導入背景:手書きや二重線の修正、欄外メモを含む「非定型書類」のデータ化が課題に
物流の現場では、書類のやりとりに多様な形式が混在しており、これは業界全体で長年続いてきた慣習です。人手不足が進む中、こうした多様なフォーマットへの対応は、業務効率化やデータ活用、物流領域そのもののデジタル化を進めるうえでの課題となっています。
安田倉庫でも、入出荷依頼書の形式は取引先様によってさまざまであり、定型書類についてはデータ化を進めてきました。もちろん、中には二重線での手書きの訂正や欄外の追記、そして形式がそろっていない非定型の書類もあります。こうした「非定型書類」は読み取りの自動化が難しく、担当者が内容を確認しながらシステムに入力していました。
こうした現場の負担を軽減するため、安田倉庫は今回、生成AIが書面の内容を読んで理解するHacobuのMOVO Adapterを導入しました。従来のAI-OCRでは、書類ごとに「配送日」「品名」など読み取り位置をあらかじめ設定しなければ、正確に読み取れませんでした。MOVO Adapterではそのような設定をしなくても「これは住所」「品名」とAIが内容を読んで理解し、必要な情報を自動で抽出します。これまで人手で対応していた業務の大幅な効率化が期待されます。

導入の概要
導入拠点:平和島営業所
稼働開始日:2026年4月20日
MOVO Adapterで処理する対象となる書類:入出荷依頼書
活用方法:生成AIが依頼書の内容を読み取り、データ化してCSV形式で出力
今後の展望
安田倉庫グループでは、2021年よりHacobuの配車受発注・管理サービス「MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)」を8拠点に導入し、運送依頼や請求書作成の業務を大きく削減してきました。今回導入したAI-OCR「MOVO Adapter」でも、まずは平和島営業所で運用しながら効果を確認し、今後は全社への展開を検討しています。また、読み取ったデータを倉庫管理システム(WMS)や送り状作成システムと連携することで、手入力を減らし、その後の業務をスムーズに進められる環境づくりを目指します。
コメント
安田倉庫 執行役員物流推進部長 川添浩二
物流業務のデジタル化を進める中で、課題となっていたのが、業務の「入り口」に残るアナログな書類の処理でした。一次情報がデータ化されていないと、その後の業務のDXも難しくなります。AI-OCR「MOVO Adapter」の導入で、アナログの情報をより簡単にデータ化できるようになり、後続する業務全体の改善にもつながっていくと考えています。実際に既に導入済みの拠点では、WMSの入出荷処理に活用することで業務効率化が着実に進んでいます。今後は送り状作成をはじめ、より幅広い業務への展開も期待しています。