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京セラ鹿児島川内工場 物流部門にて、MOVO Vistaでトラックの輸送手配にかかる業務工数を60%削減!物流データの取得と活用で更なる効率化を目指す

更新日:2025年01月09日
導入製品
MOVO Vista
会社/事業所・拠点名
京セラ株式会社 鹿児島川内工場物流部門
所在地
鹿児島県薩摩川内市

京セラ株式会社は、京都府で 1959 年に創業し、電子部品、ファインセラミック部品、半導体部品などを中心に様々な製品を製造・販売する、日本を代表する電子部品・電気機器メーカーです。

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念をもとに、事業を展開しています。
2022 年 3 月に、鹿児島県にある川内工場の物流部門で配車受発注・管理サービス「 MOVOVista」を導入しました。

今回、京セラ株式会社 鹿児島川内工場 経営管理本部 経営管理部 川内物流企画課 愛甲様と川内物流課 立岡様に、MOVO Vista の導入の背景や具体的な成果、今後の展望などについてお話を伺いました。

※本記事の掲載内容は全て取材時(2023年5月)現在の情報に基づいています。

京セラ株式会社 鹿児島川内工場 経営管理本部 経営管理部 川内物流企画課 愛甲様、川内物流課 立岡様

導入前の課題
  • 配送依頼から請求金額の部門配賦までを担う物流部門における業務の見直しを図ることでさら更なる生産性の向上を目指したかった
  • 製造部門 – 物流部門、物流部門 – 運送会社 間での、主に電話による調整業務
  • 依頼書の作成・送付
導入後の成果
  • 物流部門でのトラックの輸送手配にかかる業務工数を 60%削減
  • 各担当者が紙のメモで行っていた配送案件の管理を、MOVO Vista を使用して手配状況を共有することができるようになり、引き継ぎがスムーズに
  • 物流部門だけでなく、製造部門・運送会社においても業務効率化を実現
    ▪製造部門は、電話による依頼作業がなくなったことで作業時間を削減
    ▪製造部門で MOVO Vista から手配状況を確認できるようになったことで、問い合わせが大幅に削減

業務時間の 4 分の 1 を占める輸送手配、電話中心のやりとりが負担に

Q.MOVO Vista 導入前の課題を教えてください

私たち物流部門は、製造業の最終工程として自覚と誇りをもち、弊社の商品をお客様のもとへ正確にお届けする責務があると考え、日々の業務に取り組んでいます。

物流部門では、資材品調達の入荷から製造工程間での輸送、在庫保管、出荷梱包などを担っており、加工途中の製品や製造に使用する資材品などの輸送管理を担当しています。具体的には川内工場内、および工場と協力会社への輸送手配がメインの業務です。

工場と協力会社への輸送には、定期便とチャーター便がありますが、今回、月約 1,800 便の手配を行っているチャーター便を対象に MOVO Vista を導入しました。チャーター便の手配依頼は、まず各製造部門それぞれから私たち物流部門に電話があり、それをもとに物流部門から運送会社へ対応の可否を確認し、輸送が可能な場合は、依頼書を作成して運送会社に送付する、というフローを行っていました。

 

この作業を物流部門の 4 名で行っていたのですが、この作業で業務時間のおよそ 4 分の 1を占め、業務負荷が高い状況でした。

製造部門とのやりとりは電話で行っており、履歴が残らないため、製造部門が手配内容を確認するには、物流部門への問い合わせが必要になり、物流部門にも負荷になっていました。
また運送会社側でも、電話が鳴り止まないことや、請求に関する作業においては、運送会社のシステムとは別に弊社用に Excel を作成することを依頼していため、その作業負荷と二重管理になっている点が課題になっていました。

そのような状況下で、川内工場の生産量を増大させることを予定しており、このままでは輸送の手配業務が立ち行かなくなることは目に見えていました。

そこで、MOVO Vista を導入し、輸送手配の業務負担の軽減に取り組むことになりました。新しいことを始めるのは難しいことではありますが、それ以上にメリットがあることが確信できていたので、推進していきました。

工場の生産量増大を視野に、MOVO Vista を導入し輸送手配業務の負担軽減へ

Q.MOVO Vista を選んだ理由を教えてください

まず、クラウドシステムを導入する前提で検討を進めました。
私たちとしては、抱えている課題を早急に改善し、結果を出したいという思いが強くありました。新たにシステムを開発するという選択肢もありますが、自社でゼロから開発し保守まで行うとなると、どうしてもある程度の時間を要します。運送会社の方も使用することを前提に考えると、セキュリティの観点においても、プロに任せた方がよいと判断しました。

また、当初から他拠点で使用することを想定していましたので、他拠点に展開しやすいクラウドシステムを前提にしました。

複数のクラウドシステムを検討する中で、従来の電話やファックスなどアナログ中心の配送業務をデジタル化し、配送手配にかかる時間を削減できるという MOVO Vista のサービス内容が弊社の課題とマッチしたこと、そして、運用において必要な機能が既に揃っており、保守まで行えるシステムだったことが決め手となり、MOVO Vista を採用しました。

2021 年 4 月に Hacobu にコンタクトを取り、9 月に運用設計、10 月から 11 月にかけてトライアルを行い、2022 年 3 月には本稼働、という流れで導入しました。想定していた期間内で導入を完了し、かつ早期に成果を出せたことは、MOVO Vista とそれを稼働までフォローする Hacobu の支援体制があったからこそだと思います。

実際に MOVO Vista を利用してみて、SaaS サービスであるものの柔軟性に富んでいる点が非常に使いやすいと感じました。中でも、「カスタム項目」という機能を活用することで、弊社がユニークで持っている必要な情報を管理できます。また、マスタ管理、権限管理の機能なども重宝しています。

Hacobu の方々が、機能面に関する私たちの要望に歩み寄ってくださり、一緒に作り上げていると実感があり、これからもどんどん機能が開発されていくサービスであるという期待も持っています。

電話やメールで行っていた輸送依頼業務を MOVO Vista に置き換え

Q.MOVO Vista 導入の成果を教えてください

MOVO Vista の導入は、想定以上に大きな成果が現れています。現在、鹿児島川内工場物流部門では輸送の依頼に関する電話やメールでのコミュニケーション、依頼書の作成・共有、運行ごとの請求確認といった作業のほとんどを、MOVO Vista に置き換えています。

具体的には、製造部門の担当者が MOVO Vista に入力した輸送手配に必要な情報が、運送会社へデータとして送信される仕組みになっています。物流部門では、MOVO Vista を通して問い合わせ対応や依頼データの管理などを行っています。
MOVO Vista は、弊社の物流部門・製造部門の他、運送会社が利用しています。弊社では、ほぼ毎日 MOVO Vista を使用しています。

MOVO Vista 導入以前は、輸送手配の際には、製造部門や運送会社への電話、依頼書の作成に時間がかかっていました。特に電話での問い合わせ対応の負荷は大きく、製造部門からの問い合わせの電話がひっきりなしにかかってくるという状況でしたが、導入後は電話での問い合わせがほぼなくなりました。

MOVO Vista により製造部門から直接運送会社に依頼でき、MOVO Vista に履歴が残り、手配状況が確認できるようになった結果、物流部門でのトラックの手配業務の作業工数を60%削減することができました。

導入前は、輸送案件を個人レベルで紙のメモを使用して管理していたので、打合せや休憩で席を外す際には、紙のメモを他のひとに渡して引継ぎを行っていました。

MOVO Vista 導入後は、画面で手配状況を共有することができるので引き継ぎが楽になり、急な欠勤があった際にもスムーズに業務を回せるようになりました。これは大きな成果だと感じています。

また、製造部門や運送会社においても、輸送に関する電話・メールでのコミュニケーションが MOVO Vista に置き換えられたことにより、業務効率化を図ることができました。

製造部門の導入効果としては、電話による依頼作業がなくなったことで、業務削減効果が出ているほか、MOVO Vista に履歴が残り、手配状況を直接画面で確認できるようになりました。そのため、物流部門への問い合わせも削減しています。

製造部門では、次月の予定を立てるために物流コストを正確に把握する必要がありますが、導入以前は運送会社に個別確認をするか、月次で物流部門が集計したデータを確認することしかできませんでした。

導入後は、月中でも物流コストを確認することができるようになり、コスト管理がしやすくなったことも成果としてあげられます。
運送会社からも、電話が減り、請求に関する業務が簡略化されたと嬉しいご報告をいただいています。

弊社では、月末の請求処理のタイミングで、日々の運行実績をまとめた請求明細データを運送会社より共有いただいています。この作業が、MOVO Vista を活用することで稼働時間を入力するだけで済むようになり、明細データの作成業務が圧倒的に楽になったとのことです。

Q.MOVO Vista 導入時の苦労や成功の秘訣について教えてください

弊社では、製造部門で MOVO Vista に必要事項を入力しているのですが、中にはシステム操作を苦手とする社員もいたため、操作を教えることに苦労しました。Q&A シートや、わかりやすいマニュアルの作成・整備することを心がけ、物流部門で輸送手配を担当するメンバー全員が操作を覚え、誰に問い合わせがきても回答できるような環境を構築することで対応しました。

また、製造部門ごとに説明会を何度か実施しました。依頼件数が少なく安定している部門からスタートして、突発的に依頼が増えるところや、全体的に依頼数が多い部門へと順番に実施していきました。段階的に説明会を実施したことも導入時に行った工夫のひとつです。

運送会社に導入をお伝えした際には、先入観で「難しい」という声があがりました。そこで、必要なマニュアルを用意することはもちろん、事務所に直接伺って、作業の際の不明点や要望をヒアリングすることを行うことによって懸念を払拭しました。徐々に質問の質も変わ
ってきて手応えを感じました。直接話をすることを大切にした点が、成功の秘訣だと思います。

Q.今後 MOVO Vista を使って実現したいことを教えてください。

まずはデータの一元管理です。一元管理されているデータはこれまでもありましたが、散在しているものを手作業で集計していました。

MOVO Vista 導入以前は、運送会社各社が、弊社が依頼した Excel フォーマットに合わせて集計し、送付してくださっていましたが、現在は MOVO Vista から各社がダウンロードし、成形して送付してくださるようになりました。

地点情報についてもマスタで管理しているため、人為作業による表記ユレがなくなり、現在も手作業は残っていますが、業務自体の負荷は軽減しています。弊社は各地で工場を運営していますので、川内工場だけでなく他拠点での展開も考えています。今後、輸送手配にかかる業務工数削減だけでなく、他の観点からのメリットを見出し、他の拠点へ展開に繋げていきたいと考えています。

そのためにも、MOVO Vista のデータから輸送案件の可視化を行い、集荷時間や行き先、車両や輸送荷物を分析することによって、輸送の合理化を図ることが目標です。データ蓄積環境ができたので、そこからデータを抽出し、輸送を合理化することによってキャッシュアウトの削減に寄与したいと考えています。

現状は同じ行き先に対して別々に輸送を依頼していますが、MOVO にある輸送の頻度やルート、依頼数を分析し・傾向を確認することによって、便を統合・集約することを検討していきたいですね。

また、現在はチャーター便だけですが、今後は定期便においても MOVO Vista を活用し、データの一元化を進めることで、物流 2024 年問題を目前に控える今、データを活用した生産性の向上と効率化を図る予定です。