データの力で物流課題を解決する株式会社Hacobuは、日本触媒がトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を導入し荷待ち削減の成果を上げたこと、ならびにグループ会社の日触物流が配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」を導入したことを発表します。
今回、両システムは、 基幹システムのSAP(※1)と連携していることに加え、「MOVO Berth」は車両の入退場を自動で記録するRFID (※2)ゲートシステムと連携し、物流業務の効率化と標準化を、一層加速させます。
導入の背景
物流領域では、人手不足やドライバーの長時間労働といった構造的な課題が存在します。政府は2025年4月に「改正物流関連2法」を施行し、荷主企業や物流事業者に対し効率化の取り組みを求めています。
日本触媒は、世界シェアトップレべルを誇る高吸水性樹脂や、その原料であるアクリル酸をはじめとする化学素材をグローバルに供給するメーカーです。
今回、主要工場のひとつである姫路製造所において、配車や受付を表計算ソフトや紙台帳で管理していたため、直前の予定変更や受付状況の把握が難しく、可視化不足や属人化が課題となっていました。
こうした法改正対応と業務課題を背景に、物流デジタル化の一環としてHacobuの「MOVO」シリーズに着目しました。購買物流本部・物流統括部と共同で、まず2024年に日本触媒・姫路製造所で「MOVO Berth」をSAP基幹システムとの連携も含めた導入プロジェクトを始動、同時期に入構管理システムの更新を計画していたことから車両の入退場を自動で記録するRFIDゲートとの連携を模索することとしました。
またIT統括部は物流機能を担うグループ会社である日触物流とともに、日触物流姫路事業所受注担当が行っている配車手配業務の標準化、効率化及び委託先運送会社とのスピーディーな情報共有などを目指し、SAP基幹システムと連携することを前提として「MOVO Vista」の導入検討を開始しました。
導入の概要、成果
トラック予約受付システムの導入と成果
- 2024年11月に日本触媒・ 姫路製造所に「MOVO Berth」を導入
- 入場予約システムにより車両到着時間が担当者間で共有できることで、荷役の集中を可能な限り避け、ドライバーの荷待ち時間を削減
- 受付完了の有無や車両到着状況がリアルタイムで可視化され、直前の予定変更にも柔軟に対応可能に。表計算ソフト管理では難しかった情報共有が可能となり、受付、現場、事務所間で個別の問い合わせがなくなり、コミュニケーションが円滑になりました。
- 運送会社との調整を行う連絡ルートが1本化でき、電話等による現場間の情報共有を含めた諸作業にかかる時間を合計で年間約2,000時間、削減できました。
配車受発注・管理システムの導入
- 2025年7月に配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」を日触物流姫路事業所に導入。
- SAP出荷データを自動変換して「MOVO Vista」に取込み、配車指示を統一フォーマットで一元管理できるようになり、従来Faxや表計算ソフトで行っていた煩雑なやりとりを削減。
- 運送会社とリアルタイムで配車情報を共有、配送状況のステータスも画面上で可視化。
- 業務の標準化・可視化、手作業によるデータ加工や紙文書の削減が進み、業務効率の更なる向上が期待されています。

基幹システム連携とRFIDのAPI連携で更なる効率化
- SAP基幹システムとの連携で業務効率化:SAPの出荷データと「MOVO Berth」および「MOVO Vista」の情報を紐づけることで、車両到着と製品データを一体で可視化。紙や表計算ソフトでの照合作業が不要となり、受付、事務所、現場の負担を軽減しました。予約作成に用いるデータを別業務で使用しているデータから流用することで、登録作業にかかる負担も最小限にしました。
- RFIDゲートのAPI連携で受付工数を削減:「MOVO Berth」に入力されたドライバー情報からRFIDゲートに使用するIDカードを作成することで受付担当の作業が不要に、加えて前日までに登録されている荷役は事前準備が可能となり、当日の混雑解消に貢献。来訪データの収集も容易となるほか、入退場データが正確に蓄積され、実績管理の精度も向上しました。
- 導入および連携にあたっては、Hacobuの開発チーム・カスタマーサクセスチームが要件整理からシステム連携およびアップデート・定着までを継続的にサポートしました。

今後の展望
バースごとの荷待ち時間や拘束時間について要因を解析し、トータルの滞在時間を短縮するための取り組みを進めています。また、製造現場側のユーザー登録も進めることで、同一プラットフォーム上で到着状況や作業状況のデータを共有し、利活用の範囲を拡大しています。さらに、他拠点への導入拡大も進めています。
また、配送案件管理については日触物流姫路が管理している社外の倉庫・タンクからの出荷への対象範囲拡大や、蓄積したデータの活用・分析によるコスト削減、他事業所への展開を図り、会社全体としてより一層の物流効率化を図っていきます。
コメント
日本触媒 姫路製造所 業務部 白井様(MOVO Berth)
当製造所ではこれまで入出構や作業記録を紙や表計算ソフトで管理しており、荷待ち時間や荷役時間についても定量的に把握できず、効率化に向けたデータ基盤が十分ではありませんでした。化学品ワーキンググループに参画している購買物流本部から同業他社での導入が進んでいた「MOVO Berth」を紹介され、Hacobu社から説明を受ける中で「これまでの延長で活用できる」と感じ、導入に取り組みました。実際に使用する日触物流グループの皆さんには、目的や導入後の姿をイメージしてもらいやすいよう、丁寧に説明しながら理解と協力を得て進めました。稼働当初は初回利用者への説明で多少の混乱もありましたが、Hacobu社のサポートや既に経験のあるドライバーさんのおかげで、1週間ほどでスムーズに運用が定着しました。現在は現場ごとの特性に合わせた活用が進み、「従来のやり方には戻れない」との声をいただけることは、導入担当として大きな励みになっています。
日本触媒 DX推進本部 IT統括部 白井様(MOVO Vista)
日触物流が行う配送に係る委託先運送会社様とのやり取り(配送依頼~回答~完了連絡)は、これまでFAXやメールに依存しており、紙文書が溢れ、非効率かつミスが起こりやすい状況でした。Hacobu社から「MOVO Vista」の機能や他社事例について丁寧な説明をいただき、日触物流の物流本部や姫路事業所と連携しながら、現状業務の分析・課題設定、基本機能の理解、業務フローの見直しを進めました。また、SAP出荷データとの連携は欠かせない要素であったため、Hacobu社と議論を重ね、最適な方式・仕様を策定しました。今後は適用範囲を拡大し、さらなる効率化を進めるとともに、サプライチェーン全体の最適化に貢献してまいります。

