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老舗企業がDXで配車業務7割を削減、次なる挑戦はデジタルで切り拓くサステナブル輸送

更新日:2025年03月04日
会社/拠点名
タキヒヨー株式会社/犬山第1・第2センター
導入製品
MOVO Vista
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タキヒヨー株式会社は、1751年創業の、アパレル製品から生地まで幅広いアイテムを企画・製造し、多様な販路に卸売りをする商社です。ベビー・キッズ、レディス、メンズ、リラクシングなどのアパレル商品を、専門店、量販店、百貨店を通じて全国で販売しています。魅力的な商品を「企画、提案、生産」することで、消費者の皆さまの生活を豊かにするファッションを"創造"しています。
東京ドームほどの広さをもつ物流拠点「犬山第1・第2センター(以降、センター)」は、関連会社の株式会社タキヒヨー・オペレーション・プラザが運営し、年間約5000万枚の商品を取り扱います。1日の出荷量は約20万枚、約15台のチャーター便で全国に出荷しています。
タキヒヨー株式会社では、2024年8月に配車受発注・管理サービス「MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)」を導入し、10月から犬山センターでの運用を開始しています。
今回、物流セクション 国内物流チーム チーフ 小川 能史様にお話を伺いました。

※本記事は「Hacobu Innovation Day 2025」での講演内容をまとめています。掲載内容は全て講演時(2025年1月)現在の情報に基づいています。

導入前の課題
  • 配車業務がアナログかつ属人化していた
  • 配車実態が不透明で、運送会社と課題の共有が十分に行えなかった
導入後の成果
  • 配車業務が効率化し、1日2時間の業務が削減した
  • 配車ミスや配車漏れがなくなった
  • 配車状況が可視化され、運送会社と建設的な議論ができるようになった
  • 配送状況のデジタル情報により、積載率向上に向けた取り組みが可能になった
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属人化した配車業務に不安を感じていた

Q. MOVO Vista導入の背景を教えてください

小川様:センターの配車担当者には、5つの事業部から日々出荷依頼が届きます。配車担当者は、その出荷依頼をもとに配車組みを行い運送会社に配車を手配します。しかし、そのやりとりが非常にアナログな方法で行われており、またひとりの配車担当者に依存していたため、サステナビリティの観点でも不安を感じていました。そんなときにちょうどHacobuのセミナーでMOVO Vistaの紹介を受ける機会があり、「これで解決できるかもしれない」と検討を始めました。

Q. 導入前の課題を教えてください

小川様: センター、運送会社、タキヒヨーのそれぞれに課題がありました。センターでは、FAX、電話メモ、手渡し、口頭など、バラバラな方法で出荷依頼を受けていました。配車担当者は、それらをまとめ直して、日別、行き先別、サイズ別に整理し、電話とFAXを駆使して運送会社に配車依頼を行っていました。配車完了の返事がない場合は何度も電話をかけ直すなど、配車担当者の精神力に依存する状態でした。

アナログな方法で行われる出荷依頼・配車手配

運送会社では、不定期に届くFAXと電話による依頼で配車ミスや漏れが発生していました。
両社とも属人化が進み過ぎている状況でした。

タキヒヨーでは定期的に配送実態を確認し、運送会社の所長と取引状況の確認や交渉を行っていますが、配車実態が不透明でデータも存在しないブラックボックス化した状態であり、話し合いをするための材料がない状態でした。

Q. どのように導入を進めましたか、その際工夫したことはありますか

小川様:Hacobuの担当者と業務フローを整理しながら検討を進め、MOVO Vistaでやりたいことが実現できる感触は掴めました。しかし、そのためには5つの事業部から届く出荷依頼のフォーマットを揃える必要があります。今回のMOVO Vista導入をきっかけに、社内の業務フローや出荷依頼のフォーマットの見直しを実施しました。
MOVO Vista導入にあたっては、社内から「デジタル化したからといって車両が取りやすくなるわけではない」となかなか理解を得ることができませんでした。しかし、このままでは車両が確保できなくなり、肝心の売上もたたなくなると丁寧に説得し、理解を得ました。

Q. 導入後の成果を教えてください

小川様:事業部からの出荷依頼のフォーマットが統一され、センターの業務が効率化しました。MOVO Vistaを通じて、運送会社への配車依頼から完了までがシームレスに行われるようになりました。これらにより、担当者の配車業務の7割、1日2時間相当が削減されました。

運送会社では配車ミスや漏れがなくなり、担当者の業務負担も大幅に軽減されました。運送会社の担当者からは、電話の呼び出し音やFAXの電子音が減ったおかげでよく眠れるようになりましたとの声もいただきました。

タキヒヨーとしても、センター・運送会社双方の配車担当者の属人化が解消され、持続可能な体制を構築できたことが何よりよかったことです。また、運送会社の所長との定期的な打ち合わせでは、配車状況を共有して共通認識をもちながら建設的な議論ができるようになりました。これまでは、関東方面の便が取りづらくなっているとの話をしても、実際にどの程度取りづらくなっているのか、課題の深さが共有できませんでした。今は、当社の要求に対してどれくらい手配できているのかが可視化されたので、双方にとってよい解決策を一緒に検討することができるようになりました。

データを獲得したことで、新たな可能性が見えてきた

Q. 今後の展望について教えてください

小川様: MOVO Vista導入により、これまで存在しなかったチャーター便のデジタル情報を得ることができました。これらを分析し3つの効率化施策に取り組んで行く予定です。

1つ目は他社混載チャーター便で、中部エリアの競合他社との共同配送です。商品では競合する他社と、配送では協業する取り組みです。2つ目は自社混載チャーター便で、複数の配送を1台に集約し、中継地で各納品先向けのトラックに積み替えを行う方法です。3つ目は配送スケジュールを最適化することで、同じ得意先への複数部門からの配送を集約する取り組みです。

これまでは事業部からの出荷依頼に応えることを優先した配車手配をしていました。そのため、チャーター便トラックの積載率をあまり意識していませんでした。今後は、デジタル化により積載状況を把握できるため、自社だけでなく、運送会社、そして中部エリアの競合他社とも協力して、サステナブルな輸送を実現していきたいと考えています。

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