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デンソー、MOVO Berth で輸送ダイヤの最適化を実現。ドライバーの心理的負担軽減とグループ全体の輸送効率化を推進

更新日:2025年01月22日
会社/事業所・拠点名
株式会社デンソー 生産管理部
導入製品
MOVO Berth
導入拠点数
11拠点

株式会社デンソーは、1949 年に設立された自動車部品メーカーです。自動車に関わる様々な製品やシステムを国内外へ提供しています。「世界初の製品や技術の提供を通じて、企業の社会的責任を果たしていくこと」をミッションに掲げ、「物流においても社会課題を踏まえて、荷主として物流改革を推進していくこと」に取り組んでいます。

デンソーは2018 年にMOVO Berth を導入して以来、11 拠点に導入拡大。現在はグループ会社への展開も進めています。

今回、株式会社デンソー 生産管理部 物流改革室 東室長、国内物流購買課 及川課長、また、デンソーの中継拠点である「D-Stream」の物流業務を担う株式会社デンソーロジテムのSCM本部 中継物流室 伊藤室長(D-Streamのセンター長)、齋藤様、輸送ダイヤ設計・運行管理を担う物流サービス本部 輸送管理室 村上室長、菅本様にお話を伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年11月)現在の情報に基づいています。

導入前の課題
  • トラック到着管理板によるアナログなバース管理により、バース計画と実績の乖離を定量的に捉えて改善することができなかった
  • 輸送ダイヤの精度に限界がある中で、ドライバーの「納入遅延をしてはいけない」という強い意識が働き、必要以上の早着が発生し荷待ちに繋がっていた
  • 月次の輸送ダイヤ見直しでは、各製作所から情報を集めるために工数と時間がかかっていた
導入後の成果
  • 輸送ダイヤの精度が向上したことで、ドライバーが安心して時間通りに到着でき、荷待ち時間がバッファとして設定している30分未満に短縮された
  • バース使用状況を遠隔からもタイムリーに確認できるため、イレギュラー対応やドライバーからの要望への迅速な対応が可能になり、安全性も向上した
  • 各製作所の実績を直接取得でき、輸送ダイヤの見直しを迅速に行えるようになった
  • デンソーでの成果によりグループ会社への展開が進められ、グループ全体での効率化の取り組みに繋がっている

バースの使用実を定量的に捉えた改善動ができなかった

Q.MOVO Berth導入の経緯えてくさい

東様自動車メーカーは生産計画が平準化されているため、自動車部品業界では月次で輸送ダイヤを作成でき、各製作所や倉庫では輸送ダイヤに基づき「の車のバースを時から使うか」のバース計画を作成します。しかし、自動車部品業界の物流現では、トラック到着管理板と呼ばれるボードで到着状況を把握することが一般的で、バース計画と実績の乖離や荷役時間を定量的に捉えて改善することが困難でした。

また、ドライバーの早着による荷待ち時間の長期化についても課題を感じていました。競争力の源泉であるJIT(ジャストインタイム)・小ロット多回生産の追求の影響により、ドライバーは「納入遅延をしてはいけない」という意識が高く、時間に追われないよう余裕を持って到着する傾向があります。加えて、バース計画表の精度に限界があり、計画と実態に乖離が生じていたことがドライバーの不安をあおり、必要以上の早着が発生していました。

弊社では、ドライバーに安心して乗務していただくことを目指し、バース使用の計画と実績の乖離をデータで把握し改善を加速させるため、2018年にバース管理システムの導入開始に至りました。

自社システムの構築よりも、化に対応できるクラサービスを選択

Q.MOVO Berth選択いたいた理えてくさい

及川様デンソーでは、以前は物流を「差別領域」と捉え効率化動を行っていました。しかし、2024題をはじめとした物流の社会課題を背景に、現在は「協調領域」であるとのインドセットの転換を行い、動を進めています。情報基においても、以前は自社でシステムを構築する方針を基本としていましたが、現在はれにわれることなく、物流を取り環境変化やIT技術の進化のスードに対応できるものを選択する方針転換ました。

MOVO Berthはクラドサービスであるため、リールで且つーデに導入でき今後の化にも対応できるものである点で方針合致用を定しました。

えて、計画に対する実績を定量的に捉えたいとの社の要望に真摯に向き機能開発に対応してくれたこともMOVO Berth選択した理です。

物流を効率化するためには、サプライチェーンの情報を繋、拠点・会社のえながら改善を進めていくことが必要です。このような点からも、社外のを、会社をえて使う事には意があり、この点も導入メリットとして待しています。


Q.導入前の課題にいてえてくさい

伊藤様(D-Streamセンター長)JIT輸送は、月次で輸送ダイヤをめて、製作所や倉庫極力製品が滞留しないよう設計します。のため、輸送ダイヤやバース計画の精度を上げることが非常要です。

デンソーロジテム西尾直納物流センター(通D-Stream」)では、デンソーグループ各社47拠点から自動車製品にわれる部品を集め、お単位分けた上で荷しています30以上のバースをし、1700もの車入りしています。

変更される輸送ダイヤをもとにバース計画を作成します。実態把握は、トラック到着管理板のタイムカードやドライバーに直接聞込みをするなして、計画通りに荷が行われているかを確認していました。
しかし、こうした調査き取りには限界があり、定量的なデータによる実態把握ができにいました。のためバース計画や輸送ダイヤの精度にも限界があり、ドライバーは安から「輸送ダイヤ通りの時間に到着してもバースがいていない可能性があるので、しでも早く到着しておこう」と必要以上の早着が発生していました。果、もともと渋滞等による遅れを加味したバッファの30分の荷待ちは容認していましたが、追加301時間の荷待ちが発生するースもありました。

村上様輸送ダイヤの見直しに工数と時間がかかるという課題がありました。
D-Stream間の輸送を担する車は、数の製作所で荷積みをした後にD-Streamで製品の荷降ろしを行います。のため輸送ダイヤを見直すは、数の製作所にバースのき状況を確認する必要がありました。そ12かかり、工数と時間を要していました。

 

輸送ダイヤの精度が上がり、ドライバーが安心して務できるように

Q.導入効果にいてえてくさい

伊藤様(D-Streamセンター長)にかかる時間がデータで確認できるようになり、バース計画の精度が格段に向上しました。 MOVO Berthの導入により、アリングやタイムカードの集計なを行うことなく実把握できるのでかっています。計画の精度が上がったことで、ドライバーが必要以上に早着するケースが激減しました。荷待ち時間は、もともとバッファとして設定している30分未満にまで削減されています。

これまでは、バースの使用状況を確認するにはトラック到着管理板を見に行く必要がありました。現在は、オフィスなどの離れた場所からも即座にバースの使用状況が確認できるようになり、イレギュラーな事態が発生した際にも適切に対応できるようになりました。特車や交通混乱時には、 MOVO Berthでバースの使用状況を把握し、適切に車両誘導できるようになり、車両のバッティングなどのトラブルを未然に回避することができるようになりました。さらに、ドライバーから、荷役作業時のフォークリフトの動線が他の作業と交差して危ないので改善してほしいとの指摘があった場合などは、 MOVO Berthのデータで実態を確認し、バース位置を変更するなどの対応を即座に実施でき、安全管理の観点からも効果を発揮しています。ドライバーからは「ストレスが軽減された」と嬉しいお声をいただいています。

村上様輸送ダイヤの見直しにおいてもメリットがありました。
MOVO Berth積み地(各製作所)と降ろD-Stream両方に導入していることで各製作所に確認することなくバースの使用状況が即座把握できます。のため、輸送ダイヤの見直しにかかるリードタイム・工数を大幅削減することができました。

また今後は実績データをもとにした輸送効率の向上の取り組可能になると待しています。現在2所の製作所(積み地)を経由してD-Streamに納入するルートがいですが実績データを分することで、3所をるルートを組ことができるのではないかとています。


Q.デンソーでのここまでの評価と今後の展望をえてさい。

東様これまでデンソーでは、バース荷時間における計画と実績の乖離解消めてきました。今後はこのデータを用して、荷時間短縮を的とした改善動になげていきたいとえています。のために、荷量情報な物流に関わるさままなデータと連携していくことによって、より改善が進む環境や整備していくことが必要えています。

また、現在デンソー体のなら、グループ会社に対しても MOVO Berthの導入を推進しています。グループ会社向けの動にいては、数年前よりデンソーグループと物流連携を強化し、共同輸送なによる改善に取り組んできました。また、2023年度に政府より物政策パージにおけるイドラインが発されたことをけ、改善にえて、ンプライアンス遵守徹底的として動を進めています。

現在、デンソーグループでは10社に MOVO Berthを導入しています。今後さらに導入が拡大することにより、取できるデータの範囲が広がり、けでなくサプライチェーンの効率化につながっていくと考えています。引き続き更なるシステム活用と導入拡大を進め、物流改革の加速に取り組んでいきます。