、と考えています。

Q.MOVO Fleet運用成功の秘訣を教えてください

長嶋様:何かを変えたり、新しいことを始めたりする際には、どうしても抵抗感が生まれるものです。そのため、どのように現場に普及させていくかを検討しました。一気に導入するのではなく、まずは地域ごとの複数営業所という単位でスモール展開を心がけました。

「MOVO Fleet=いいもの」ということを徐々に浸透させる形を目指す中で、社内説明会を実施した際には、Hacobuさんに何度もご協力いただき大変助かりました。

Q.今後の展望を教えてください

早川様:今後実現したい具体的な目標は2点あります。

1つ目は、物流会社選定の重要な指標となっているトラックのCO2排出量の可視化です。

営業所別、車両別ではCO2排出量の可視化が可能であることがわかっていますが、顧客別のCO2排出量の可視化を目標としています。全営業所に地点登録をしてもらうことによって、顧客別で可視化ができるのではないか、と考えています。

最終的に、私たち物流会社としては、営業所別・トラック別・顧客別にCO2排出量の管理をリアルタイムで当たり前にできることを目指しています。営業活動の際の新しい価値としてCO2排出量可視化の提案や、顧客へのCO2排出量の情報提供も計画しています。

2つ目は、積載率の可視化です。MOVOを活用し、トラックの積載率をリアルタイムに把握し、 最適な荷物の配置、トラックの選択を行うことによって、積載効率の向上とCO2排出量の削減を目指しています。これについては、 現在はモバイルコントローラーでのトライアルを実施中です。

ドライバーに負荷をかけないレベルでできることや、地点ごとの積載率について把握できることが明確になりましたが、どう活用していくのかが課題ではあります。

MOVO Fleetを活用することで物流業務の効率化や低コストの実現を目指すことができます。さらに私たちはMOVO Fleetから取得できるデータを活用することによって、輸送品質やサービス品質の向上を目指していきたいと考えています。

どちらの取り組みも、環境面と効率化の双方で効果が期待できることから、顧客はもちろん社会にも貢献できると信じて、今後もMOVOを活用していきます。