トラック輸送の無駄を把握、長時間労働改善が狙い
以前の高額な動態管理システムの維持が課題に
Q.MOVO Fleetの導入前の課題を教えてください
以前導入していた動態管理システムが、通信回線網の廃止に伴い使用できなくなり、それに代わるシステムを探していました。以前のシステムは県のIT活用型基盤強化事業の支援を受けて導入したのですが、総額で1,300万円強と高額で、かつ専用回線が必要だったためシステム再構築は困難でした。動態管理システムを導入した理由は、長時間労働改善の取り組みのために業務の効率化を図る必要があったからです。たとえば同程度の荷量でも荷役作業時間に差がある集荷所を把握できれば、その理由を特定し、パレット化などを荷主と協議することも可能です。そのためには自車の運行状態、荷役作業時間、待機時間、付帯作業時間を知ることが不可欠でした。
全車両に導入しやすい価格と、自社開発システムとのデータ連携
Q.MOVO Fleetを選んだ理由は何でしょうか
以前のシステムの回線費用にも満たない金額で、端末も含め全車両(40台)に導入でき、車両位置情報の取得、ドライブレコーダー機能まで付いていたからです。そして、当社で使用するアナタコのデータとMOVO Fleetの日報データを組み合わせることで、自社基準の安全評価票に利用しています。他にもポイントは何点もありました。
・試用機の貸し出しがある
・取り付けが簡単
・大規模な初期費用が不要で、ランニングコストは端末レンタル料のみ
・わかりやすいUI(ユーザーインターフェース)
・サポート体制が充実している
などです。
運行の遅延把握と荷主からの問合せ対応で活躍 荷待ち時間・荷役時間等の記録にも活用
Q.現在はどのようにお使いいただいていますか
運行管理者は現在位置を知ることで、運行に遅延は無いか、遅延の要因はどこにあるのか知ることができます。荷主から配送に関する問合せがあった際に、的確に到着予定、遅延の状況を伝えられる点が好評です。リアルタイムに現場の画像を取得することで、天候状態や交通渋滞を確認し、迂回路の指示にも活用しています。
また、日報データをダウンロードし自社ツール内で加工することで、荷待時間・荷役作業時間等の記録票を作成するなど、活用の幅を広げています。
Q.導入にあたり、工夫されたポイントはありましたか
ユーザ情報や車両情報を登録する「マスタ登録」を工夫しました。特に、車両の位置情報から特定の地点の到着/出発を自動記録するための「地点マスタ」には約800地点を登録しました。荷主の積み降ろし先の他、自社の物流拠点、高速道路のパーキング、道の駅、トラックステーションなど、ドライバーが立ち寄りそうな地点を登録しています。後からの検索やデータ抽出のことを考え、名称やコードの付け方を体系的に考えると使いやすくなると思います。
運行管理の工数30%減、ストレス削減、ドライバーの意識向上に寄与
Q.MOVO Fleet導入後、どのような成果が出ているでしょうか
1点目としては、運行管理に係る工数が30%程度削減されています。先述の荷主からの問合せの工数削減に加え、MOVOから連続運転時間、休憩・休息時間、拘束時間等のデータをダウンロードし、自社ツールで乗務記録に活かしているので、その管理工数も削減されています。
2点目は、運行管理者、ドライバー双方のストレス削減です。ドライバーの休憩所を地点マスタに登録しているので、その場所に着いたことを確認し中間点呼の電話を行うことができています。運行管理者はドライバーが休憩に入ったことを見計らって電話をかけられ、ドライバーも休憩に入り寝ているところを起こされることがなくなり、双方にメリットがありました。
3点目は、ドライバーの意識向上です。スピード、連続運転時間の超過、休憩・休息時間の実績を把握し、問題があればドライバーに注意しています。ドライバーは運行状況が常に記録されていることを知り、安全運転へ取り組む姿勢に変化が見られました。
単に現在位置を知るだけのサービスではない。とことん活用したい。
Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか
MOVOの2020年夏のバージョンアップで、画面のUIも見やすくなっていますし、更なる機能向上を期待しています。単に現在位置を知るだけのサービではなく、とことん活用したいと考えています。
石田運輸商会 石田様、ありがとうございました!