Q. MOVO 導入のきっかけを教えてください
仲村様:当社では、2019年にマルアイロジスティクスセンターが稼働して以来、独自に物流効率改善に努めてきました。2022年頃から「物流2024年問題」がメディアで盛んに取り沙汰されるようになり、ドライバーの担い手不足や法改正による時間外労働の制限に対応するため、ドライバーに配慮した店舗配送が急務と考えるようになりました。
そのためには、アナログ管理からデジタル管理にシフトし、効率的な走行実績の取得や配送計画に対する予実管理、店舗での車両停留時間の把握が、素早く簡単にできることが必須と考え、動態管理システム導入の検討を始めました。
Q. MOVO Fleetを選んだ理由を教えてください。
仲村様:いくつかの候補を比較検討する中、簡単に走行ログを収集できて、かつ直感的な操作でデータ抽出ができるMOVO Fleetの採用に至りました。選定にあたっては、運送会社からの理解や協力も得やすく、早期に導入できることも重視しました。
Q. 導入後の成果を教えてください。
仲村様:配送計画に対する予実管理については、店舗や物流拠点などの簡単な地点マスタ登録と、現状の配送コース表をシステム登録するだけで、簡単に把握できるようになりました。
また、地点滞在時間分析機能を利用することで、滞在時間が比較的長い店舗を特定し、曜日・時間帯や前後の配送状況も加味した傾向を探ることができるようになり、改善に向けた対策を絞りやすくなりました。
例えば、店舗では一定のルールに沿って回収する什器を整理しておくのですが、整理が出来ていない店舗では、車両が到着してから什器を整理するため、その分時間を要してしまいます。この地点滞在時時間分析機能を使うことで、車両の滞在時間が長い店舗を特定し、状況を確認して改善を促すといったアクションをとることができるようになりました。
さらに稼働時間分析機能や走行履歴を確認することで、紙ベースの配送日報では見えてこなかった詳細な「走行時間」「作業時間」「停留時間」がグラフ化され、想定外の場所での停留などが一目で把握でき対策が打てるようになりました。
コースの組み替え検討が容易になったのも大きなメリットと感じています。配送の実績がさまざまな角度で可視化されたので、配送コースの組み替えを検討する際には、過去の配送の実績を確認しながら配送(走行+荷積み荷下ろし)に必要な時間を加味し、効率的であることだけでなく、ドライバーに無理のない現実的なコースの組み替えの検討ができるようになりました。 組み替えた配送コースは、CSVでアップロードするだけで、MOVO Fleetの配送計画に反映されます。実績は即座に反映され予実が一目で確認できるので、組み替えたコースの効果をすぐに確認できるようになりました。
これらの取り組みにより、導入後2カ月で、コースを解体し稼働時間の短いコースに分散させることで、95コースのうち1コースの減便を実現しました。
配送計画ダッシュボードでは、車両の現在地から配送先店舗までの距離の情報から、到着時間の予定を確認することができます。それにより、交通事情等により納品遅延が発生した際などは、店舗に遅延の状況をスムーズに連携することができるようになりました。
図1:滞在時間が長い拠点の特定と分析
図2:車両の稼働状況をグラフで可視化
図3:配送計画に対する実績を把握(予実のデータはCSVでダウンロード可能)
Q. 導入にあたり苦労したことなどあれば教えてください。
山口様:特に苦労した点はありません。当初は、MOVO Fleetの導入に際して、コース数が約100コースあったことから必要情報の入力作業が大変になるのではと思っていましたが、CSVデータを活用して登録ができ、また登録作業を補助する機能があるため想定よりも簡単に導入準備ができました。
Q. 今後の展望を教えてください。
仲村様:MOVO Fleet導入による効果を実感していますが、まだまだ伸びしろがあると思います。システム導入することだけに満足せず、収集データを活かし分析することで更なる改善を実現し、持続可能な物流体制を構築したいと考えています。
山口様:配送ルートを細かく分析し、無駄の洗い出しやバラつきを無くして効率化を図る等、コース数の削減や拘束時間の短縮、燃料費の削減を目指します。また、センターを管理している配送管理者の業務負荷の軽減も不可欠です。動態管理システムの導入により、経験や専門知識を有する管理者以外でも業務の勘所を捉え、スムーズな運行管理が行えるよう「脱属人化」も進めていければと考えています。