2024年問題の対策を行い、傭車から選ばれるためのアピールにしたい
Q.MOVO Berthの導入前の課題を教えてください
大きくは2024年の働き方改革関連法施行によるドライバーの残業時間の制限に向けて、様々な取り組みを検討していました。
その中でトラックの長時間待機が課題になっていました。20~30分の待機が常態化しており、雨天時や繁忙期は1時間、時には4時間の待機が発生することもありました。積込み場所である荷主工場のバースは狭く、入場できるトラックの台数が限られていました。車両は待機所で待機をしてもらい、バースのリフトマンから合図が出たらトラックが接車できる運用でした。受付・待機所は2名体制で、リフトマンからの合図を都度ドライバーに伝達する仲介役も担っていました。待機時間が長いときはリフトマンに作業を早めてほしいと催促の連絡をするのですが、ドライバーとリフトマンの双方に気を遣うことになり、人間関係でトラブルが発生することもありました。
2つ目の課題としては、施設内にできた新倉庫での入出庫作業です。今後全ての出庫を新倉庫に移行しようとしているのですが、トラックの入場後に準備をしていたので、非効率で昼休憩も取れなくなる問題が発生していました。
このような背景から、2024年問題の対策として荷主と協議し、トラック予約受付システムを導入することにしました。待機時間が少ないことは傭車から選ばれるためのアピールになります。
ドライバーがMOVO利用経験があり、導入ハードルが低かった
Q.MOVO Berthを選んだ理由は何でしょうか?
MOVOを選んだ理由は、当社と取引がある大手通販会社さんが導入しており、予約者として当社ドライバーが利用経験があり、馴染みがあった点です。また比較した複数のシステムの中で低価格だった点です。他社は導入に数百万円かかるものもあり、イメージした予算感とは異なりました。
Q.現在はどのようにお使いいただいていますか?
工場と新倉庫のバースをそれぞれMOVOで管理しています。工場側では待機所とフォークリフトにタブレットを設置しています。ドライバーの受付状況をタブレットでリフトマンが確認し、直接ドライバーを呼出ししています。
新倉庫側は完全予約制にし、呼出しはなしでドライバーが受付をしたらそのままバースに接車してもらっています。
待機時間は大幅に短縮。受付人員は半分に削減
Q.MOVO Berth導入後、どのような成果が出ていますか?
工場側では事前に予約状況を見ながら出荷準備ができるようになり、庫内作業が効率的になったことで待機時間は5分間程度に短縮されました。また、受付・待機所が1名で対応できるようになりました。SMS(ショートメッセージ)でリフトマンが直接ドライバーを呼出しできるので、その工数が削減されたためです。待機によるトラブルがなくなり、本来の業務に人員を充てることができています。
新倉庫側はバースの完全予約制なので、予約状況を見ながら庫内準備ができ、業務が効率化されています。また、受付後そのまま接車してもらっているので、リフトマンの呼出し作業がなくなりました。今後もこれを維持したいと考えています。
Q.導入にあたり、苦労されたポイントはありましたか?
導入時にタブレットの不具合があったのですが、MOVOカスタマーサクセスに素早く対応してもらえたので安心しました。リフトマンには年配の方もいて、タブレットの操作を心配する声もありましたが、操作方法が簡単だったので特に問題は発生しませんでした。
他には予約者への予約制導入の周知です。周知のためのビラを配布したり、構内に掲出して案内しております。
ピッキング業務の改善にも寄与
Q.当初の想定以外の導入効果はありましたか?
コロナ対策として入退場時の接触を減らすことにも役立っています。積込みが終わり次第そのまま退場してもらっています。入場時に受付システムでドライバーさんの電話番号を取得でき、連絡がつく状況をつくれているからです。
待機時間ゼロの達成と庫内の業務改善を続けたい
Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか?
すべての積込みを一括で新倉庫でできるように、MOVOを活用して待機時間をゼロにできる倉庫体制にしていきたいです。実作業時間などをデータで取得できるので、積込み時間の改善にも力を注いでいきたいと思います。