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庫内作業のペースに合わせたトラックの呼出が実現 MOVO Berth導入で本来の業務に集中できるようになった

更新日:2023年05月19日
導入製品
MOVO Berth(受付)
用途
入荷・出荷
会社/事業所・拠点名
キョクヨー秋津冷蔵株式会社(株式会社極洋グループ) 東京事業所
所在地
東京都大田区
延床面積
設備トン数 23,750トン
バース数
12バース
一日あたりの受入車両台数
約80台

水産物を中心とした総合食品会社㈱極洋のグルーブの一員として物流サービスを担う、キョクヨー秋津冷蔵様。現在は東京、福岡、城南島の3事業所で冷蔵倉庫事業を展開していらっしゃいます。今回東京水産ターミナル内にある東京事業所への「MOVO Berth」導入を推進された東京事業所 営業部次長 兼 業務課長の竹森様にお話を伺いました。

東京事業所 営業部次長 兼 業務課長
竹森 秀樹 様

導入の背景
  • 朝一に入庫オーダーのないトラックが1時間以上バースを占拠
導入の効果
  • 庫内のペースに合わせたトラックの呼出が実現

初めて説明を聞いた時「いいシステム、うまくいくと思った」

Q.「MOVO Berth」導入までの経緯を教えていただけますか?

東京水産ターミナルでは物流改善に関する会議が定期的に開催されています。そこで「MOVO Berth」の説明をHacobuさんから聞き、東京事業所の抱えている問題点を解決できると感じました。戻り次第すぐに所長に「非常にいいシステムだから、導入させてください」と話をして、当事業所に来てもらいました。

朝一に入庫オーダーのないトラックが1時間以上バースを占拠

Q.すぐに導入したいと感じてくださったのですね。「東京事業所の抱えている問題点」について詳しく教えていただけますか?

これまで東京事業所ではアナログの受付の仕組みも導入しておらず、到着したトラック順にバースに接車するという流れになっていました。入荷の場合、トラックは事前にシステムを通じて入庫オーダーを受領することになっています。しかし実際にはオーダーの無いトラックが入場、朝一にバースに接車してしまうことも多く、その場合オーダーが確認できるまで1時間以上、バースを占拠していることもありました。

「MOVO Berth」導入後にデータを取得して分かったことですが、倉庫に入場するトラックの半分が15分程で作業終了しています。1時間以上1台のトラックがバースを占拠することは、大きな時間と場所のロスになってしまいます。これを何とか解決し「トラックの入場順をコントロールしたい」「荷積み荷卸しの作業を効率化したい」と考えていました。

これまで受付の仕組みも色々試してみてはいました。エクセルを使って入場トラックの情報を記録してみたこともあります。しかし、ただデータを取得する作業はやはり続きません。「MOVO Berth」の受付システムであれば「簡単にデータ化できる」とピンときました。また、これまで考えていた「接車ルール」の変更も一緒に出来そうだと感じました。

Q.システム導入に合わせて、「接車ルール」も一緒に変更したのですね。

はい。今回の「MOVO Berth」受付システム導入に伴い、入庫の場合は「入庫オーダーのないトラックは接車させない」、出庫の場合は「荷物が揃うまではトラックは接車させない」というルールを明確にしました。庫内の作業に沿ってトラックを呼び出すという運用に変更したのです。運用ルールだけではなく、その運用を徹底するためのシステムとして機能しそうだとサービス提案を受けた時にイメージ出来ました。

東京事業所一丸となって取り組んだ導入プロジェクト

Q.導入に向けて東京事業所ではどのように取り組まれましたか?

せっかく新しいことに取り組むので、庫内の導入リーダー・副リーダー、受付の導入リーダー・副リーダーなど事業所のメンバーにはそれぞれ出来るだけ役割を持ってもらいました。ただ冷蔵庫を入れ替えるだけであれば、会社として決めたことに沿う、というだけで終わりです。しかしこのシステムは日々の自分たちの業務に関わることなので、皆がシステムの内容を理解していることが重要でした。

「手作り感」を大切に、メンバーそれぞれの立場でシステムの導入に関わりました。

チームワーク抜群の東京事業所の皆様

チームワーク抜群の東京事業所の皆様

これまで受付そのものをやっていなかったので、まずは紙の受付簿を取り入れ、そこでドライバーの皆さんに受付そのものに慣れてもらうところから始めました。同時に「受付システムを始めます」という案内も行いました。また、ここで得られたデータは事前にシステム登録する為の情報として活用しました。※1

ドライバーの皆さんに慣れていただく部分は苦労しました。初めていらっしゃるドライバーさんに説明することは今でもあります。しかしそれも減ってきましたね。それ以外の苦労は特になく、事業所のメンバーは楽しんでこの導入プロジェクトに取り組んでいましたよ。

※1:ドライバー情報を予めシステム登録いただくことで、ドライバーの方に初回で全ての情報を入力いただくことなく受付を行う事が可能になります。導入前の準備でご案内差し上げています。

福岡事業所から異動し10年。理想の倉庫運営を求めて、改善を積み重ねた

Q.竹森様は「推進責任者」として拠点内で皆様を引っ張ってこられたことが伝わってきます。今回の導入プロジェクト以前も東京事業所内で改善活動を進めてこられたのですか?

私は10年前に福岡事業所から東京事業所に移ってきたのですが、その時はやり方が福岡事業所と随分違うと感じました。福岡では社員が皆フォークリフトを運転し作業を行っていたのですが、当時東京ではフォークリフトを扱うことのできるメンバーが少なく、運転しているのは荷役会社さん中心でした。しかし荷役会社さんだけでは忙しい時期に現場は回りません。そこで社員のフォークリフト免許取得率を上げ、作業ができるように変えていきました。今では東京事業所のメンバーは皆フォークリフトを運転できるようになりました。

そこからも様々な改善を重ねてきて…以前は、東京事業所は東京水産ターミナルの中では待機時間の長い倉庫として有名だったのですが、ある時から待機が改善されたと言われるようになってきました。今回の「MOVO Berth」も改善の積み重ねの道のりの中で出会ったシステム、と言えるかもしれません。

庫内のペースに合わせたトラックの呼出が実現

Q.導入後、現在はどのように運用されていますか?当初の課題は解決したのでしょうか?

到着したドライバーはまずは事務所で受付システムに登録いただきます。庫内ではバースの空き状況を見ながら、電話で呼出を行っています。東京事業所は東京港隣接の位置にあり電波が届きにくいため、呼出は電話のほうが良いという判断になりました。また、作業の開始・終了も庫内に設置したPCから記録しています。

接車ルールに従って受付システムを運用することで、理想通りのトラック呼出と庫内作業の運用が実現しました。庫内に荷物が滞留せず、すっきりとした状態で荷積み荷卸しすることができるようになり、まさに「スマート」という感じです。

作業の開始・終了をその場で記録

作業の開始・終了をその場で記録

「MOVO Berth」導入で本来の業務に集中できるように

Q.当初の課題の解決以外には、どのような変化がありましたか?

一言で言うなら、「事業所メンバーが業務に打ち込みやすい環境になった」という事でしょうか。トラックがバースにいきなり接車してしまうことが無くなったので、こちらのペースで落ち着いて作業が出来るようになりました。

画面の中のバース稼働やトラック待機状況を覗きながら、「このバース空いているからこっちに入れよう」「作業が終わったから作業終了しておきます」と「MOVO Berth」を中心に和気あいあいと会話している様子が伝わってきます。事務所にいても、庫内の作業の様子が分かります。一種のコミュニケーションツールにもなっていますね。

これまでドライバーの呼出は特定のメンバーのみが電話番号を知っていて電話をかけている…といった事もあったのですが、システム内の情報を使って誰でも呼出ができるようになりました。属人化した業務も減っており、新しいメンバーがいてもすぐに取りかかることができるようになりました。このシステムを入れて本当によかったと思っています。

事務所にいながらにして庫内の様子が分かる

事務所にいながらにして庫内の様子が分かる

システム導入とともに運用ルールを定め、現場にフィットさせることが重要

Q.「MOVO Berth」検討をしている方にメッセージをお願いします。

システム導入をするだけではなく、運用ルールをしっかり定めることが重要だと思います。その部分に気を付ければ、効果が出ると思いますし、データも取得でき改善に生かすことができますし・・・。これから使いたい機能も「MOVO Berth」にはたくさんあるんですよね。ファイル添付機能も上手く活用したいですし、予約も導入したいと考えています。

ステップを踏んで、これからも改善を続けていきます。

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竹森様のお話を伺う中で「働く人たちにとってより良い場所に」と考えながら、長い間倉庫運営に取り組まれていらっしゃったことが伝わってきました。インタビュー時間は1時間半にも及び、現場の皆様とともに「MOVO Berth」を使っている様子を紹介してくださいました。チームワークの良い現場で、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきます。

物流や倉庫の現場をより良くしたいと熱い思いを持ち、取り組んでこられた方にこそ分かっていただけるのが「MOVO Berth」というシステムだと改めて感じました。

竹森様、お話を聞かせていただき、ありがとうございました!