到着順でのバース占領による車両待機が最優先課題
Q.MOVO Berthの導入前の課題を教えてください。
一番の課題は、トラックの待機問題です。今までは、5つあるバースを車両の先着順で受け付けていました。
バースが空いていれば、小口車両は短時間で作業を済ませてすぐに退場できるのですが、大口車両がバースを埋めてしまうと、小口車両は待たなくてはなりません。いつ、どのような車両が来るのかを把握できないことで、待機時間の予測や車両の誘導などの整理が難しく、待機時間が3時間になってしまうこともありました。
中には、ドライバーから荷主に直接クレームがいってしまうということもありました。
ドライバー予約と現場運用の工夫で、待機削減へ
Q.MOVO Berthを選んだ理由は何でしょうか?
車両待機に問題を感じていた当社代表取締役社長の島村が導入を決めました。
島村からMOVOについて説明された当初、庫内スタッフの間ではバース管理で費用対効果が出せるのかという声もあり、半ば半信半疑で導入を進めましたが、MOVOを導入した今は、その効果を実感しています。
Q.現在はどのように活用されていますか?
入荷と出荷の車両に予約を入れてもらい運用しています。これまで、何時に到着できるのかはドライバーにしか分からない状況でしたが、ドライバー自身に予約をしてもらうことで、作業効率が格段にアップしました。
バースは“予約用”という実際に存在するバースと、“保留用”というシステム上の仮想バースを使い分けて管理しています。
ドライバーが引き取りに来ていてもまだ倉庫にオーダーが入っていない場合や、ドライバーが近隣の他倉庫を回っている場合などは一旦保留に。作業できる状況になった段階で、どのバースにするかを決めています。
現場スタッフと受付スタッフの2チーム間で、同じ画面を見ながら車両や作業の状況を共有できるのがいいですね。各車両の作業状況を把握でき、作業終了時間の見込みも立てられるようになりました。
待機時間を大幅削減。導入後半年で成果を実感
Q.MOVO Berth導入後、どのような成果が出ていますか?
車両の待機時間は大幅に削減できています。入出庫が多い時期は、3時間ほどの待機もありましたが、長くても1時間程度に抑えられました。これは導入直後から見えた成果です。
またドライバーとのやりとりが簡潔になったことで、作業がスムーズになりました。
現在の予約率は60~70%です。半年ほど経ち、ようやくドライバーたちに浸透してきたように感じます。
ドライバー同士のネットワークで使い方が浸透
Q.導入にあたり、苦労されたポイントはありましたか?
冷蔵倉庫の場合、保管料を2期制にしているところが多く、毎月1日・16日の期替わり直前、直後は車両が集中します。期替わりのときは、初めて来るドライバーも多いので、システムを新たに説明する必要がありました。スマホを触ったことがないというドライバーも多く、初めてのドライバーへの説明には時間をかけました。
マニュアルを配布して丁寧に説明していきましたが、なかには、面倒だと逃げ出すドライバーがいたことも。事務所スタッフが根気よく説明することで、今ではそのドライバーも使いこなしています。
冷蔵業界はドライバー同士の繋がりが強く、ドライバー同士の間で浸透していった部分も大きいと思います。ドライバーも待ちたくないという気持ちがあるので、口コミ効果で広まっています。
待機ゼロに向けて。さらなる管理を徹底したい
Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか?
予約時に伝票を添付してもらう機能は、今後もっと活用できそうです。事務所で添付資料を見れば、より管理がしやすくなり、業務改善につながると考えています。
また、現在の待機時間は長くても1時間程度に削減されましたが、さらにデータを分析することで、より短縮できるよう役立てていきたいですね。
丸三冷蔵株式会社 藤原様、ありがとうございました!