エクセルによるバース管理とトラック待機、煩雑な呼出し業務が課題
Q.MOVO Berthの導入前の課題を教えてください。
松井様:当初は「バースを管理する」という概念を知らず、入出庫に関わる問題や改善策について認識できていませんでした。
ただし、トラック待機の問題は感じていました。入荷トラックは先着順で受け付けていたので早朝に集中し、1車両につき約1時間は待機をしてもらっていたと思います。
MOVOを導入した今、振り返ってみれば、導入前は煩雑でムダな業務が発生していた、と思います。たとえば、バースのダイアグラム管理はエクセルを使っていましたが、予実管理までは行えていなかったので、メモでしか残っていませんでした。
バースとトラック待機所が公道を挟んで50mほど離れていたので、待機しているトラックを都度呼出しに行く手間や道路横断の危険性もありました。
また、入荷ではトラックを受付してから積荷を確認するので、庫内側で準備や計画ができていませんでした。
導入拠点数の多さと機能改善・追加の対応力が決め手
Q.MOVO Berthを選んだ理由は何でしょうか?
松井様:複数のサービスを比較検討しましたが、決め手は導入拠点数の多さと機能改善・機能追加の対応力です。多くの導入企業の要望に対応されていたので、その中で当社の要望も汲み取ってもらえると思いました。使いやすさ、画面の見やすさももちろん考慮しました。
Q.現在はどのようにお使いいただいていますか?
松井様:入荷、出荷の車両に予約を入れてもらい運用しています。
出荷車両を手配するときには、納品先のお客様の納品希望時間とバースのスケジュールを加味して、運送会社さんを手配しています。
岩田様:現在の予約率は約40%~50%で、今後約70~80%まで高めたいと考えています。
トラックの呼出し業務月900分がゼロに。待機も改善。
Q.MOVO Berth導入後、どのような成果が出ていますか?
松井様:まず、トラックの待機時間が約1時間だったのが、20分程度にまで短縮されました。
そして、待機所のトラックの呼出し業務がゼロになりました。呼出し業務に1日45分は充てていたので、月に900分の業務が削減できたことになります。
今後はさらにデータ分析を行い、コスト削減できる項目を洗い出してく予定です。
丸岡様:物流現場のデータは豊通物流が握っています。豊田通商と豊通物流で共同でデータの分析を行い、業務改善に役立てていきたいと思います。
Q.導入にあたり、工夫されたポイントはありましたか?
松井様:MOVO導入から1か月は専任担当者を配置し、ドライバーからの操作に関する質問の対応をしました。
また、予約率の向上のためには、MOVO導入を運送会社さんのほか、取引先に周知するのが重要です。豊田通商の営業部が、各メーカーにMOVOのカスタマーサポートが作成した手順書を活用して周知を行ってもらいました。
Q.当初の想定以外の導入効果はありましたか?
松井様:バース管理とは異なりますが、ピッキング作業者のスケジュール管理にも活用しています。バースの予定表にピッキング担当者の作業スケジュールも打ち込み、業務の予実を把握するものです。ボトルネックを見つけて、人員を充足するなどにも活用していきたいですね。
企業を跨いだ物流の最適化のためにデータを活用したい
Q.今後、MOVOを使って実現したいことはありますか?
松井様:今後は当社のシステムと連携し、入庫したことを自動でお知らせする機能や、待機時間の削減によりCO2削減効果を見える化する機能が実装されることを期待しています。
岩田様:さらにドライバーが利用しやすいUI/UXになるよう、期待しています。
丸岡様:MOVOを豊田通商、豊通物流の複数の物流拠点に導入し、拠点を跨いだデータの可視化を行っていきたいと考えます。そのデータを足元ではトラックドライバーの人手不足の解決、将来的には企業を跨いだ物流の最適化のために活用していきたいと考えます。
豊田通商 丸岡様、豊通物流 松井様、岩田様、ありがとうございました!